岡田ぱみゅぱみゅ @kettansai さんによる『疫病と世界史』下の概要について

岡田ぱみゅぱみゅ @kettansai さんによる『疫病と世界史』下の概要についてまとめました。 前回のものは以下です。 岡田ぱみゅぱみゅ @kettansai さんによる『疫病と世界史』上の概要について http://togetter.com/li/354654
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🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

さて、これよりメシ食いつつ読書。本日は「疫病と世界史(下)」である。

2012-08-26 21:42:46
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

上巻は、人類発祥からローマ時代ごろまで、下巻は中世以降のようだ。

2012-08-26 21:44:49
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

「疫病と世界史」第五章。欧州史上最悪の殺戮である「ペスト蔓延」であるが、突然歴史書に出てくる。ギリシャ・ローマ時代なんかは、天然痘の被害は酷いか黒死病らしき記述はない。そもそもペストはインド付近の風土病だったのだが…

2012-08-26 22:14:49
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

同じ頃、中国で人口激減。「圧政による」と解釈されてるが不自然だ。そして、伝染病の蔓延についての記録が多数。

2012-08-26 22:17:30
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

欧州と中国がほぼ同時期に「元々その地域になかった伝染病」に襲われてるのは、どう考えてもモンゴル帝国が縦横無尽にユーラシアを駆け巡り、色んな地域の風土病が拡散されたからです、本当にありがとうございました。

2012-08-26 22:20:41
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

悪いことに、その頃は既に「都市」が欧州各地に出来、交易を行ってたのでペスト蔓延しまくり。修道院で集団生活してる奴らなんぞ格好の標的。死にすぎてラテン語話者いなくなって衰退したぐらい。

2012-08-26 22:24:40
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

一方、イタリア各地を中心に、それまで教会の従者でしか無かった行政当局は、埋葬法指導や交易船の検疫や病人の隔離や医師の手配や水・食料の衛生確保などに尽力。当時の力では限界があったが「神の御心」としか言わない教会よりマシで…

2012-08-26 22:28:58
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

ある意味、ペストが教会の権威失墜と都市の地位向上を生み、ラテン語の衰退や科学的・医学的欲求の高まりなど、ルネサンスの原動力となったのだ、という説もある、との事。

2012-08-26 22:31:47
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

なお、コーランには「疫病の町には行ってはならぬ、汝らの国で疫病が起きたら動いてはならぬ」「疫病はアラーの試練、疫病で倒れる者は殉教者である」とあるらしい。マホメットの時代、アラブは既に感染症の知識があった模様。結局「感染したら撒き散らさずに死ね」なんだけど。

2012-08-26 22:35:58
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

第六章読む。彼の有名な「新大陸インディオが病気で死にまくり」などの内容らしい

2012-08-26 22:38:55
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

間違えた。モンゴル帝国とペストは第四章、新大陸が第五章。

2012-08-26 22:40:08
@sendigar

@kettansai ハディースには「人から人に病気が感染するとか迷信だから!」とムハンマドが主張していた話とかありますね。ムハンマドは衛生環境の問題と考えていた模様。逆に言えばムハンマドが批判していたということは、当時の人間に感染という概念があったということでしょうが。

2012-08-26 22:42:55
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

ちなみに、ちょっと面白い話として、「満州の遊牧民には、マーモットを狩ってはならぬというルールがある。祖先の生まれ変わりだから、とタブーになっており、食肉としても毛皮としても利用しないのだが、実は、マーモットはペスト保菌者なのだ」。

2012-08-26 22:48:20
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

「疫病と世界史」第五章。新大陸のインディオ人口は800万〜1500万と推計されてたが、1億ぐらいいた事が分かってきた。では、なぜ広大な大陸に住む1億もの人間がスペインごときに支配されたのか?

2012-08-26 23:18:38
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

この辺はJ・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」に詳しいが、南北に伸びるアメリカ大陸と違いユーラシアは東西に伸びてるので、「同じ気温」の生き物が全土に広がった。植物も、家畜も、病原菌も。

2012-08-26 23:24:08
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

「どっか一ヶ所の局地的な物」がユーラシア全土に広がるのだから、そりゃ作物も家畜も病原菌も、沢山の種類をユーラシア全土で共有して経験できる。

2012-08-26 23:26:07
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

で、保菌者であるスペイン人が新大陸に上陸、天然痘大流行。次に麻疹。そしてチフス。1億人のインディオは最終的に160万人まで減った。実に致死率98%である。

2012-08-26 23:28:32
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

特筆すべきは、当時スペイン人もインカ人もアステカ人も、疫病は「神の思し召し」と考えてた事。発生すると蔓延して被害拡大する事は知ってたが、「細菌感染」は19世紀末ぐらいまで地球上の誰も把握できてなかった。

2012-08-26 23:32:43
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

なので、スペイン人宣教師とインカ人やアステカ人は「神の御心」という点では合意できていた。では、どちらの神が正しいのか?インディオが死にまくり、スペイン人はビクともしないのだから答えは一つだ。

2012-08-26 23:35:08
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

てなわけでスペインが新世界制覇。さらに特筆すべきは、当時のスペインの記録にあるのは梅毒っぽい症状(新大陸起源説がある)だけで、熱帯の熱病に誰もかかってない。全く出てこない。

2012-08-26 23:38:01
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

しかし、インディオが死にすぎて労働力不足になったため、アフリカから黒人奴隷を補充しつづけた後、熱帯付近において熱病が蔓延。南米に、アフリカ発祥のマラリアと黄熱病が上陸したのでした…

2012-08-26 23:41:03
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

ということでスペイン人が最悪である事があらためて分かったところで、第六章に突入いたします。

2012-08-26 23:42:55
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

「疫病と世界史」第六章読了。最終章でした。巻末に「中国の歴史書に載ってる疫病記録一覧」がついてて面白いが、それはそれとして、第六章は「疫病vs近代」でした。

2012-08-27 00:07:34
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

近代の武器は、組織化された医学と軍隊。「軍隊」ちゅーのは症例観察と集団感染解明と実験的な対策を効率的に実施できる、統制された組織なので。

2012-08-27 00:10:44
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

伝染病ではないが、壊血病(ググれ)対策も「柑橘類や酢漬けのキャベツが有効なんじゃね?」とされてから海軍で色々実験。英国海軍は「ライミー(ライム野郎)」のあだ名の由来となった「ライムジュース飲め」を実施。

2012-08-27 00:14:56