加藤尚武『災害論―安全性工学への疑問』第4章「「安全」と「安心」の底にあるもの」①

宗教学者 島薗進氏の呟きをまとめました。 これは①なので、②以降も、呟きをフォローしたらまとめます。
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島薗進 @Shimazono

1加藤尚武『災害論―安全性工学への疑問』第4章「「安全」と「安心」の底にあるもの」①哲学者の「安全安心論」批判に注目「「安全・安心」というように二つの言葉が連なって、それが災害対策や技術の社会的な利用の条件であるかのように語られるのは、日本だけの現象で、諸外国には例を見ない」

2012-08-09 10:49:37
島薗進 @Shimazono

2加藤尚武『災害論―安全性工学への疑問』第4章「「安全」と「安心」の底にあるもの」①「これは正式の法律文書には登場せず、科学技術に関連する官庁や官庁主導の報告書などに使われている」p69加藤氏は2004年の「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」の報告書とする

2012-08-09 10:49:58
島薗進 @Shimazono

3加藤尚武『災害論』第4章「…「安心」…」①だが高木仁三郎は96年の『原子力安全白書』http://t.co/Op3Vq9AT が始まりという。加藤の論に戻る「「安全・安心」は、日本の技術行政の専門家が国民向けに作っ概念で、法哲学的には「安全」と「安心」は区別しなければならない」

2012-08-09 10:51:17
島薗進 @Shimazono

4加藤尚武『災害論』第4章「…安心…」①加藤氏によると「安全」と「危険」は対概念で自由の不可欠の条件をなし、国家の介入が認められる領域「自由主義によれば、公共機関が個人の生活に干渉してよい唯一の根拠は、”harm-to-others”(他者への危害)の防止であると定義づけられる」

2012-08-09 10:52:07
島薗進 @Shimazono

5加藤尚武『災害論』第4章「「安全」と「安心」…」①「定義づけられるから、その場合には、「危険」の概念を勝手に危険でないものにまで拡張すると、政府の権限をそれだけ拡張することになる。この考え方を裏返しにすれば、「安全」を「安心」にまで拡張すると、「安全」を確保することは」

2012-08-09 10:52:41
島薗進 @Shimazono

6加藤尚武『災害論』第4章「…安心…」①「政府の義務であることから、「安心」を確保することも政府の義務であることになり、それは政府の義務の拡張を意味することになる。それは自由主義の政府論の根幹に関わる問題である」加藤氏は安全・安心論が国家が「安心」にまで介入することになると危惧。

2012-08-09 10:54:34
島薗進 @Shimazono

7加藤尚武『災害論』第4章「「安全」と「安心」…」①私の理解では加藤氏の考えは「安全」確保義務を超える要素をもつリスクの受容については、市民社会の合意を作ることによってしか解決できないが、「安心」をも国家側が保障するかのごとき姿勢をとることで合意形成を排除してることに問題と。

2012-08-09 10:56:08
島薗進 @Shimazono

8加藤尚武『災害論』第4章「「安全」と「安心」…」①紹介継続予定。なお現在進行形の以下の会議は深い関連。第3回原子力被災者等との健康についてのコミュニケーションにかかる有識者懇談会 http://t.co/hne7hVEr 。 8/9本日16時半-18時半。USTREAM中継あり

2012-08-09 10:57:57