【国際刑事裁判所】検証:従軍慰安婦問題で韓国政府がICCへの付託を検討という情報について~正念場を迎える日本の国際法治主義~ #主戦場

■関連資料: ・強制失踪防止条約(全文)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/shomei_24.pdf ・国際刑事裁判所規程第7条(人道に対する犯罪)http://d.hatena.ne.jp/kazuma_002/20040609#p1 ・韓日請求権協定(全文)http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPKR/19650622.T9J.html ■関連まとめ: 続きを読む
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きっかけとなった情報

極星☆日本 神風 @Justiceandfair

韓国が慰安婦問題をICC(国際刑事裁判所)への提訴検討中 【ワールドWave】 http://t.co/L6iozTmJ

2012-08-29 11:59:27

事態の検証

💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

韓国政府が従軍慰安婦問題について、当初は韓日請求権協定第3条の定めhttp://t.co/Tp74Odh8 により仲裁委員会の設置を検討するとのことだったが、現地報道によると、強制失踪罪の疑いで国際刑事裁判所(ICC)への付託も並行で検討するということらしい。続く

2012-08-29 19:48:57

仲裁委員会設置に関する規定

第三条
2. 1の規定により解決することができなかつた紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
3. いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。

強制失踪条約と国際刑事裁判所規程上の規定の一致

💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

続き。国際刑事裁判所規程において、「強制失踪」はこう定義されている(i項を参照) http://t.co/66XYGIDR 。これは、韓国が主張する「強制失踪防止条約」の定義「失踪者の消息若しくは所在を隠蔽、かつ、当該失踪者を法のすることを伴い保護の外に置くもの」に合致する。続く

2012-08-29 19:53:19
リンク 国際刑事裁判所ローマ規程 [第2部 管轄権、受理許容性及び適用される法] 第7条 人道に対する 第7条 人道に対する犯罪 ―Article 7 Crimes against humanity 1 この規程の適用上、「人道に対する犯罪..

ローマ規程第7条(人道に対する犯罪)の規定

  •  (i) 「人の強制失綜」とは、国若しくは政治的組織又はこれらによる許可、支援若しくは黙認を得た者が、長期間法律の保護の下から排除する意図をもって、人を逮捕し、拘禁し、又は泣致する行為であって、その自由をはく奪していることを認めず、又はその消息若しくは所在に関する情報の提供を拒否することを伴うものをいう。

強制失踪防止条約での規定

第2条(定義)

  • 国の機関又は国の許可、支援若しくは黙認を得て行動する個人若しくは集団が、逮捕、拘禁、拉致その他のあらゆる形態の自由のはく奪を行う行為であって、その自由のはく奪を認めず、又はそれによる失踪者の消息若しくは所在を隠蔽、かつ、当該失踪者を法のすることを伴い保護の外に置くもの。

第5条(組織的な実行)

  • 強制失踪の広範又は組織的な実行は、適用可能な国際法に定める人道に対する犯罪を構成し、及び当該適用可能な国際法の定めるところにより結果を得る。

韓国側の主張

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続き。多分にバイアスのある情報だが、このブログhttp://t.co/wU1L3qVj によると、韓国側の主張は「強制失踪規定により被害者の拘禁・誘拐行為自体を否認するのは現在進行中の犯罪とされる」ということ。この解釈が同犯罪の定義に適用され得るかについては疑問の余地がある。続く

2012-08-29 20:00:30

正念場を迎える日本の国際法治主義

ICCに認定された場合は日本に協力義務が発生

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続き。日本はICC規程(A)の締約国であるとともに強制失踪防止条約(B)の締約国でもある http://t.co/33uG9rtF ため、両条約に拘束される。B条約第5条の規定 http://t.co/KTpOH9BF により「当該適用可能な国際法」としてAが適用可能となる。続く

2012-08-29 20:10:29
💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

結び。韓国側が強制失踪防止条約に基づき国際刑事裁判所規程を適用し、締約国としてこれをICCに付託するのであれば、ICCがこれを受理し管轄上の犯罪であると認めれば、日本は条約の規定上ICCによる捜査に協力しなければならなくなる。日本は法治国家としての正念場を迎えようとしている。(了

2012-08-29 20:14:29
💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

韓国政府は、日本政府が竹島問題について国際司法裁判所ICJに提訴するならと従軍慰安婦問題を再燃させ、当初は仲裁委の設置を検討していたが、今度は国際刑事裁判所ICCへの付託を検討しているという。事実ならば韓国の対日姿勢はこれ以上ないほど明確だ。日本側も心して対応しなければならない。

2012-08-29 20:51:33

以上。関連まとめにもあるように、韓国は「日中韓新冷戦」を引き起こすのを辞さない構えでいる。ICJなら応訴義務しかないが、ICCの場合は国内法上も捜査協力の義務を負う。ICCが予備調査だけでなく、捜査が必要と判断した段階で、日本政府の関係者に犯罪の疑義がかかる(※ただし、ICCは個人の犯罪を処罰する裁判所であるため、生存する個人の責任が特定できないかぎり、これは難しいと思われる。)。仮に有罪であるとか捜査が進展しなくても、これは国際社会に重大な波紋を巻き起こし、もし日本の戦争犯罪責任を追及する手段として有効と判断されれば、アジア諸国で同様の動きを誘発するかもしれない。日本政府は、事態に短視眼的に対処するのではなく、俯瞰的な視野から大局的に捉え、事態の沈静化を早急に図るべきだろう。

ポストまとめ:TLでの議論

Masa @masa_0724

@tkatsumi06j 「強制失踪の否認=犯罪進行」という主張が認められるかどうかですが、強制失踪防止条約が明文で遡及適用を否定している以上(35条)、難しいのではないでしょうか。日本の外務省も、同様の見解と思われます(拉致問題について同条約を遡及適用できないとしています)。

2012-08-29 21:21:26
💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

@masa_0724 ご主張ご尤もだと思います。ただしそれは、訴追の根拠が強制失踪防止条約(A)に基づく場合です。国際刑事裁判所規程(B)には独自の定義があり、A同様、Bにも不遡及原則もありますが、現在進行中の犯罪であるかの認定については議論の余地があると思います。

2012-08-29 21:31:18
Masa @masa_0724

@tkatsumi06j ご指摘ありがとうございます。仰る通り、ローマ規程が根拠規定でした。拉致問題のICC付託シナリオについてのブログ記事、拝読しました。勉強になります。

2012-08-29 22:09:08