◆ザ・ヴァーティゴVS地底科学世界◆その1◆
ここをはっきりさせないと話は始まらないんだよ。すごく大事なんだ。装束はピンクで、金属部はシルバーなんだ。つまり、今の俺は、ザ・NEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEW ヴァーティゴなん01000100010001001
2012-08-14 22:47:24おっと、アブナイ、アブナイ、お前ら、そうやって俺の事をのせて、このチョーカッコイイ俺の新しいこの、あれを、なんかアレして、なんか見ようってんだろ?その手には乗らない。とある人をキュッとしてデザインさせたんだ。キュッとしてな。まだだ。もったいぶるんだ。俺はな。
2012-08-14 22:51:34#NJSLYR もったいぶる……すごろくは……アッハイ、なんでもないです。シリアスな話なんですね。
2012-08-14 22:55:23今、俺は、地底鉱山帝国を訪れている。客としてな。この星には全部で66のドメイン(地中に作られた人工空洞都市をここではそう呼ぶんだ)があったが、うち65は火星人に全て制圧された。この世界の人間の武器では倒せないんだ。それで、俺がヨージンボとして喚ばれた。参ったぜ。
2012-08-14 22:57:35……でだ、なんで人類がそんなにヤバくなったかっていうとだ、シュタインウルフガー博士が人類を裏切ったからだ。シュタインウルフガー博士は邪悪な科学者で、いわば、火星人に人類を売ったのさ。奴はドメインの侵入経路や防衛システムの弱点を火星人にバラしやがったんだと。
2012-08-14 23:03:10……でだ、今、この地底世界の人類の総人口は2万人しかいない。これはかなり悲観的数字だ。だけど……ほっておくわけには……いかないよな!何しろあいつら、本気で俺の事を救世主だと思ってる。それに、困った事にキツネの野郎が先に招かれていやがった。まずい事に、あいつには借りがある。
2012-08-14 23:11:13……キツネ?あん?いや、ちがうちがう、オメーンじゃないよ。狐なんだ。頭が。頭が狐、身体は人間。しっぽも狐。ワカル?だけどな、それをバカにしたらダメだ。奴はマジでヤバいからな。決闘で15人は殺してる。頭が狐である事を笑っただけで殺すんだ。白手袋を地面に投げつけてな。
2012-08-14 23:13:25まあとにかく、キツネ・ウエスギ卿と俺は、これからシュタインウルフガー博士の野望をくじくための晩餐会議に出席する事になってるってわけさ。ポリッジはなかなかうまいし、鉱石ビールもいける。縞瑪瑙トカゲのステーキは勘弁だがね。
2012-08-14 23:20:21重要な事を言っておく。俺は、ツイッター世界とこうやって交信できる。君たちは、俺にはわからない事がわかるんだよ。わかるかな。「地の文」を読めるだろ、君たちは。だからさ、俺はこれからおっぱじめる冒険の中で、時々ヒントを訊く事が有ると思う。その時はよろしくな。これが言いたかったんだよ。
2012-08-14 23:27:22「ノックを3回もさせんでくれたまえ」ドアを開けると、狐の頭を持つPコートの男がザ・ヴァーティゴを見上げた。「悪い!ちょっとテレパスをね」ザ・ヴァーティゴは頭を掻いた。「もう皆集まってんのかい?」「知らんが、10分前には着席していたほうがよかろう」「そうね」 1
2012-08-14 23:34:01二者は真鍮で補強された回廊を歩き進む。水晶のガス灯で照らされた瀟洒な通路だが、人々の陰鬱な雰囲気がこの世界そのものを浸食しているかのようだ。「おそらく博士の件だろう」「居場所がわかったって?」「ああ、きっとそうだ」 2
2012-08-14 23:40:27両開きのドアを開くと、うまそうな焼き肉の臭いが二人の鼻孔を刺激した。「ご機嫌麗しう。キツネ・ウエスギです」狐頭の男は頭を下げた。「ドーモ。ザ・ヴァーティゴです」ザ・ヴァーティゴもそれに倣う。「よくぞ参られた。ささ、あちらの席へ」でっぷり太った髭の男が促した。カラマス大臣だ。 3
2012-08-14 23:44:45「……」ウエスギはザ・ヴァーティゴを肘でつついた。「当然、把握しておるな?」「え、何が」「テーブルマナーだよ。この国の」ウエスギは念を押した。侍女が二人の椅子を引いてくれる。彼らはゆったりと腰を下ろした。「マナーね。バッチリだぜ」ザ・ヴァーティゴは自信ありげに頷く。4
2012-08-14 23:47:49テーブルに並ぶのは、黒ダチョウの香草焼、岩塩のスープ、緑色のキッシュ、炭酸水、黒ワインだ。まず炭酸水で指を洗う。飲み水ではないのだ。それから岩塩のスープを飲む。器を持って直接すする。それからキッシュを一口食べ、味の感想を言う。それからメインディッシュとワインにありつける。 5
2012-08-14 23:51:30「……」ウエスギが横目でザ・ヴァーティゴを見る。ザ・ヴァーティゴは頷く。「……」ウエスギが横目でザ・ヴァーティゴを見る。「なんだよ」「いや、貴公が正しく振る舞えるかどうか、ちと心配でな」「信用ねえな!」 6
2012-08-14 23:52:37