自立支援法における計画相談給付とは?

自立支援法一部改正により、平成24年度からスタートした計画相談給付。具体的にどのようなものであり、どのような流れで行われるもので、どのような利点と問題点があるのか?rain_00さんがたいへん明快に解説されています。
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@rain_00

H24.4月から始まっている、障害者自立支援法上の相談支援給付についてつらつらと。今回は計画相談について。計画相談とは、障害福祉サービスを利用するためのサービス利用計画を作るための相談に、報酬が払われるというもの。

2012-10-17 23:02:10
@rain_00

今までは、例えばヘルパー使いたい!とか、作業所行きたい!みたいなニーズが出て来た時は、自治体の窓口に申請する→自治体のCWが認定調査する→支給決定する(介護給付は審査会を通す)→サービス利用開始するという流れ。介護保険のようにケアマネが居らず、自治体CWか地活の相談員が計画する。

2012-10-17 23:03:57
@rain_00

改正後は、申請→自治体では認定調査、相談支援事業者(ケアマネ的な存在)が計画を作成→区分決定→計画提出→自治体が出された計画確認してOKなら支給決定→サービス利用開始→定期的モニタリング、という流れになりました。

2012-10-17 23:05:21
@rain_00

つまり、今まで利用者と自治体で何となくやっていたサービス利用計画作成とモニタリングを、事業者を介して明確にやれという形になった、ということです。

2012-10-17 23:07:11
@rain_00

相談支援事業者は急ごしらえなので、今年度は見なし認定と言って、暫定的にその資格を持っている事業所がこの計画を作成しています。自治体が指名できます。実情は、地域活動支援センターが日中活動支援事業の委託と別で受けています。被っている所が殆ど。来年度は皆やらないかもしれない。キツイし。

2012-10-17 23:08:40
@rain_00

大まかな流れを、ヘルパー(家事援助)使うという例で考えていきましょう。1、まずは申請。障害担当部署の窓口に申請。そこの担当CWからあれこれ聞かれます。申請書を書きます。で、相談支援事業者を探して計画作って貰うように言われます。書類も貰います。事業者を探さないで自分で作ってもOK。

2012-10-17 23:11:13
@rain_00

自分で作る計画はセルフケアプランと言って、まあ僕みたいな人は自分で作れます。僕はヘルパーを使っているけど、その計画は僕は自分でプランニングできるので、外注しないでも良いです。これは資格が要らないので、別に誰でも作ろうと思えば作れます。

2012-10-17 23:13:26
@rain_00

フツーは皆やらないので、外注するために相談支援事業者を探します。今は数が少なくほぼ一択なのでそこへ行きます。で、ニーズを伝えます。ここで複数相談して選んでも良し。で、気に入ったらそこと契約する。契約すると事業所は自治体に、計画作成料を請求できるようになります。

2012-10-17 23:14:59
@rain_00

3、自治体のCWが認定調査にやってきます。これは生活全般の聴き取りとかです。訪問する場合もあります。それと並行して、介護給付(ヘルパーなど)の場合は、主治医に意見書を書いてもらいます(これは自治体が依頼する)。で、審査会(色んな専門家がいます)にかけて、区分を決定します。

2012-10-17 23:16:59
@rain_00

4、障害程度区分が決定します。区分1~区分6まであります。大きい数字ほど重いです。使えるサービスの量も増えます。その結果を相談支援事業者に伝え、それにそって計画を作って貰います。区分によって上限が決まっているのでそこをよく考えましょう。

2012-10-17 23:19:35
@rain_00

5、事業者が作った計画案を自治体に提出。自治体側から色々チェックが入ります。あまりにもズレがあると、審査会にまたかけられます。自治体でのアセスメントと相談支援事業者のアセスメントがずれているとここで揉めます。ヘルパー週3でだしたら、週1にしろと言われた、とかそういう話です。

2012-10-17 23:21:37
@rain_00

6、すったもんだして計画が固まったら、そこで支給決定が降ります。そのあと、相談支援事業者は、実際にサービスを提供する事業者(この例だとヘルパーステーション)を探したり(利用者が探す場合もある)して、そこで打ち合わせをします。で、やっとこさサービスが使えます。

