石井紘基さんが語る利権の構造

石井紘基さんの、特別会計を中心とする利権構造を語った言葉の引用を読みやすくするためにまとめた。
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木下秀明 @khideaki

利権①「道路予算全体は年間13兆円に上ります(平成12年度)。中でも日本道路公団は孫会社67(平成10年)、公益法人2を含め、ファミリー企業群約200を抱える巨大組織で、利権の巣窟です。また「政治家の財布」と呼ばれる存在です。」(石井紘基・著『誰も知らない日本国の裏帳簿』より)

2012-08-18 20:11:42
木下秀明 @khideaki

利権②石油特別会計「補助金のあるところ天下りと政治献金あり、ですから、これらの分配金にもそういう意味があるわけですが、ここで税金を使う目的がもう一つある--通産省と族議員による業界支配です。民間産業は競争の世界であり、競争こそが活力の源泉です。同一業種の企業を集めて業界団体を…

2012-08-18 20:15:17
木下秀明 @khideaki

利権③「(続き)…業界団体を作り、それを政官業の仲良しクラブとして企業間の競争を止める。しかも「民」は「官」からの補助金に頼って、官に支配される。補助金を与えることで民間を隷属させる行政の姿勢がここにはっきりと見て取れます。」利権のネットワークがここに見える。

2012-08-18 20:17:38
木下秀明 @khideaki

利権④「石油公団は国の金を使い、石油各社と組んで次々に出資会社を作り、平成9年にはそうした子会社が266社もありました。それらの子会社には通産省の役人が天下ってずさんな経営をやり、赤字を出して破綻し、144社が解散に追い込まれ、約1兆円の損失を出しました。しかし、そういう会社を…

2012-08-18 20:21:20
木下秀明 @khideaki

利権⑤「(続く)…そういう会社を清算する際には、公団が債権を放棄するなどして、石油会社は損をしない。」公団がつぎ込んだ金は返ってこない。損害は国民の金の方で石油会社にはない。利権にぶら下がる人間たちには利益はあっても損害はない。これが利権の実態だ。

2012-08-18 20:23:29
木下秀明 @khideaki

利権⑥「海外に油田を開発して原油を確保する、と言うのが子会社を作る表向きの理由ですが、投資が成功した例はほとんど無く、採算が取れているのは公団が言うところでも7,8社に過ぎません。これは非常に確率の低いギャンブルであり、国民の血税を注ぎ込んでやるべきことでは断じてありません。」

2012-08-18 20:25:29
木下秀明 @khideaki

利権⑦公団の子会社が採算が取れないのは、採算を取るというモチベーションが働かないからだ。採算を取れなくても会社を整理してしまえばすむ。何の痛みもない。金を流すのが目的で会社を作っているのであって、それで儲けることが目的ではないからだ。これが利権の原理だ。

2012-08-18 20:27:23
木下秀明 @khideaki

利権⑧「当たらなくて当たり前と言われる石油探鉱バクチに税金をつぎ込む本当の目的は、石油業界からの政治資金と、旧通産省官僚OBの天下り先確保。石油公団は、石油各社と組んで子会社をどんどん作り、そこに国債を注ぎ込み、旧通産省の権益を確保しています。モーレツに金を食う、石油採掘は…

2012-08-18 20:29:44
木下秀明 @khideaki

利権⑨「(続き)…石油採掘は、政治家や官僚にとって、むしろ「都合のいいこと」なのです。」国民の利益という観点からは不合理なことが、政治家や官僚の利益という観点からは合理的な判断になる。彼らにとっては、たとえ不正であろうとも利益になればいいのである。これも利権の持つ原理だ。

2012-08-18 20:31:34
木下秀明 @khideaki

利権⑩港湾整備特別会計に群がる子会社群は数百から千社に上るらしい。「民間企業はこうした圧倒的な資金量を持つ行政企業の進出の前に、海浜事業の主体となることを阻まれ、せいぜい官業の使用人の地位しか与えられていません。その結果、ほぼすべての港湾関係の土木、建設、運輸、物流、…(続く)

2012-08-18 20:46:07
木下秀明 @khideaki

利権⑪「(続き)…レジャー産業は旧運輸省にすがり、依存し、業界団体を通じての「便宜供与」を受けることに酔ってしか存立できない状況に立たされています。その便宜供与の見返りとなるのは、天下り官僚の受け入れであり、「受益者」企業からの政治献金であるのは言うまでもありません。…(続く)

2012-08-18 20:48:23
木下秀明 @khideaki

利権⑫「(続き)…こうした利権構造が作り出した全国1088カ所の港湾設備で、採算の合うところは一カ所もありません。」採算が合うような健全な経営がされていれば国民の損害はない。しかし採算が合わないから依存し利権として存続し続ける。採算が合わないことが利益に繋がっている。

