【論点拡散】 ズレる論点と公開議論で意図すべき事柄 【議論紛糾】

産経のコラム「中国人と議論するときは反論に反論するな」あたりを皮切りに、それ中国人に限った話じゃないよなーというのと、論点をずらさない議論の進め方と、オーディエンスを意識した議論で目指すべきところ、などを自分のために整理してみるなど。
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加藤AZUKI @azukiglg

中国人の「反論」に「反論」してはいけない? “言い訳”の連鎖で無駄な議論に http://t.co/4miRXcf2 中国人に限らず、日本人でも反論に反論を重ねて論点がズレてく人って珍しくないし、論点拡散の典型。僕も覚えがある。

2012-08-27 13:06:54
加藤AZUKI @azukiglg

そういうときの対応策は「ちょっと冷静に」ではない。「一番最初は何の話から始まったか」「最初の話題の補強のための双方の主張を、【自分が】主導的に整理して、要点を箇条書きにする」ことで、議論をスタート地点に巻き戻す。重要なのは「議長役を自分が兼ねる」だと思う次第。

2012-08-27 13:08:30
加藤AZUKI @azukiglg

Twitterに限らず2chなどでもそうだったけど、ネットの議論は整理役(議長)がいなくて、タイムリミットが不平等で、タイムキーパーがいない。タイムリミットについては、リアルタイムでの即答(チャット状態)を意識しなければ、若干のタイムラグを許容できれば問題は緩和される。

2012-08-27 13:11:34
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、「これ以上つきあってられない」と思った側が、タイムリミットを掲げて投了するのはままある。それ狙いの論者もいるかもしれない(片手間というわけにはいかない社会人には厳しい条件だし)。

2012-08-27 13:12:28
加藤AZUKI @azukiglg

ネットでの議論が長期化(長時間化)するのは、資料提示合戦になって資料精査に時間が掛かる場合を除けば、ほとんどは「論点の拡散」で、議論の迷宮というか細部へ転がり落ちていく理由は「脱線を差し戻す議長の不在」によるところが大きい。

2012-08-27 13:14:25
加藤AZUKI @azukiglg

あと、論者が3人以上になったときにも、論点がそれぞれ拡大/拡散していくのも議長不在が大きな要因だと思う。とはいえ、議長の裁定というのは、議長役になんらかの権限があることを論者が認めていなければ議長裁定が尊重されない。「相手側に与した議長」であるという批判も出る。

2012-08-27 13:16:22
加藤AZUKI @azukiglg

それでも議論、対話には「論点を差し戻して整理するための議長」はやはり必要で、相手がそれをしないなら自分がそれを主導的にすることで、オーディエンスに対して「論点の確認」をしてもらう必要はある気がする。DMやメールや交換日記ではない、観客が他にありえる場所での議論では重要な点。

2012-08-27 13:17:49
加藤AZUKI @azukiglg

「論者のどちらが正しいか?」を判定してもらうためにオーディエンスへのアピールが必要、というわけでは必ずしもなくて、双方が正解を持っていると認め合えない場合に、オーディエンスにも「問いを共有してもらう」必要はある。そうして、答を共有するんじゃなく「問い」を共有するのが議論の意味でわ

2012-08-27 13:19:11
加藤AZUKI @azukiglg

オーディエンスは前段階として自分なりの主張や結論を持っている人もいるだろうけど、それ以上に、「そもそも問いを持っていない人」「問いの存在を看過してしまっていた人」も少なくないと思う。自分のことにだけ打ち込んで普通に暮らしていたら、歴史問題や社会問題に気付かない人がいても仕方ない。

2012-08-27 13:21:23
加藤AZUKI @azukiglg

公開で行われる議論はそうしたオーディエンスに対して、論者が「自説への賛同を集める機会」であると思うので、その意味で「自分と対立する論者を批判する、貶める」ということをやりがちなんだけど、オーディエンスの何割かは「なぜこの論者達は言い争っているのか?」という前提を知らなかったりする

2012-08-27 13:22:45
加藤AZUKI @azukiglg

まずそこから、つまり「対立の元になっている問いそのものの存在」「その問いを巡る要素と前提の整理と提示」「問いに対する解の、どの点が対立しているのかについて」そういうものの確認は、論者同士でももちろん必要だけど、それ以上にオーディエンスにとって重要なんでないかなー、と。

2012-08-27 13:23:57
加藤AZUKI @azukiglg

その上で「僕の出した結論に賛成して無条件に支持して下さい」っていうオーディエンスをかき集めるんじゃなくて、「僕らの抱える答が一致しない問いについて、判断材料をできるだけたくさん出し合いますので、オーディエンスの皆さんは問いを持ち帰って自分でも考えてみて下さい」てのが次善と思う。

