「命を断念する権利」〜産科医は堕胎をどう受け入れているか?

「命を語る資格」について〜医療者自身による出生前診断 http://togetter.com/li/371300 上記の続きとなります。 現役の臨床医であるニシオカ先生 @m_nicioka とまいまい先生 @roz_mko のやり取りですが、前回からもう一歩進んで「産科医自身は中絶をどのように捉えているのか?」がテーマとなっております。
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まとめ 「命を語る資格」について〜医療者自身による出生前診断  現役のお医者さんであるニシオカ先生 @m_nicioka とまいまい先生 @roz_mko が、「出生前診断」について語っておりましたのでまとめます。  個人的なハイライトは「誰ならば、どんな資格があれば、出生前診断すなわち命の選別について語ることができるのか」というあたり。 「みんなできちんと考えましょう」などという丸めた表現では、そりゃ現場の産科医はたまらんよな、という話です。 5483 pv 44 2 users
nicoca @nicyoka

@roz_mko で、突然の再開ですw。"今ここにいる患者"に注力するのは、医療者として当然の務めーというより反射や本能に近いものですが、身の毛もよだつ嘗ての酷い医療の時代でも、医療者は同じように行動していたのですね。ロボトミー、ハンセン病の強制収容、強制断種のあった時代も。

2012-09-13 19:40:59
nicoca @nicyoka

@roz_mko ロボトミー盛んなりし1950年代、強制断種が増え始めた戦後。その時代の医療者が、血も涙もない冷血漢だという証拠はありません。今の我々と同じように、使えるリソースを活用し、今ここにいる患者のため、力を尽していたのだと見ています。

2012-09-13 19:43:50
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka 結局、目の前に患者さんがいると、何とかしなきゃと思ってしまうんですよね。いくらそれが、ドロップアウトして怪しげな民間療法に走った挙句どうしようもない状態になった悪性腫瘍患者であっても、分かっててやった飛び込み妊婦でも。

2012-09-13 19:45:16
nicoca @nicyoka

@roz_mko 今ここにいる患者とどう対峙するか。それだけが本当に大事な問題であり、それ以外は耳障りなノイズ、暇人のディベートだと看做せば、前車の轍を踏む愚を犯すのではないかと思うのですよ。

2012-09-13 19:46:27
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka 振り返ってみたらとんでもないことだけど、「意味がない」 と思っていたわけではないということだけは分かる気がします。<ロボトミーなど

2012-09-13 19:46:55
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka ふむ。確かに、私が耳障りだと感じたのは、「ベストではないかもしれないけれど自分がどうにかしなければいけない」という場面に立った経験のある「当事者」の目線が欠けていると感じていたからかもしれません。→

2012-09-13 19:49:27
nicoca @nicyoka

@roz_mko ええ、それは職業人として善いことなのです。職能に適応的なのです。ただ、酷薄な医療が罷り通っていた時代にも、多くの医療者が同じように考え、行動していた。しかし顧みれば、身の毛もよだつ行為に加担していた。歴史はそう告げているんです。

2012-09-13 19:52:59
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka →ただ、これも誤解を招く表現であったと思います。あくまで私自身がノイズであると感じてしまうだけで、それが今回のことに不要である・意味がないとまでは言い切ることはできません。

2012-09-13 19:53:23
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka →ノイズであろうが何であろうが、ひとまずそこにある問題に目を向けて何かしら考えてもらうことは必要でしょう。

2012-09-13 19:54:44
nicoca @nicyoka

@roz_mko 少なくともロボトミーの牽引役であった医師は、何とかして患者の窮状を救いたい、少しでも容体を改善したいと願い、研鑽に余念がない人々であったと言います。

2012-09-13 19:55:51
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka はい。耳障りだからと、一般の人々の「凡庸な」(我々からしたらという意味で、悪いニュアンスを含まないつもりです)声を無視することがあってはならない。

2012-09-13 19:56:57
nicoca @nicyoka

@roz_mko その点は一致出来たものとして、そのノイジーwな意見の一つ、生命は何よりも尊く、どんな理由があろうと中絶は殺人とする考え(pro-life)に対する、産科医側の議論の積み重ねを、知っていたら教えてください。

2012-09-13 20:01:25
nicoca @nicyoka

@roz_mko 産科医からすると凡庸かも知れませんが、素人目には結構有力な考えではあるのです。抗えなさを感じるというか。

2012-09-13 20:04:11
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka 残念ながら、こういう議論があった、だからこれが大勢である、という程のことを私はわかりません。ですが、私がこれまで接してきた産婦人科医たちの考え方としては、

2012-09-13 20:04:56
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka 1)中絶は殺人(=その意思をもって胎児の生命を奪うこと) 2)それは外界の事情に優先され、場合によっては容認される この両者が並び立っていると思います。

2012-09-13 20:08:01
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka できればやりたくない、されるべきではないけれど、胎児の生存・出生を容認できない事情があるのなら致し方ないという消極的肯定派が多いのではないでしょうか。

2012-09-13 20:11:31
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka 妊娠の継続・出生が容認できなり事情とは、母体の健康状態、貧困や両親の年齢など出生後の生育環境などのことです。

2012-09-13 20:12:33
nicoca @nicyoka

@roz_mko なるたけ胎児は大切に扱われるべきだが、事情によっては、中絶で生命を終らせるのも已む無い。おおむねこんなところでしょうか?新生児よりも地位が低いという見解なのですね。中絶と同じ理由で、新生児が殺されることはない。

2012-09-13 20:15:45
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka これは私が何となく感じていることですが、一種のトリアージなのかなと。勿論、緊急の際に用いられるトリアージでは、積極的に命を奪うことはありませんが、あれも見る人がみたら非情ですよね。

2012-09-13 20:16:33
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka そんな感じです。新生児は、子宮外での生活つまり母体から独立して生存可能ですが、中絶可能とされる時期(21週6日)はそれができない時期です。もし22週以降に重大な障害が発覚しても、中絶は許されません。

2012-09-13 20:19:57
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka ただこれって、一応医学的に22週ってだけで、法律で決まっているから許されない、だからやらない、という話なんですよね。

2012-09-13 20:21:10
まいまいver.1.22474487139... @roz_mko

@m_nicioka こちらの心中としては、22週を過ぎても「この子は本当に生まれさせれていいのだろうか」と考えたことのある産婦人科医は少なくないのではと思います。私は、そう考えたことがあります。

2012-09-13 20:23:45
nicoca @nicyoka

@roz_mko トリアージは、全員死ぬより一人でも助かった方が良い、一人よりは二人が、少数よりは多数が、の単純な数学的原理であって、一応対象者の属性は平等と見なされています。

2012-09-13 20:28:37
nicoca @nicyoka

@roz_mko 中絶の場合は、二人とも助けることが出来ても、諸般の事情に鑑みて、一人を敢えて助けないーというより殺すことですので、単純な数学的原理とは様相を異にしています。

2012-09-13 20:32:57