2012-08-18 20:50:53
木下秀明 @khideaki

利権⑬石井さんは空港整備特別会計のムダの中で特に東京国際空横行団の壮大なムダを指摘する。「今日成田空港の年間発着能力は13万回。ニューヨーク空港の74万回、ロンドンの59万回と比べると著しく劣ります。羽田空港を国際便に利用すれば、3000万人の人口を持つ首都圏メガロポリスに…

2012-08-18 22:24:06
木下秀明 @khideaki

利権⑭「(続く)…メガロポリスにふさわしい玄関口となるのですが、それに踏み切れない。この理由はただ一つ、成田を国際空港として建設してきた旧運輸官僚のメンツです。」この記述は2002年のものなので、今は少し数字が違うと思うが基本的には変わらないと思う。成田は不便な空港だからだ。

2012-08-18 22:26:00
木下秀明 @khideaki

利権⑮「政治家や官僚は、メンツや利権には必要以上にこだわりますが、空港建設の経済的合理性にはまるで関心がない。こんな調子で次々と建設された空港は全国に100もありますが、すべてが赤字経営となっているのは当然とも言えるでしょう。」という指摘もある。合理性よりも利権が優先される。

2012-08-18 22:28:01
木下秀明 @khideaki

利権⑯農業経営基盤強化特別会計については、これによって運営されている事業がいらないものでありすべてムダだと断言している。機械や設備の導入に貸し付ける業務では農協系金融機関である「信連」に渡り、農協あるいは、第三セクターである地域農業改良普及センターを窓口として借り手に渡るようだ。

2012-08-18 22:33:26
木下秀明 @khideaki

利権⑰この貸し付けは無利子で行われるので収益は生まれない。だが事務費や人件費は生じるので、そのための莫大な予算が組まれるという。就農支援資金貸し付けは農業を始めたい人を支援するのだそうだが資金量が24億円だそうだ。石井さんは、これで何が出来るのか、と指摘している。

2012-08-18 22:36:06
木下秀明 @khideaki

利権⑱これら貸し付け業務は、どれも市町村の役所で十分カバーできるものだと石井さんは指摘する。しかしわざわざ外郭団体を作ってムダな税金をつぎ込んでいる。「これらの事業の目的は、補助金団体をたくさん作ることです」とも指摘している。金を回すために団体が作られている。利権そのものだ。

2012-08-18 22:38:56
木下秀明 @khideaki

利権⑲最後の指摘も驚くようなものだ。「なお、この特別会計では、どういうわけか農水省職員3211人分(平成10年度)の給与も支払っています。農水省職員の定員は④万2990人ですから、全体の7%あまりを特別会計で負担していることになります。国家公務員の給与は正規の会計で支払われる…

2012-08-18 22:41:00
木下秀明 @khideaki

利権⑳「(続き)…支払われるべきもの。なぜ一般会計で全員の給与を払わないのかその理由を農水省に尋ねてみると、「工事の受益者負担分の中に人件費も組み込まれているので」という。公務員の給料を税金で払えないのは、行政がやるべきでないことをやっているからです。」ここには明らかな不正がある

2012-08-18 22:43:48
木下秀明 @khideaki

利権21:財政投融資という利権は郵便貯金、年金、簡易保険などを原資として、国ぐるみの投資事業に巨額の資金を有する制度だ。かき集められた財投の規模は約400兆円。「財投は、国民の金を自由に使えるとてつもなく巨大な財布です。“社会資本の整備”という触れ込みの下でブレーキも…(続く)

2012-08-18 22:49:07
木下秀明 @khideaki

利権22:“(続く)…ブレーキも安全装置もない財投に、国民の金がどんどん注ぎ込まれているのです。」年金は素人運用によって大きな損失を生んだ。財政投融資も所詮は採算を度外視した利権企業に金を預けるのであるから、年金運用の二の舞になることは目に見えている。いつかは破綻するだろう。

2012-08-18 22:51:58
木下秀明 @khideaki

利権23:財投がどう使われるかは分からないようだ。「平成12年度までは国会にすら諮られませんでした。その「予算書」は、きわめて抽象的で曖昧なもの。貸し出された各機関でどのようにその金が使われるかさっぱり分かりません」と石井さんは書いている。秘密裏にやられることにまともなものはない

2012-08-18 22:55:39
木下秀明 @khideaki

利権24:莫大な国民の金を使う特殊会社や特殊法人の予算などの財務内容も示されないし、それらの機関に救う天下り役員の給与なども公表されません。財投資金を使う特殊法人などの財務状況は救いがたい蟻地獄的状態です。当事者に責任が問われないからです。国民の金をむちゃくちゃに消費して…(続く

2012-08-18 22:58:01
木下秀明 @khideaki

利権25:むちゃくちゃに消費して、何に使ったかも定かではないとはまさに言語道断ですが、財投の制度はそれがまかり通るように出来ているのです。」蟻地獄というのはシロアリの地獄なんだろうか。消えた財投の金が戻ってこないことがはっきりしたとき日本の破綻も誰の目にも明らかになるだろう。

2012-08-18 23:00:27