2012-08-27 13:25:18
加藤AZUKI @azukiglg

判断材料が出揃い、判断者の損得の定義が似通ってくれば、厭でも選べる回答は絞られてくるし、近付いてくる。その意味で、議論が紛糾するのはそれぞれの論者の持っている情報の不均衡と、損得の定義基準の不一致なのではあるまいかー、というのは実感する。

2012-08-27 13:26:51
加藤AZUKI @azukiglg

例えば「原発が無くても火発がある!」という主張は、「燃料のLNGは、世界の生産量の6割から9割を日本が消費している」「生産地から日本への輸送ルート上に、日本と外交上の対立関係にある国や、紛争地がある」という要素が加わると、俄然、説得力に陰りが出て来る。

2012-08-27 13:30:55
加藤AZUKI @azukiglg

公開で行われる議論は、そうした「要素の補充、補強」が容易で、しかもその多くは検証が可能。その意味では、できうる限り学びの機会として生かした上で、「判断を下すための材料要素を多く手に入れるための機会」として活用するのがいいんでないかしらん。

2012-08-27 13:32:15
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、「論点を無闇に拡散させる」と「補強のための資料、要素を増やす」の区別というのが付きにくいケースも少なからずあるかもしれない。例え話の主旨を間違って受け取り、例え話の揚げ足取りを始めるってケースも結構あったしなあ(^^;)

2012-08-27 13:33:32
加藤AZUKI @azukiglg

最初の議題に戻ると「反論に反論で返すと論点拡散するからやめろ説」なんだけど、「双方がどの点で対立しているのかについて、議長役を自分が務め、相手の主張と自分の主張の双方を箇条書きして、【どうですか、皆さん?】とオーディエンスと問いを共有する意識を常に持つ、のが良いと思います。結論。

2012-08-27 13:38:50
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、「相手の味方・取り巻きの前で恥を掻かせて、その発言力を低下させてやる!」系の発言を、【攻撃】と意図して仕掛けてくる人とかってのも結構いるのは確か。罵倒、嘲笑、人格否定、揚げ足取り、有利なポイントに拘泥し続けるなどなどが特徴。

2012-08-27 13:40:54
加藤AZUKI @azukiglg

これは「9回負けても最後の1回勝てば勝ち」みたいな意識もあるようで、ひとつでも優位に立てる点を見つけると、そこに拘泥し続ける。揚げ足取りの解釈の相違で自分が有利と見越すと、そこから動かなくなったりとか(^^;)これは、弁護士さんとかによく見受けられる特徴の一つですね(棒

2012-08-27 13:42:02
加藤AZUKI @azukiglg

公開でする議論は「問いを共有するためのもの」と割切れば、自分や相手など「論者の個性や人格」はさほど気にならないんだけど、相手に問いを共有する気がないとなってくると、オーディエンスと共有したい「興味」が、相手の資質そのものに遷移してしまうとゆー。「何故この人はそう考えるのか?」

2012-08-27 13:43:48
加藤AZUKI @azukiglg

ここはらは当初のお題とは離れる話だけど、「その主張に拘泥する理由、必然はどこにあるのか」「なぜ相手はその主張を変えられない/変えるわけにはいかないのか」「なぜ自身が相手に攻撃的な振る舞いをすることを許可してしまうのか」といった、論者の立ち位置に対して俄然興味が。

2012-08-27 13:45:36
加藤AZUKI @azukiglg

「何故この人は意見を変えられないのか」「何がこの人を固陋にさせているのか」というのが見えてくるとき、運が良ければ、元の問いに対して何故対立構造が生まれ、それが決して解消できないのか?についての理解を得るチャンスが得られるのでわ、とか。「あの人頭おかしい」で突き放してはもったいない

2012-08-27 13:47:04
加藤AZUKI @azukiglg

justice(正義)じゃなくてpreciseとか、できればexactとか(正確)のほうの【正しい】に可能な限り近付くには、結局自分の視野と見聞を広げて、判断材料を多く持つしかない。何かひとつの「よさげなもの」に安住してはいけない。民主主義国家の国民の義務は学び続けることだお。

2012-08-27 13:51:12
加藤AZUKI @azukiglg

一人で図書館に籠もらないとそれができなかった時代に比べれば、自分より多くの要素情報、資料、知識を持っている人の話を容易に自分の「判断材料」に取り込むことができるような環境が比較的安価に整備されているのだから、これを活用しない手はない。21世紀はいい時代だよぬ。

2012-08-27 13:54:41

付録