「キョート・ヘル・オン・アース」急「ラスト・スキャッティング・サーフィス」#10

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
2
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

第2部「キョート殺伐都市」より:「キョート:ヘル・オン・アース」急「ラスト・スキャッティング・サーフィス」#10

2012-09-11 15:12:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバッ!」ロードは起き上がろうとし、再び倒れた。「アバ、アバババーッ!」吐血!さらに吐血!内臓破裂!アラシノケン完全成功時の恐るべきエフェクト!超音速で4度の打撃をほぼ同時に叩き込まれた対象の体内ではカラテ衝撃力が互いに衝突して内的爆発を生じ、ズタズタに破壊してしまうのだ! 1

2012-09-11 15:21:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

かつての死闘においてこのチャドー暗殺拳必殺奥義を用いた事は数度ある。だが、ここまでのエフェクトを引き起こす四打撃合一の結果はニンジャスレイヤー自身にとっても初めての経験だ。ニンジャスレイヤーの目は燃えていた。赤黒く燃えていた!「アバババーッ!」ロードがカワラ上をのたうつ!2

2012-09-11 15:27:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーはザンシンした。もはやロードは数分も生きられぬであろう。カイシャクせよ!ニンジャスレイヤーは決断的に近づく。彼の周囲ではアンコクトンがグルグルと飛び交う。もはや城の震動は地震めいて恐るべきさまだ。と、それらアンコクトンが突如、一斉に弾けた。3

2012-09-11 15:31:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

爆発した黒い飛翔粘液体は蜘蛛の巣状に城の上空を、周囲を包み込むように覆った。(((AAAARRGHH)))ニンジャスレイヤーのニューロンが断末魔を聴き取った。アンコクトンが放った悲鳴であろうか?ドウ!ドウドウ!蜘蛛の巣状のアンコクトンがさらに細かい爆発を繰り返し、拡散してゆく。4

2012-09-11 15:33:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゴウランガ!まさにそれはドラゴン・ユカノの仕事だ!下の天守閣巨大広間ではユカノが制御水盤から顔を上げ、額の汗を拭った。水盤周囲のアンコクトンは苦悶するかのように引きつり、黒いセンコ花火めいて爆発を繰り返す。その傍ら、ダークニンジャはベッピンを鞘に納めた。彼はその場でアグラした。5

2012-09-11 15:39:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

制御盤の古代ニンジャ文字を読む事ができたなら、その者は、キョート城が備えるアンタイ・ニンジャソウル・フィールド発生装置がアクティブになった事を理解したはずだ。「キンカクテンプルのバックドアをこじ開け、カツ・ワンソーのコトダマ領土へ進撃する為の超自然前哨基地。それがキョート城だ」6

2012-09-11 15:42:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは己のニンジャ耐久力、ニンジャ回復力を少しでも補う為にアグラし、虚空を睨んでいた。彼はユカノに言った。「ゆえに当然、キンカク・テンプルから迎撃に現れるニンジャソウル体を想定した防衛機構も備わっている。貴方の機構だ。ドラゴン・ニンジャ=サン」「……」7

2012-09-11 15:46:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「主なきアンコクトンにこの機構が働くかどうかは賭けであった。だが賭けに勝った」ダークニンジャは続けた。「ロードとパラゴンは誤った知識のもと、誤った運用を行った。愚かな事だ。現世から攻め込むべき城塞の護りを無防備にも開き、みすみす奴らの現世への侵入を許そうとするなど」 8

2012-09-11 15:53:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは今なお強固に浮かんだままの超自然タタミ上で彼にリボルバーを向けるディテクティヴを見た。ダークニンジャは鞘を掴んだままだ。「そンで、お前さんはどうするってんだ」ガンドーは言い、ユカノを顎で指した「用が済んだら、そこのユカノ=サンをこっちへ渡してもらおうか」 9

2012-09-11 15:58:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「断る」ダークニンジャはアグラしたまま言った。「城の機構に最も精通するのは残念ながらおれではない。ドラゴン・ニンジャ=サンだ。彼女が万全な記憶を取り戻せば、万事巧くいく」「アア?」ディテクティヴが顔をしかめた。「カツ・ワンソーとやらに戦争をおっぱじめようってのか?」「そうだ」10

2012-09-11 16:01:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何を身勝手な」ユカノが言った。「私が易々と従うとお考えか。我が師ドラゴン・ゲンドーソーの仇」「易々と従うとは思っておらん」ダークニンジャは睨んだ。「だが従ってもらう」ガンドーが唾を飲んだ。「てめえ……」「やめておけ」とダークニンジャ。「お前を十人殺す程度の余力はある」 11

