大河ドラマと史実、個人的メモ。

大河ドラマと史実にまつわるツイート。目に入ったものをまとめました。
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カイコユキ◆準備中 @kaikoyuki

なんか、大河好きな人に「それ本当に史実だと思ってんの?」とか聞くのはテニプリ好きな人に「これが本当にテニスだと思ってんの?」って聞くくらいどっちに転ぶかわからないけど聞くだけ野暮な話な感じもしたりする

2012-10-10 20:07:36
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

大河ドラマに研究者があれこれいうことに批判的な声というのがある。それは大筋では同意する。ただ、繰り返しになるが大河ドラマを史実と思う人は多い。また、歴史上の偉人の話は教訓としてよく用いられる。ここに難がある。

2012-10-11 16:27:26
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

一般の人が歴史題材に触れるのは、小説・ドラマを除けばおおむね教訓話となる。そこでは、非常に理想的な逸話が選ばれる。理想的、そうまるで小説であるかのように。ところが話してる本人は事実と思っていながら、本当にフィクションだったりするわけです。ここに喜劇的状況が生まれることになる。

2012-10-11 16:30:59
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

僕としてはそれを避けたいわけだ。だから研究者として苦言を呈することになる。ただ、ドラマなんだからフィクション部分を否定するわけではない。その描き方で、悪影響がでそうな部分に苦言を呈するわけだ。あとは、その言い方、やり方ということになる。

2012-10-11 16:33:40
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

あとは実際に市民講座などで、聴衆から大河ドラマと話が違う、という苦情が寄せられるという現実が影響してくるわけだが。自治体史編纂の役所なんかでも、役人側からその手の苦情めいたものがくることはあるらしい。戦国は大河ドラマ化する機会が多いから。まあ、体験してみないとわかんないよね(笑)

2012-10-11 16:40:11
どくだみ @dokudamiY

朝方の続きになるけど、あくまで娯楽でしかないドラマに実像を!とか史実を!とか言い出すと、見ないよね。よほどの歴史好き以外。まあドラマから歴史を知る人が多い以上、そういうのは見過ごせないって研究者の方の気持ちもわかるんだけど、そもそも見てもらえなかったらどうしようもないじゃない。

2012-10-11 16:42:23
どくだみ @dokudamiY

だから研究者の方々や歴史系出版社のやるべきことは、ドラマからクロカンに興味を持った人が、手軽に実像に迫れるようなコンテンツを用意することなんじゃないですかね。学問の世界には「入りにくさ」が間違いなくあって、それはユーザーが逸話から史実に踏み出す際の障壁になってると思います。

2012-10-11 16:45:32
ryo @issengorin

大河がらみの話題がでるたび、史学系とフィクション愛好者の食い違いが(特にフィクション系から)指摘されるんだけど、そもそも史学系が「危惧」する際に想定している「大河や歴史小説の受け手」として、フィクションを深く読みこなしているタイプの読者層じゃないと思うんだよね。(続く)

2012-10-11 19:04:17
ryo @issengorin

特に小説やコアなマンガ・ゲームを愛好している人たちだと、「史実とフィクションの違い」を最初から意識しているケースが多くて、一般向けの歴史雑誌や新書など、「史学サイドが知識上積みのために提供しているコンテンツ」に触れる人も多いように思う。(続く)

2012-10-11 19:06:26
ryo @issengorin

それに対し、史学系が主に念頭に置いているのは「歴史教科書でしか歴史学の成果に触れない層」「小説や大河ドラマをフィクションとして明確に認識できない層」だろう。この層がどれだけの歴史リテラシーを持っているか、という問題。

2012-10-11 19:09:47
ryo @issengorin

また、中世史クラスタの方々のツイを見ればわかるが、郷土史の愛好家層なども意外と「フィクション丸のみ」が多く、大河の影響を看過できない。特に地域で実証研究をやっている立場からは、「営業妨害」になりかねないケースもあるだろう。(続く)

2012-10-11 19:13:10
ryo @issengorin

なので、どうしても「詳しくない層」「フィクションのリテラシーの低い層」への対策が優先されてしまって、フィクションを冷静に受容し、知識の上積みへの意識の高い層との対話が後回しになってしまう、という問題はあるかもしれない。

2012-10-11 19:14:29
saebou @Cristoforou

↓これに関して、この間18世紀に「歴史ものを史実と勘違いしちゃう読者」の問題を扱った小説を読んだのでレビュー書きました。 http://t.co/ZM5sjYNu あと、『ドン・キホーテ』もこれがテーマだと思うの。

