尖閣諸島:安易な領土の妥協はかえってリスクを高めることについて

尖閣など小さな無人島なのだからそれを巡って国と国が血を流して争うのは無意味だという分かったような口をきく奴がいるが、実は分かっていない。小さな領土の妥協が相手の野心をかえって増大させることもあるのだ。第二次大戦はそうやって起きた。歴史から学べ。
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クーリエ・ジャポン @CourrierJapon

英「エコノミスト」の最新号の表紙が、尖閣諸島問題になっています。 http://t.co/rDM8p4IT #CJP

2012-09-20 22:20:15
fj197099 @fj197099

尖閣なんて小さい島を巡って国と国とが血を流すのは馬鹿らしいなんて分かったような口をきく奴がいるが、実際にはそういう領土の妥協が更なる領土要求を導いて大国間戦争に発展するから譲れないのである。第二次世界大戦がどうして起きたか。歴史を学べ。 http://t.co/dcfNFsLi

2012-09-20 22:26:10
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fj197099 @fj197099

ヒトラーは1936年にラインラントに進駐した後、ベルサイユ体制の更なる打破を狙ってチェコスロバキアのズデーテンラント割譲を要求した。同地ではドイツ系住民の比率が高く、ベルサイユ体制の不完全性を知る立場からはドイツの民族自決の観点からヒトラーの要求は正統と思われる点もあった。

2012-09-20 22:28:57
fj197099 @fj197099

更にドイツを戦後国際秩序の安定的な勢力として取り込みたいイギリス(正確にはチェンバレン政権)にとってはズデーテンラント程の小さな土地の割譲でドイツの領土要求が止まるならば、安い買い物に思えたのである。よってチェンバレンは1938年のミュンヘン会談によって同地をドイツに割譲させた。

2012-09-20 22:31:03
fj197099 @fj197099

チェコスロバキアという独立国の領土を、イギリスという他国が勝手にドイツの領土であるとして割譲させるというのも凄い話であるが、そこは大国と小国の立場の違いでチェコスロバキアにはどうしようもなかった。それにチェンバレン政権にはこれで戦争を回避できると言う大義名分さえあったのである。

2012-09-20 22:32:01
fj197099 @fj197099

だが蓋を開けてみるとドイツの要求はズデーテンラントのみに留まらなかった。翌39年、ドイツはスロバキアを独立させた上でチェコに侵攻し、チェコを併合、スロバキアを保護国化した。イギリスは体よく騙された格好になった。しかもヒトラーは更にダンチヒ回廊とメーメルへの領土要求まで持ち出した。

2012-09-20 22:34:56
fj197099 @fj197099

ドイツの裏切りに驚いたイギリスは早速フランスを手を結びソ連とも同盟を図ろうとするが、時すでに遅し、ヒトラーはソ連と不可侵条約を結び、ポーランドを分割する約束を取り付けていたのであった。こうして1939年9月のドイツのポーランド侵攻により、第二次大戦が開始されてしまったのである。

2012-09-20 22:36:44
fj197099 @fj197099

よく知られた「ミュンヘン宥和」の大失敗のエピソードだが、それが物語ることは、安易な領土の妥協によって拡張主義者の野心を満足させられると思い込むことのリスクである。領土を割譲すれば相手は更に大きな領土要求をしてくるかもしれない。増長させれば大戦争のきっかけになる。それが教訓である。

2012-09-20 22:38:18