2012-09-11 16:06:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

一瞬にして天守閣巨大広間のアトモスフィアが張りつめた。BOOOM!BOOOOOM!亀裂だらけの壁の外からは、アンコクトンが粉々に爆発し拡散する轟音が今なお聴こえて来る。「……」「……」「……」「グワーッ!?」突如その剣呑な静寂を破ったのは、誰あろう、エーリアスであった。12

2012-09-11 16:11:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうしたァ」ディテクティヴはダークニンジャにリボルバーを照準したままエーリアスに言った。「なん……だ……こりゃ……畜生!」エーリアスの目から赤い血が流れ出した。「オオオ!クソったれ!」彼女は頭を抱え、超自然タタミに突っ伏した。「アアアアア」「オイオイ!」何が……一体何が? 13

2012-09-11 16:14:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ロード……何考えて……死ねッて……いい加減、クソッ!グワーッ!」エーリアスがのたうった。「オイ!」ガンドーはエーリアスを揺さぶった。「どうした!オイオイオイ罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰 14

2012-09-11 16:17:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

罪罰罪罰罪罰罪罰ルシュナイ……クルシュナイ、クル……罪罰罪罰ードはカワラ上を這いずった。ニンジャスレイヤーはツカツカとロードにカイシャクすべく近づいて来る罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰ロードはその脇を這いずって通り抜けた。彼のニューロンはエーリアスによって焼き尽されようとしている。15

2012-09-11 16:19:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはカワラ屋根を踏み砕いた。そこにロードの頭部は無い。ニンジャスレイヤーは訝っ罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰ロードは己のニューロンポート・ファイアーウォールを塞ぐ鎧をもはや捨て、己の脳を焼かれながら、キョジツテンカンホーの網を再び展開し罪罰罪罰16

2012-09-11 16:21:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼を動かすものはなんであろう?体内はもはやミキサーをかけられたかのように損壊し、這いずるたび、体中から血や肉が溢れて来る。意志だ。邪悪な執念が彼の体を動かしている。ドゴジマ・ゼイモンの意志。そして身に宿すソガ・ニンジャの、自我無き精神力が・その体を動か罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪17

2012-09-11 16:24:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

罪罰あるいは彼の肉体そのものがキョジツテンカンされ、肉体が自らの死をも忘れているとでも罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰ロードはカワラ屋根に大きく穿た罪罰罪罰罪罰罪罰た穴へ身を投げ出した。「ヤンナルネ……」 18

2012-09-11 16:26:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼は落下した。その直下には……琥珀の玉座がある。アンコクトンの渦が既にそれを覆う円形屋根など破壊し去り、タタミも床も剥がし尽くして、円形の石の足場と玉座だけが、対岸の制御水盤と向かい合うように罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰19

2012-09-11 16:31:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰ードは琥珀の玉座に深々ともたれた。玉座は既に認証を行ったこのロード・オブ・ザイバツを主として受け入れる。玉座が輝きを放った。ロードの肉体もまた光り始める。輪郭がぼやける。細かい0と1で構成された超自然の霧に罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪20

2012-09-11 16:34:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「大儀である」ロードは片手を上げ、対岸のドラゴン・ニンジャに、ダークニンジャに、超自然タタミ上の二人のニンジャに、ドゲザを命じた。なぜなら彼はキョート城の正当支配者であり、帝王だ。滅び行く彼の肉体は琥珀玉座の転送システムによって01還元され、キンカク・テンプルで永遠の罪罰罪罰21

2012-09-11 16:38:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

罪罰罪0100罰罪罰罪罰罪罰罪01000010罰罪罰罪罰罪罪罰罪罰罪罰01000010010001001「イヤーッ!」「アバーッ!?」ロードは血を吐いた。目の前のダークニンジャを見た。それから己の胸に鍔まで埋め込まれ、玉座をも貫通した冷たい刃を見た。「なぜ」ロードは呟いた。 22

2012-09-11 16:40:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「俺だ」超自然タタミの上の少女が身を起こした。目鼻から血を流しながら、苦しげに笑った。「お前が捨て身で来るってンなら、他の奴らの心に傘を差すしかねえ。無茶させやがってよォ、一瞬なら……」少女は気を失い、倒れ込んだ。ロードはダークニンジャの目を見た。もはや悲鳴を上げる力も無し。23

2012-09-11 16:44:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「キリステ……」ダークニンジャが刃を捻った。「ゴーメン!」「アバーッ!」もはや肉体すら満足に留めおかぬ様と成り果てたロードの魂を、呪われた刃は容易く啜った。ドゴジマ・ゼイモンは、ソガ・ニンジャのソウルは、一瞬で闇に囚われ消滅した。ナムアミダブツ!インガオホー!インガオッホー!24

2012-09-11 16:51:39