2012-10-11 19:24:07
saebou @Cristoforou

「歴史ロマンス・歴史小説と史実は違う」ということはそもそも歴史の人よりは文学とかメディアを専門にする人が教育で教えるべきことだと思うんです。でも日本の国語って誰それの気持ちを忖度するとかそんなんばっかりで、もっと殺伐とした意味で文芸に付き合う方法はあまり教えてないよね。

2012-10-11 19:55:15
巽はるか @Haru_tatsumi

ツイッターを始め研究者の方が広く一般に向けて大河ドラマと史実の食い違いを指摘できるツールは確実に増えてて、一方で大河の視聴率は確実に下がっているわけだから、大河に課せられた正しい歴史認識を啓蒙するための使命とやらが仮にあるとしても、その使命が昔より軽くなるのは仕方ない気がする……

2012-10-11 20:09:30
巽はるか @Haru_tatsumi

大河の便乗本が売れなくなってるのはまさに大河足がかりにして新しく歴史を学ぼうとする層が減っていることの証左なんじゃないかと思いますよね……ドラマとして楽しむだけなら便乗本(内容薄めが多い)はいらんもの。今は歴史への入り口もたくさんあるからなー……

2012-10-11 20:17:04
巽はるか @Haru_tatsumi

RTの理論、正しいと思うんですけど、小説やドラマをフィクションと認識できない歴史リテラシーの低さを一般前提にすることは、逸話を史実だと信じる個人の存在そのものより、ずっと問題が大きいんじゃないかと、最近思い始めていて……。

2012-10-12 02:53:10
巽はるか @Haru_tatsumi

一般人はフィクションと史実の区別なんてつかないんだから、すべからく創作物には創作物であると明記すべし、という世の中になったら、フィクションと史実の区別をつける歴史リテラシーは今より更に育たないと推察されるわけですが、それが本当に歴史の専門家にとって理想的な世の中なんでしょうか……

2012-10-12 02:53:15
巽はるか @Haru_tatsumi

小説やドラマを史実と信じる人はいるでしょう。でも、「小説やドラマを史実と信じちゃうのはちょっと恥ずかしいよねーw」という前提を守り切る方が、創作物を歴史リテラシー最底辺に合わせるよりも、歴史の専門家にとっても創作畑の人間にとっても、お互いにずっと幸福な気がするんだけどな……

2012-10-12 02:53:20
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

大河ドラマの話、続き。まず前提として、僕が大河ドラマを愛好してみているということは以前にも書いたと思う。ただ、仕事になってしまったがゆえに専門そのものの時代は見るのが辛いのだが、それは措く。その上で、学問的見地からこうしたら…といっているのだが、それは非難の対象になるのだろうか?

2012-10-12 03:45:31
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

んで、一般の歴史愛好家向けの書籍への執筆依頼を僕は断ったことがない。むしろ積極的に引き受けている。もちろん、いうべきことは主張したうえでだ。今のところ、幸いに依頼元とそれでトラブったことはない。それもこれも、研究の社会還元のため。社会人講座もそうだが、これは自覚的にやっている。

2012-10-12 03:49:20
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

そこまでしても、大河ドラマなどのあり方に苦言を呈することにが、批判の対象になるのだろうか?もちろん、社会還元の方法は、常に模索を続けている。なお、大河ドラマ描写の何が気になるかは以前にもツイートしたので繰り返さない。ただ、フィクションを否定しているわけではないことは明言しておく。

2012-10-12 03:54:10
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

ま、つまるところ、「負けて勝つ」と同じように、このドラマは史実をもとにしたフィクションです、と一言クレジットをいれてくれれば、それだけでずいぶん違うのだ。これはよく学会の懇親会でも話題になる話。

2012-10-12 03:56:08
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

例えば坂の上の雲を例にとってみよう。僕は大変重厚な作品だ、NHKやればできるではないか、という感じで視聴した。ただ、日露戦争後の夏目漱石の戦勝祝賀ムード風刺を、漱石の謝罪という形で撤回させたことはいただけない。これは司馬遼太郎の遺志にも背くと思うが、史実の漱石の態度とも異なる。

2012-10-12 04:00:51
神無月久音 @k_hisane

ですね。大徳寺の塔頭のパンフに、「当寺は宮本武蔵の師匠として知られる沢庵和尚が住職として…」と書かれてて、愕然とした思い出が。作者本人が「武蔵と沢庵の関係は全く僕の創作で、史実ではない」と明言してるのに @kurmacf 一度定着した通説ほど恐ろしく、かつ手強いものはないんです

2012-10-12 04:25:20