オリンピックもいよいよ終わりだね。今回、ボクは一つネットなどを見ていても気になったことがあるんだ。それはオリンピックの選手への強化費用などに関する部分なんだけれど、よければ少し話をしてもいいかい?
2012-08-11 22:38:05よく見かけたのが日本の選手強化費用や、五輪選手にかかっている予算は他国に比べるととても少ないという話なんだけれど、そのためにはまずスポーツの予算というのがどういうものなのかを説明した方がよさそうだね。その部分での比較ではこんな資料があるよ http://t.co/xGnxTgi9
2012-08-11 22:40:30これによると、平成23年度の予算では日本は228億の予算を計上している。金額だけ見ればこれはかなりのものだね。さらに、地方の予算も合わせると2500億円(1179自治体の総額)になるんだけれど、一方でこの数字が大きいからといっても、それが選手に回っているわけではないんだ。
2012-08-11 22:43:00まず、日本の予算は確かに金額だけ見れば大きいけれど、GDP比で見ると必ずしも多いとはいえない。次に、2500億円もあればもっと様々なプログラムもできると思うんだけれど、実際にはその予算のほとんどは公共施設の建設、維持修繕費や、人件費などに消えてしまっているのが現状みたいだね。
2012-08-11 22:45:04そこで、実際に今回のオリンピックに関連した予算を見ると、日本政府がどれだけ予算を割いていたのかといえば競技スポーツ全体への予算を除けば、JOCへの予算としての26億、そしてメダルをとれそうな競技の強化に当てられたマルチサポート事業としての27億円がある。
2012-08-11 22:47:44JOCの予算といっても、それはすべて選手にいくわけじゃないし、この金額は確かに他の国に比べると多くはないね。文部科学省がまとめている各国のスポーツ政策の動向(http://t.co/nWO7SIFs)を見ても、アメリカはオリンピック予算として150億も計上していることになる。
2012-08-11 22:50:06そして、もう一つの問題が日本の選手強化やアスリート支援のシステムの問題なんだけれど……その話にいく前に、もう一つ重要なことがある。それは、そもそも日本人やその他の国はスポーツというものを、どういう位置づけでとらえているかという部分だ。
2012-08-11 22:51:36今回、それをいくつか見ていて面白かったんだけれど、日本の場合もともと戦後の比較的早い時期に「民衆への慰安の提供」というのが大きな目的となっていた。つまり、スポーツ選手ではなくごく一般の国民にどうやってスポーツへの参加を促すか、というのが目的だったといえるんじゃないかな。
2012-08-11 22:53:56さらに、この当時プロスポーツというのが今とはだいぶ種類が違っていたのも大きい。具体的にいえば、相撲や野球、レスリングや、さらには競馬もそれに含まれていた。今回のオリンピックにあるような、フェンシングやテニスはとてもまだプロスポーツとして確率するとは考えてもいなかったんだ。
2012-08-11 22:55:49ところが、東京オリンピックでの日本選手団の活躍などもあって、徐々にではあるけれど専門のスポーツ選手の育成というのが意識されはじめた。とはいえ、それはあくまで考え方の部分であって、いまだに競技によって大きなばらつきがあるのも事実みたいだね。
2012-08-11 22:57:23そのため、政府が行ったマルチサポートの予算配分でも「メダルをとれそうな競技」に支援する、というものだったんだけれどその数は必ずしも多くはなかった。http://t.co/91cnZfOc ここにあるように今回きちんとメダルを獲得した競技も多いけれど、一方でボクシングなどはないんだ
2012-08-11 22:59:29もう一つの課題としてあるのが、スポーツl選手個人への支援や、援助のシステムの点ではまだ非常に不十分なことが多いことにある。例えば今回、男子体操で日本の銀メダルに大きな貢献をした田中兄弟の場合でも、遠征費用などのほとんどは家族が負担していた。http://t.co/3D1vdTs6
2012-08-11 23:02:42たぶん、なでしこがワールドカップで優勝したときに仕事とサッカーを両立していた選手がいたことや、フェンシングの太田選手が北京オリンピックで銀メダルを獲得したときに、仕事をくださいといったのを覚えている人もいるんじゃないかな?
