大学4年間で「学ぶ」こと。そして「学問とは?」

沼崎一郎先生(@Ichy_Numa) のつぶやきをまとめました。 個人的にこの2つがグッときたので ●沼崎一郎 ‏@Ichy_Numa 本を読んでも分からない、授業を聞いても分からないという状態が、大学では「正常な状態」です。それで、分かろうと思ってもがき苦しむのです。そして、「分かる」友人に教えてもらうのです。それが大学の勉強法です。 続きを読む
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沼崎一郎 @Ichy_Numa

今日も授業で、自分の常識が古臭くなっていることを実感。いまさら今年度の講義概要を調べなおして、他の専修の概論の多くが分担制に移行していることに驚く。昔ながらの通年講義型は最早マイノリティのようだ。

2012-10-02 10:57:51
沼崎一郎 @Ichy_Numa

だらだら、とろとろと、下手すると数年がかりで続く「通年講義」というのも、意味あると思うんだけどなあ。「去年は〇〇まで喋ったので、今年は続きの××から喋ります」みたいなの、最初は呆れたけど嫌いじゃなかったw。「私はいつも数年かけて構想を練りながら講義をしますので」なんて先生もw。

2012-10-02 11:00:13
沼崎一郎 @Ichy_Numa

何しろ、勉強しながら、考えながら講義してんだから、新たに勉強しなければいけないことを途中で発見するわけで、急いで調べ始めても、予定どおりには進まないのですよ。

2012-10-02 11:07:17
沼崎一郎 @Ichy_Numa

何度も言うが、「概論」が知りたければ教科書を読めばよい。教科書的な、それも最近はやりの見開き読み切り話を集めたような薄っぺらな概論なら、わざわざ講義する必要はなかろう。

2012-10-02 11:09:40
沼崎一郎 @Ichy_Numa

原論を講義したい。学問のprinciplesを問い続け、考え続けることの大切さを伝えたい。古典を読み直し、基本概念を考え直す作業を、延々と続けること。時代遅れの文系脳でいいじゃないか!

2012-10-02 11:18:55
沼崎一郎 @Ichy_Numa

原典のテキストを丁寧に読む。一語一句の意味を丹念に問い直し、執拗に考え直す。どんな学問をするにせよ、文学部では基本の基。実験屋だって、調査屋だって、そうなのよ。

2012-10-02 11:24:08
沼崎一郎 @Ichy_Numa

講義の中身なんて、すぐに忘れる。しかし、講義を聴きながら、ふと思いついたことなんかは、その時の雰囲気とともに、けっこう覚えているもんだ。

2012-10-02 11:27:04
沼崎一郎 @Ichy_Numa

誰かさんの言うアハ体験なんかとは根本的に違う、深ーい気づきを、昔々講義を聴きながら体験したことが何度かある。それは、何かが分かったというのではなく、何も分からないのだけど、「ああ、こっちの方向に考えていかなければいけないのだな」といった気づき。

2012-10-02 11:32:24
沼崎一郎 @Ichy_Numa

頭の中に考え中の素材がたくさんつまっていると、講義中に、教師の言葉が、そのどれかをヒットすることはあるよ。

2012-10-02 11:34:00
沼崎一郎 @Ichy_Numa

@SL_at_IDE @hkoumi 差別禁止法がどうなるか分かりませんが、法律とともに、より具体的で詳細な差別禁止条例の制定が「啓蒙、教育」の前提になると思います。「法律、条令でこうなってます」と言えないと、世間は聞く耳持ちませんから。

2012-10-03 10:50:29
沼崎一郎 @Ichy_Numa

前期の授業評価アンケート、最初から体系的な話はしない、いま考え中のことをあれこれ話すと宣言しているのに、「もっと体系的に」とか「もっと系統だてて」という注文を書いた学生が数名いる。体系的・系統的な話は本を読めと言ったのに、聞いてなかったのかなw?

