シリア・アサド元大統領とイスラムについて

タイトルどうりです
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@bukrd405

アサド前大統領は1930年10月6日に地中海岸の港町ラタキア近郊の山岳地帯にあるカルダハ村でアラウィー派の農民の子として生まれた。アラウィー派はイスラームにシリアの土着宗教やキリスト教などが融合した秘儀的な教義を持つシリア山岳地方独自の宗派で、

2012-07-26 21:11:17
@bukrd405

(承前)スンナ派など多数派からはつねに異端視され、抑圧されてきた。だが、フランスの委任統治が転機をもたらす。フランスは多数派のスンナ派による独立運動を抑えるため、アラウィー派やドルーズ派の子弟に教育の機会を与え、軍士官などに登用した。

2012-07-26 21:17:30
@bukrd405

他方、スンナ派は一般に軍人を「賤業」として嫌ったため、独立後、アラウィー派は次第に軍の中核を占めるようになる。また、ながらく差別を受けてきたアラウィー派の若者は脱宗教・宗派的なアラブ民族主義や社会主義に活路を見出すようになり、このふたつの思想潮流が合流して、

2012-07-26 21:23:41
@bukrd405

(承前)現在のシリアの支配政党であるバアス党(アラブ社会主義復興党)が生まれた。16歳でバアス党に入党し、中学卒業後、士官学校に進んだアサド前大統領は、軍とバアス党というアラウィー派のパワー・ステップを登りつめることで、軍を掌握した。

2012-07-26 21:27:04
@bukrd405

『アラブ経済史 1810~2009年』http://t.co/9Sz2J118 19世紀以降、資本主義および社会主義との緊張関係のなかで「近代化」を進めてきたアラブ世界の歩みを「経済」に焦点を絞って辿り、「多様」でありながらも独特の「共通性」をあわせ持ったアラブ世界の実像を

2012-07-26 21:31:47
@bukrd405

しかし、スンナ派の間で一般に軍人が「賤業」として嫌われていたということは、この本を読んで初めて知ったな。やっぱりイスラーム圏に関しては知らないことが多すぎる・・・

2012-07-26 21:33:05
まとめ 主にシリアにおける軍人差別について タイトルどうりです 4886 pv 29 5 users
@bukrd405

アラブ人の伝統的な考え方では、技術者というのは手仕事を行う者として軽蔑されるべき肉体労働者のカテゴリーに属していた。今でも、インテリの好む学問は政治、法律、経済などである。軍人が「賤業」とされていたのは、こういう考え方の影響なのかもしれない。

2012-07-26 21:42:17
@bukrd405

しかし、シリアでこれほど賤視されていたアラウィー派(しかも人口の12%程度)が、政権支配層を占めるようになったのだから、彼らにとってフランス統治時代は階層上昇のチャンスだったのだろうな。

2012-07-26 22:15:01
@bukrd405

シリアの2011年とアラウィー派とスンナ派 ―宗派の歴史性と宗派間暴力の危険性―http://t.co/cvDAuwu6在外活動家の多くが裕福な移民の2世、3世であり、シリアに行ったことがなく、アラビア語を話せない者も多く、そのため、シリアの一般の人々がどのような生活を送り、

2012-07-27 18:37:54
@bukrd405

都市部のスンナ派名望家は、自分たちを「ハーッス(特別な人)」と呼び、下層の人々を「アーンマ(大衆)」と呼んでさげすんできた。強烈な特権意識を持ち、数百年にわたる婚姻関係で複雑に結びついているスンナ派エリートの世界に、軍歴以外に何も持たない農村出身者が入りこむことは、

2012-07-27 18:43:58
@bukrd405

(承前)同じスンナ派であっても極めて難しかったと思われる。ハーフィズ・アル=アサドが、権力を築いていく過程で、強い信頼関係のの必要な軍と治安機関の高級幹部をラタキア出身のアラウィー派で固めたのは、宗派的な共感よりも、信頼できる人々を同郷の地縁に求めざるを得なかったためと考えられる

2012-07-27 18:47:34
@bukrd405

実際、アラウィー派の全てがアサド政権を支持しているわけではない。・・・逆に、軍や行政機構の中堅幹部にはスンナ派も多く、特に、農村や都市中下層出身のスンナ派で、アサド政権の下で官僚や軍人として出世し、財を蓄えた人々の間には、政権に対する篤い支持を見ることもできる。

2012-07-27 18:51:22
Ugata @ugata_noto

@bukrd405 個々人の複雑な利害関係が入り組んでいて、当たり前ですが、外から見た「○○派」といった簡単な割りきりでは論じれないようですね

2012-07-27 19:57:50
@bukrd405

@ugata_noto レバノンでもすべてを宗派間闘争でかたづけるのは間違いだそうです。メディアではたいていそのような単純化した構図で描かれていますが。

2012-07-27 20:09:15
MB13 @MB13

@bukrd405 ちなみに現代シリアには兵役義務があって、よほど優秀で海外の博士課程に留学できるか、その家で唯一の男子である場合を除いて、国民は皆従軍しています。とはいえ、こういう人々がシリア軍の中で何パーセントぐらいを占めるのかなどは知りませんが。

2012-07-27 20:54:11
MB13 @MB13

@bukrd405 更に、付け足すとすれば、軍はアラウィ派同様、国内での立場が厳しいクルド人が成り上がる為の場でもありました。クルド人は、現在でもスンナ派の人々から「(たとえ国籍を持っていても)シリア人とは認めない」と嫌われています。

2012-07-27 20:59:17