2012-08-11 23:04:45さっきも書いたように、日本のスポーツはもともとができるだけたくさんの人に参加してもらいたいというものだから、スポーツ選手も好きな人が自分でがんばればいい、という考えがあるのもわかるところだけれど、そのために道を諦めるしかないスポーツ選手が多いこともまた事実だからね。
2012-08-11 23:06:56さて、日本の状況は大体そんなところなんだけれど、それじゃあ日本が「国民の慰安」をスポーツの目的にしているとしたら、他の国はどうなんだろうというのは気になるところだね。
2012-08-11 23:09:23例えばオリンピックにもっとも予算を割いているアメリカの場合はもともとスポーツが盛んだったから国が関与するという考えはあまりなかった。けれど、国民の運動不足やオリンピックのメダル数が注目されるに連れて、徐々に州という枠組みを越えてスポーツを支援するという考えが強くなったみたいだね。
2012-08-11 23:12:19さらに、ドイツなどでは「国民の健康な生活」の一環として、スポーツが全面的に奨励されているみたいだよ。現在、ドイツでは国民の総人口のおよそ三分の一がなんらかのスポーツクラブに加入しているされているし、同じようにスポーツ選手の育成にもそれだけ力を入れているんだ。
2012-08-11 23:14:14具体的にいえば、トップ選手を育成するための「エリートスポーツ学校」というのが30ヶ所以上もあるし、大学でもスポーツ選手に配慮された「パートナー大学」とうのがある。そのおかげで、スポーツ選手はかなり財政や学業面での負担を軽減させることができているみたいだね。
2012-08-11 23:16:25具体的にいえば、トップ選手を育成するための「エリートスポーツ学校」というのが30ヶ所以上もあるし、大学でもスポーツ選手に配慮された「パートナー大学」とうのがある。そのおかげで、スポーツ選手はかなり財政や学業面での負担を軽減させることができているみたいだね。
2012-08-11 23:16:25ただ、ドイツの場合にはその予算もまた膨大なものであるのは重要な事実だからね。ドイツのスポーツ予算は日本よりも多い、263億円にもなるし、オリンピック予算のために2006年から2009年までに計上された予算は、およそ8億6000万ユーロ。当時のレートではおよそ960億円にもなる。
2012-08-11 23:18:39次に、さっき少し触れたスポーツ選手個人への援助という面ではカナダがなかなか面白いみたいだよ。カナダはスポーツ予算の中から、世界レベルの大会などで上位(十六位以上)が期待できそうな選手には、国から直接の支援プログラムがある。その金額はおよそ22億円みたいだね。
2012-08-11 23:20:29これは、もともと移民政策の問題や、カナダ国内の内政問題から国が「スポーツを民族事業」と考えている部分も大きい。他に目を移せば、デンマークなんかは女性の積極的なスポーツ参加というのが、後押しされている場合もあるし、このあたりは本当にそれぞれの国の考えが出ているんじゃないかな。
2012-08-11 23:22:15大体、ボクの話はこんなところなんだけれど、最後に少しいえば日本では今後スポーツでも生涯学習の一環としてどうしていくかというのが大きいみたいだね。さっきも書いたように、どうやって国民をもっとスポーツに参加させていくかというのが根底にあるから、これは日本の課題なんじゃないかな。
2012-08-11 23:23:59今回もだいぶ長くなってしまったね。ありがとう。聴いてもらえて嬉しかったよ。 参考資料:諸外国および国内におけるスポーツ振興施策等に関する調査研究 http://t.co/nWO7SIFs スポーツ政策の現状と課題:http://t.co/2PpwHtxm
2012-08-11 23:26:27