「ストレステスト」により失ったもの

「ストレステスト」がクローズアップされる事で、本来、実施されなければならない「バックチェック」が無視される形になっている。 木野さんのツイートをまとめました。
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木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

今日、ニコ生でご一緒した田中三彦さん(前国会事故調委員)が、ストレステストがでてきたために、福島のような事故が起こらなければいいという認識が生まれ、安全レベルが落ちていると指摘。全同意。→保安院:「泊と川内に課題」安全評価の審査結果案 http://t.co/pYx5awEx

2012-08-09 00:53:45
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前)もともと保安院は、耐震バックチェックを進めていて、基本になってる2006年新耐震指針は、当たり前だけどストレステストより詳細な決まり事がある。ところが福島第一をはじめ、ほとんどの原発はバックチェックを終えてない。つまり新耐震指針に適合する原発はまずないということ。

2012-08-09 00:58:27
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前2)一方で、細かい設計基準ではなく、かなりざっくりした内容の安全基準(のようなもの)が、ストレステストの関係で関係閣僚から出てきてしまった。またストレステストそのものも、一次評価と二次評価という、欧州発の元ネタにはない不思議な内容にしたから、極めて中途半端な手法になった。

2012-08-09 01:01:27
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前3)安全確認手法として半端な内容になったストレステストには法的な裏付けがない。従来ならこんな内容の規制を電力会社が認めるわけがないけども、今は原発事故後で弱っているのか、それとも法的根拠がないから裁量で自由にできると思ったのか、とりあえず実施するということになっている。

2012-08-09 01:04:39
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前4)でもストレステストは、前述した新耐震指針に比べれば条件を満たすのはラクだしカネもかからない。新耐震指針に基づくバックチェックは、まともに取り組むと原発を止めないといけないし断層チェックなどにも費用がかかる。保安院の指示から6年だが、ほとんど進んでないことでも大変さがわかる

2012-08-09 01:08:24
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前5)でも手順からいえば、まずはバックチェックを完了させて、それからストレステストなりなんなりをするのが本筋。ところがストレステストがでてきたために、本筋のバックチェックに関する議論がバックステージに追いやられた感じがある。かわってストレステストが前面に出ている。だから・・・

2012-08-09 01:10:15
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前6)田中三彦さんは、福島の事故が起こらなければよいというストレステストが出てきたために、安全レベルが下がってしまったと危惧する。この危惧は、当たってると思う。まずは本来完了すべきだったバックチェックをバックフィットにして徹底することと・・・

2012-08-09 08:34:49
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前7)・・各事故調報告書の内容を吟味し、予防措置をとることが重要ではないか。現行の再稼働基準のように、例えば大飯原発で免震棟の建設計画があればいいなどという奇妙な取り決めではなく、措置が完了してから動かすというごくあたりまえのことを実行しないといけない。それが信頼回復の第一歩。

2012-08-09 08:37:42