2012-10-03 10:52:49
沼崎一郎 @Ichy_Numa

私の講義では、なぜ、体系的・系統的にならない、いま考え中の話をするか、その理由も、初回の授業で説明したのだがねえ。

2012-10-03 10:54:04
沼崎一郎 @Ichy_Numa

体系的・系統的に話せるなら、論文か本にしているのだよ。体系的・系統的な話にたどり着く前に、あれこれ考え、右往左往している状態を、講義を通して味わってほしいのだがなあ。

2012-10-03 10:56:09
沼崎一郎 @Ichy_Numa

自然科学は知らんが、人文社会系の学問の場合、そもそも確立された体系・系統があるかどうかが大問題だぞ。少なくとも、文化人類学には、確立された体系・系統など無いと断言しよう。パラダイム未満w。

2012-10-03 10:58:26
沼崎一郎 @Ichy_Numa

人文社会系の学問の場合には、むしろ一人一人の研究者が、独自に体系・系統を模索するのであって、死ぬ前に自分なりの体系・系統が掴めたら立派なもんだろう。私などは、掴みきれずに死ぬと思う。

2012-10-03 10:59:56
沼崎一郎 @Ichy_Numa

いつも学生に言っているのだが、人文社会系の学問は、系統的に積み上げ方式で勉強できるものではないのだ。古典から最新の論文まで乱読・濫読して、頭の中にごちゃごちゃと一杯詰め込んでいくと、ある段階で、それらが何となくつながって、自分なりのストーリーが頭の中にできてくるのである。

2012-10-03 11:02:26
沼崎一郎 @Ichy_Numa

乱読・濫読の成果を、自分の頭の中で、自分なりのストーリーに組み上げていくのが、人文社会系の勉強法だと、私は思っているのですよ。それが学生時代から始まって、この歳になっても続いているのですね。

2012-10-03 11:04:15
沼崎一郎 @Ichy_Numa

講義を理解するには、教師の話や板書のメモに、友人と一緒に、自分たちの知識を書き加えながら、話し合って、こんなストーリーになるのではないかというノートを作り上げて欲しいと思うね。他の講義とつなげたり、乱読・濫読の成果を取り込んで。

2012-10-03 11:07:11
沼崎一郎 @Ichy_Numa

歴史の講義も、思想の講義も、文学の講義も、社会科学の講義も、自分の頭の中でつなげることが大事。全ては、つながるんだから。そのために、乱読・濫読によって、背景知識を増やしていかなければ。

2012-10-03 11:08:50
沼崎一郎 @Ichy_Numa

これは賛否両論というか、避難轟轟かもしれないけれど、大学の教師は、「分かる」学生が一人いれば、「分かるじゃないか、分かる話を俺はしてるぞ」と思うものなのです。クラスの大多数が?でもね。

2012-10-03 11:14:05
沼崎一郎 @Ichy_Numa

それどころか、論述試験をすると、教師の知らないことを教えてくれる解答に出会うことがあるからなあ。そういう体験だけが強烈に脳裏に刻まれるので、学生も自分と対等以上に知識があるはずという思い込みが生まれるのですね。

2012-10-03 11:16:13
沼崎一郎 @Ichy_Numa

仙台の社会と文化の現状に関する私の知識のほとんどは、うちの学生の卒論に教えてもらったことだもんね。

2012-10-03 11:18:10
沼崎一郎 @Ichy_Numa

本を読んでも分からない、授業を聞いても分からないという状態が、大学では「正常な状態」です。それで、分かろうと思ってもがき苦しむのです。そして、「分かる」友人に教えてもらうのです。それが大学の勉強法です。

2012-10-03 11:20:43
沼崎一郎 @Ichy_Numa

「いまだに〇〇学がよくわかりません」と卒業段階で笑って言えれば上等。教えているほうは、もっと分からずに悩んでいるのだからね。

2012-10-03 11:22:05
沼崎一郎 @Ichy_Numa

あの先生のあの話にあれを学んだ、あの友達にはあれを教えてもらったということが、どれだけ4年間で貯められるか。そして何より、その先生、その友達と、卒業後もつながりが保てるか。大学で大事なのは、これですよ。

2012-10-03 11:25:09