岩上さんが取材帰りにのったタクシー運転手から聞いた『沖縄での悲しい出来事』

選挙では、争点から外され、気持ち悪いほど、話題にならなかった沖縄基地問題。 基地問題に積極的に取り組んできた民主党の喜納昌吉議員は、得票を伸ばせず、残念ながら、落選してしまいました。 こんなんで、本当にいいんでしょうか? 続きを読む
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岩上安身 @iwakamiyasumi

辺野古への基地移設反対運動にかかわっているアーチスト、住民、運動のリーダーにそれぞれ取材。先ほどインタビューを切り上げて、名護市内の、樹齢400年度も言われるピンプウガジュマルの側でタクシーを拾い、那覇市内のホテルへ向かう。

2010-07-13 00:55:55
岩上安身 @iwakamiyasumi

そのタクシーの運転手と、道中、長話。48歳。水産高校出身、船乗りだった。「夜、クーラーを使わずに寝ているでしょ。するとたまに、夜中や早朝に米軍機が超低空飛行をしてゆく。石を投げたら当たるくらいの。すごい爆音」

2010-07-13 02:20:41
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。「夜間は飛行禁止という取り決めをしても、米軍は守りませんよ。本当に頭に来る」と、その運転手。「口に出すか出さないかはともかく、みんな、米軍には出ていってもらいたいと思ってるんじゃないですか」

2010-07-13 02:29:22
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。でも、反対運動をやって政府ににらまれたら怖い、と感じる人は多いと。「仕事がなくなるんじゃないか、という不安が一番大きい。首を切られるんじゃないか、とか」。昔の沖縄人は、こんなにヤワじゃなかった、という。72年の本土復帰前に起きたコザ蜂起を、今でも覚えている。

2010-07-13 02:41:49
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。米兵同士のいざこざに沖縄の人間が巻き添えを食ったことに端を発したコザ蜂起。米軍人の車が、80台焼かれた。「私はまだ小さかったけど、自分の目で見た。凄かったですよ。本土復帰前は、貧しくて、アメリカの植民地扱いだったけど、でも、あの頃の沖縄人は、エネルギーがあった」

2010-07-13 02:49:25
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。本土復帰前は、米兵の暴力沙汰は日常茶飯事だった、という。「船乗りをしていた頃、7歳年上の先輩がいて、酒を飲むたびに泣きながら話してくれた話があるんです」。年頃の娘が、白昼、4人の米兵に襲われた。自宅が鮮魚店で、その店に押し入ってきた米兵に集団レイプされそうになった。

2010-07-13 03:00:30
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。その犯行現場に、たまたまその娘の婚約者がやってきた。自分の恋人が暴行されかけているのを目の当たりにして、若者は店にあった出刃包丁で米兵3人を刺した。その若者は逮捕され、無期懲役に。婦女暴行の米兵達は、お咎めなし。米本国に送還されただけ。沖縄が復帰する直前の話だ。

2010-07-13 03:08:02
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。本土復帰後、恩赦で減刑され、刑期は10年に。しかし、悲劇は続いた。被害にあった女性は、恋人の出所を待つことなく、自ら命を絶った。「私の先輩の、10歳歳上の兄貴の話なんです。先輩は、酒を飲むたびに泣いていた。兄貴と、兄貴の彼女のこと、助けてやれなかったって」

2010-07-13 03:18:45
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。一つの事件で、被害者の家族、一族がみんな苦しむ。「こんなむごたらしい事件、他にもいっぱいあったはずですよ。被害にあっても、だいたい泣き寝入りですよ。そういう積み重ねがあるから、数年前、少女を米兵が集団レイプした事件の時、怒りが爆発するんじゃないですか」

2010-07-13 03:25:29
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。「個人的に知り合うと、米兵の中にもいい奴もいるんですけどね、でも、米軍が沖縄に居座るのは許せない。私にも娘がいますが、もし娘がそんな目に合わされたら、自分の手で殺してやる、と思いますよ」。身内の女を乱暴されて、怒り狂わない男はいない。

2010-07-13 03:37:52
岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。沖縄の人々の怒りの爆発のさせ方は、独特で、律儀でもある。コザ蜂起の際、80台もの車を焼きながら、焼く前に中にいる人間を引っ張りだし、車だけを破壊した。人は一人も殺さなかった。そうした、「心優しい」抵抗の流儀を、ひそかに誇りに思う沖縄人は少なくない。

2010-07-13 03:50:59