主文 1 被告は原告に対し、別紙物件目録記載の斧を引き渡せ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 主文同旨 第2 事案の概要等 本件は,原告が,被告に対し,所有権に基づき,鉄製斧の引渡を求めた事案である。
2011-10-13 22:11:191 前提となる事実(1)原告は、アテネ郊外において、木こり業を営んでいる。(2)被告は、アテネ郊外の河川内において、女神業を営んでいる。(3)原告は、別紙物件目録記載の斧を本件河川に投げ込んだ。被告は同斧の占有を取得したまま、これを原告に返還していない。
2011-10-13 22:13:353 争点についての当事者の主張 (1)被告の主張 ①金の斧が自己所有だと虚言を弄した原告の返還請求は、権利の濫用である。②被告は神である。(2)原告の主張 投機的な「斧の投げ入れ」を誘引したのは、被告の方である。
2011-10-13 22:16:55第3 裁判所の判断 1 前提となる事実に証拠(甲1,甲2,乙1)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。(1)原告は、知人の木こりが河川に鉄の斧を落としたところ、被告から金の斧及び銀の斧を贈与されたと聞き及び、投機目的で、同河川に別紙物件目録記載の鉄の斧を投げ込んだ。
2011-10-13 22:19:21(2)河川底において本件斧の占有を取得した被告が、川面に浮上して原告に対し金の斧を示したところ、原告は金の斧が自己所有の斧であると虚偽の主張をした。被告は、原告を嘘つきと批判した後、再度河川底に沈み、本件斧を返還しなかった。
2011-10-13 22:21:07(3)被告はここ数十年間、河川に動産が投げ込まれるたびに、当該動産と同じ形の金製のレプリカ、銀製のレプリカを携えて川面に浮上しては、周辺住民の物欲を試すかのような言動を繰り返している。
2011-10-13 22:23:452 被告は原告の請求が権利の濫用であると主張するが、河川に動産を投げ込めば金銀が得られると軽信した原告に落ち度はあるとしても、長期間にわたり周辺住民を翻弄し続け投機目的の動産投げ入れを誘引した被告の態度にも問題があると言わざるを得ない。被告の主張には理由がない。
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