medtoolz 先生の「場の空気とルール」論

全くのフリーハンドより、流れやフォーマットがあった方が、行動の制約になるよりは指針になるかも。 という話。
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medtoolz @medtoolz

誰かとの会話は最高の娯楽であっても、見知らぬ誰かといきなり「自由に会話して下さい」と促されても、気まずく沈黙してしまうことのほうがよっぽど多い。これがRPGの世界なら盛り上がる。2ちゃんねるなんかもそう

2012-10-05 13:58:47
medtoolz @medtoolz

全く自由な会話は気まずく、この場ではこう振る舞うのが空気として正しい、という何かが決まっている場での会話はけっこうだれでも進む。空気というのは実に面倒くさく語られるその割に、実際にけっこう多くの人が、お金を支払ってでも、面倒な制約である「場の空気」を手に入れようとする

2012-10-05 14:00:19
medtoolz @medtoolz

複数人数で何かの成果を目指すときにも、通話の帯域を太くすることは大事だけれど、それぞれのノードに役割を割り当てること、その場に空気とでも言うべき何かを作ることが大事なんだと思う。目的とは少し異なって、「この場ではこう振る舞うべきだ」という暗黙のルールみたいなもの

2012-10-05 14:02:02
medtoolz @medtoolz

「世界を救う」とか、ものすごく崇高な目的をぶちあげて、有能な人を無数に集めてチームを作ると、下手すると会議室は重苦しく沈黙する。背負うものがたくさんある人は、そういう場で下手なこと言えなくなるだろうし。こういう場に必要なのは目的ではなく、「ここはしゃべり倒すのが流儀だ」という空気

2012-10-05 14:03:26
medtoolz @medtoolz

本来はこう、空気というのはわざわざ作るものではないのかもしれないけれど、成功したチームにはたぶん、たいていは「チームの文化」と形容される何かの空気が、事後的に観測される。それを明示的に作ってしまうのはマネージメントの道徳からは外れるのかもしれないけれど

2012-10-05 14:04:34
medtoolz @medtoolz

とにかくアウトプットがほしい時に、物理的に容量を分割するのはいい方法なんだと思う。Twitter なんかがまさにそうだけれど。5000字程度の成果がほしいときに、5000字をまとめてお願いするのではなく、200字を25回お願いしたほうが結果としてうまくいくような

2012-10-05 14:09:12
medtoolz @medtoolz

「大作」一つと、細切れの文章をただ寄せ集めたのとでは品質に差が出るのかもしれないけれど、少なくとも日記書いてはてブ稼ぐぶんには、一気に長文を書いていた昔と、Twitter の細切れを寄せ集めてる今と、文字数あたりの獲得はてブ数は今のほうがちょっと多い

2012-10-05 14:10:24
medtoolz @medtoolz

「場は用意しました。自由にやって下さい」は、相手に対して誠意あるようでいて、むしろ逆なんだろうと思う。楽天のオンライン店舗はどれも似たような、いかにも「ああ楽天だ」というページばっかりだけれど、あれはたぶん「こうしなさい」という制約が厳しいからなんだと思う。でも成功してる

2012-10-05 14:14:26
medtoolz @medtoolz

あのへんを、「場は提供します。決済はどんな形式でも対応します。好きなデザインでやってみて下さい」とやっちゃうと、もしかしたら楽天よりもよほど良いデザインを出力できるお店もあるかもしれないけれど、何もできずに固まってしまう人もずっと多くなるんだろうと思う

2012-10-05 14:15:32
medtoolz @medtoolz

「感想を下さい」という依頼をするにあたって、原稿と返送用の白紙を送付するのと、白紙の代わりに恐ろしく細かいアンケート用紙を送付するのと、アンケート用紙にかけた手間のぶんだけ、返ってくる成果の送料は多くなる。自由にやっても成果を挙げる人は、アンケート送っても自由にやる

2012-10-05 14:17:11
medtoolz @medtoolz

ゲーミフィケーションという言葉の意味は、何かの成果に対して効果音や点数をつけて祝ってみせるようなものではなく、RPGの「魔王」や「勇者」みたいな設定や、シューティングゲームのバックストーリーみたいなものが、ゲームがゲームである根っこなんだろうと思う