2012-10-17 23:23:59
@rain_00

7、そして定められたモニタリング期間があるので、相談支援事業者がそれに沿ってモニタリングします。新規で申請すると、毎月モニタリングが三ヶ月続きます。で、良ければ報告書のみ、ダメだったら計画変更なので、4に戻って計画作り直し。セルフケアプランだとなんとモニタリングが不要である。

2012-10-17 23:26:04
@rain_00

相談支援事業者はサービス計画作っても報酬が、モニタリング報告書作っても報酬が貰えます。値段は、サービス計画>モニタリング報告書です。ここ、悪徳事業者が何を思いつくのか簡単にわかると思いますが、ここではあえて書きません。

2012-10-17 23:28:06
@rain_00

これが大雑把な概要。これを3年の移行期間で今サービス使ってる利用者全員のサービス計画とモニタリングをやりなさいということが決まっています。自治体と相談支援事業者は死にかけています。忙しくて。

2012-10-17 23:29:47
@rain_00

三年間で移行するためには段階的にやっているので、最初の年である今年度は殆どの自治体は介護給付の新規しか計画を作っていません。余力があるところはもう少しやっているけど、どこもカツカツです。

2012-10-17 23:30:37
@rain_00

なんでそもそもこういう流れになったのか、というと障害者の地域定着という所の問題がある訳です。病院、施設に入れっぱなしじゃなくて、地域で生活しましょう、そのためにはケアマネジメントが要りますよ、という割と安直な所から来ていると思う。

2012-10-17 23:33:05
@rain_00

後は、自治体のCWの能力に限界があるとか(専門職じゃない研修受けただけのCWがやっているとか)、自治体によって申請に圧力が掛かっていたりとか。後は支給決定一度すると滅多にモニタリングしてないからそのまま出しっぱなしとかそういう杜撰さもあった訳だと思う。これはCWの技能に依存する。

2012-10-17 23:35:45
@rain_00

で、相談支援事業者をはさむことで、ある程度の公平性とか、交渉力(利用者が自治体と交渉するのは結構難しい)とかそういう点でも間に関与するってのは良さそうに見える。事業者同士で競争すれば、いいサービス計画も出てきそうなんだよね。

2012-10-17 23:38:00
@rain_00

ただ、この相談支援事業者が、どこに傾きがあるかによって差はある程度出るよね。自治体より事業者は支給量の見積もりはシブいし、利用者寄りの事業者は支給量てんこもりにするであろう予測は容易に立つ。どちらがどうとは論じられない。それを選ぶのも含めて当人の責任になる。

2012-10-17 23:40:33
@rain_00

ガイドラインはあるし、そんなに差が出ないようにすることだけど、それは建前なので、やっぱり地域間の格差も出るし、事業所の格差も出てくるだろうと思う。

2012-10-17 23:41:10
@rain_00

そのへんの背後の話はおいておいて、何が大変かと言うと、すぐ利用できない。時間が今までの1.5倍ぐらいかかる。すぐ使いたい人は相当イライラする。今も、ヘルパーなどの介護給付は申請してから早くても2ヶ月後ぐらいから利用になる。それがもう少し遅くなるのだ。

2012-10-17 23:42:31
@rain_00

支援者側にとっては事務量が半端なく膨れ上がるので、多分、多くの現場の支援者は体調を崩したりすると思う。日中活動支援事業と計画相談の相談支援事業者のふたつを受けてしまっている地域活動支援センターの職員とかもう瀕死である。

2012-10-17 23:44:02
@rain_00

色々問題は起きてくる。利用者にも支援者にも。その都度修正するよりないのは、昔から延々続く法改正の宿命みたいなものである。

2012-10-17 23:46:32
@rain_00

障害者自立支援法をどんどん介護保険法のスタイルと近づけて行くことによって、いずれ一元化するという流れは、勿論ある訳で(こんなの制定当初からあった話)、そうは言ってもまだまだ時間はかかるけどもね。でも介護保険と一元化するってことは自己負担金の問題とかあるからね、ムズイよ。

2012-10-17 23:47:57