2012-10-05 14:39:22
medtoolz @medtoolz

うまく回っているチームの空気は、よくできたネットワークRPGのそれとたぶんよく似ているのだろうし、仕事の熱意が「学園祭前夜」と形容されるのも、ゲームに通じる気がする。逆に現時点でうまくいっていない、熱意が足りない場所にゲームの効果音や物語を持ち込んでも、それはクソゲーを生むだけで

2012-10-05 14:41:10
medtoolz @medtoolz

でも、ログインしてみればまっさらな空間、唖然としてサポートに問い合わせれば「好きにやって下さい。あ、盛り上がってないみたいですね。じゃあこれから魔王とモンスター実装しますね」なんて返事が来たら、誰だって退会する。仕組みを最初に作っておくのは当たり前だけれどすごく大事

2012-10-05 14:47:18
medtoolz @medtoolz

そういう意味で、ネットワーク越しにみんなで何かやろうという企画は案外、設備にはものすごい物量を投じて遠大な目標をぶちあげてみせた割に、ログインしてみれば地図が真っ白、ということが多いんじゃないかと思う。バザールだってまっさらな広場じゃなくて、ルールがあるから盛り上がる

2012-10-05 14:48:40
medtoolz @medtoolz

たしかにドラッカーって、今の時代に生きてる人だったら、コンサルタントじゃなくてゲームデザイナーになってたんじゃないかと思う。チームの盛り上げかたと、ゲームの盛り上げかたと、考えの根っこはきっとよく似てる

2012-10-05 15:22:38
medtoolz @medtoolz

シューティングゲームは、「弾をよけながら敵を撃破するゲーム」ではなく、「弾幕デザイナーの意図にそってレバーとボタンを操作する作業」であるといえる。RPGも同様に、プレイヤーは操作や判断を洗練させるほど、それはゲームデザイナーの意図した通りの動きに収斂していく

2012-10-05 15:32:31
medtoolz @medtoolz

ゲームに熟達することは、基本的には「楽しい」という感覚を生む。プレイヤーの自由度を高めるために、自機に地形貫通を許可したり、敵弾に対して無敵にしたりしたら、ゲームはもう、ゲームでなくなってしまう

2012-10-05 15:33:38
medtoolz @medtoolz

RPGからデザイナーの意図を削除すれば、プレイヤーは地形をしらみつぶしに歩きながら、ダンジョンやら城塞やら、とにかく手当たり次第に潜っては試行錯誤することになる。これは自由だけれど、面白くもなんともない

2012-10-05 15:34:37
medtoolz @medtoolz

マインドマップを使いこなす人は、授業を楽しく聞けるし理解が深まるのだという。あのやり方の肝になるのは、樹形図に沿ったノートではなく、樹形図の「幹」までの部分を授業前に書いておく部分にあって、授業ノートは、白紙を埋めるのではなく、アンケート用紙を埋めるようなものに変わる

2012-10-05 15:36:00
medtoolz @medtoolz

「楽しい」を生み出す一つの手段として、「制約をデザインすること」が挙げられる。そういう意味で、講演会やワークショップをやるときに、スライドや演者の振る舞いをどれだけ工夫しても、参加者の「楽しさ」を増すためには限界がある

2012-10-05 15:37:11
medtoolz @medtoolz

やったことはないのだけれど、「ハンドアウトを使わない講義」を楽しめる人は少ないんじゃないかと思う。それこそマインドマップ準備して講義に臨める人でもない限り。受験用のサブノートみたいに、あらかじめ空欄を散りばめた講義ノートをハンドアウトとして配るのはどうか

2012-10-05 15:38:59
medtoolz @medtoolz

講義を聞きながら穴を埋める。これは単なる作業であって、しかもあらかじめ正解を配ってしまえばその作業すら無意味化する。無駄といえば明らかに無駄なんだけれど、その講義が「楽しかった」とか「有意義だった」という感覚は、案外この方向にも正解があるんじゃないかと思う

2012-10-05 15:39:52
medtoolz @medtoolz

なんというか、参加者の人に「作業」をさせつつ、作業をした当人はそれを「判断」とか「学習」、あるいは「成果」だと思えれば、それが「面白さ」なんだと思う。

2012-10-05 15:42:11