ゲーム雑誌は新しい役割を見つけ、ファンはこれからも強くなる
ゲーム誌、とりわけネットが登場する前の80,90年代のゲーム情報誌は、かなり重要だったんだな。最新の情報を伝えるだけではなく、小説やマンガなど独自のコンテンツを持ち、ファンを繋ぐコミュニティとしての機能を持っていたんだね。
2012-10-28 16:50:54それにしても、年代順にずらりと並んだ雑誌は壮観だったなー。 時代によって変化していく様子が文字通り手に取ることができた。 手描きだった攻略マップがカラー写真に。小さかった裏ワザのコーナーが大きくなる。扱うゲームの本数は増えていき、読者のページが拡大していく。
2012-10-28 20:19:15表紙の変化も面白い。80年代アニメ風だったかと思うと、ドラゴンクエストなどをモチーフにしたポップな絵になったり、時代が進むとアイドルやタレントが微笑むようになっていく。
2012-10-28 20:22:31雑誌による個性もこれほどのものだったのか、と驚かされた。レイアウトひとつ取っても、必勝本はとにかく文字が多くて情報量がぎっしりと詰まっている。ファミマガはゲーム画面やイラストの比率が高く、文字が大きくて文字数が少なめだった。まさに個性だ。
2012-10-28 20:27:55ファミマガは、とにかくレイアウトが上手くて驚かされた。ヒッポンはテキストと写真の比率が現代のWebサイトの作りに似ていると感じた。多くの情報を効率的に見せる点が共通するのかもしれない。
2012-10-28 20:31:30年代順に並んでいるので、ファミコンの歴史も感じることができた。牧歌的だったドットのグラフィックはどんどん洗練されていき、ファミコンってここまで出来たの!?と驚いてしまった。
2012-10-28 20:37:05時代が進むと、ファミコンに混ざってPCエンジンの記事が入るようになる。読んでる間は頭がファミコンの時代になっているので、超美麗なグラフィックに驚かされてしまう。並べて見ると違いがはっきりわかる。凄いゲーム機が出てきた!と当時の人もびっくりしただろうな。
2012-10-28 20:41:08また、今日面白いな、と思ったのはファミコンなどで発売されていた「飛龍の拳」のファンという方のお話を聞いたことだった。1987年に発売されて続編も数多く出ているゲームだ。僕も小さい頃に触れた記憶がある。
2012-10-28 22:19:18続編はしばらく出ていないけれど、今でも根強いファンがいるシリーズと聞いた。その話をしながら、メーカーが続編を出さないなら、ファンメイドの続編が出来たら楽しいですね、という話をした。
2012-10-28 22:22:08大作の続編ばかり作られる、というのはゲーム業界に長く言われていることだけど、案外続編が長らく作られていないタイトルというのも結構ある。権利関係などの難しい事情を除けば、採算の問題が大きい場合が多いだろう。それなら、ファンが主導で作ってしまえたらいいんじゃないかな。
2012-10-28 22:25:47「サイバーフォーミュラ」の同人ゲームが正式版権を得たケースもあるのだそうだ。 (参考)「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN DREI」 http://t.co/EsVY69WZ
2012-10-28 22:34:57ファンがある程度まとまっていて、権利が遊んでいる状態であれば、貸し出したり販売数に応じる形で出せば、メーカーも損しないしファンも嬉しいというケースはありそうだ。飛龍の拳はNESでFlying Dragonで発売されたというから、海外にもファンがいる可能性もある。
2012-10-28 22:37:48権利だけしっかり得るか借りることができれば、フリーのエンジンにファンのシナリオや絵、音楽などを乗せて、PCやスマートフォン向けに作ることはできないかな、という話をしたのでした。そういうファンメイドのゲームが気軽に作れるようになるとゲームの世界も少し変わるかもしれないな。
2012-10-28 22:40:59それに通じる話なのですが、今回一番感動したのはファンの力なんですよね。コミュニティスペースの一室にずらり並べられたファミコン必勝本は個人の所有物なのだという。きちんと揃っていて、保存状態の良さに当時の製作スタッフの方が驚いたという。
2012-10-28 22:46:18どうしてもクリエイターやメーカーといった送り手に注目がいきがちですが、日本の豊かなコンテンツ産業は熱心で愛情深い受け手、広くて厚いファン層に支えられているところが大きい。そう思います。
2012-10-28 22:50:15小さい頃、ゲーム少年だった。昔のゲーム少年は必然的にゲーム雑誌少年になるんですよね。今と違って、最新のゲーム情報にアクセスするには雑誌がほぼ唯一の存在。もっとうまくなりたい、ゲーム発売予定を知りたい、難しい面をクリアしたい、説明書に載っていない裏技が使いたい…。
2012-10-28 22:58:44最初はゲームのことが知りたくて読んでいるうちに、載っている小説を読み始める、マンガを楽しみに買うようになる、お気に入りのライターが出てくる。ゲーム雑誌は独自のコンテンツを持つ存在でもあった。
2012-10-28 23:02:37また、雑誌で作り手のインタビューや対談を読むようになる。作り手の声や人物を伝えるのはゲーム雑誌だった。読者コーナーのネタや絵を楽しんだり、自分から投稿する。時には意見を交わす、議論をする。作り手と受け手、ファン同士が交流するコミュニティの機能を持っていた。
2012-10-28 23:07:01今日手に取った90年頃のヒッポンの中で、冒頭に「次世代機戦争、ICチップ供給不足の恐れ」というキャプションがあり、思わず頬が緩んでしまった。平林さんらしいなあ、と。まるで日経などの経済新聞のようだ。当時、ゲームを産業として捉えるゲーム誌はほとんど無かったと思う。
2012-10-28 23:11:56今では普通の経済誌がゲーム機の次世代争いやその動向について書くのも珍しくない。それだけ先進性の高いゲーム雑誌だったのだと思う。平林久和氏の慧眼をあらためて感じた。
2012-10-28 23:18:16ゲームが産業として巨大になるにつれて注目が大きくなり、新聞や普通の雑誌でも情報が扱われるようになった。また、インターネットが普及することで、ゲーム雑誌の大きな機能のひとつである情報の提供は他のメディアやネットと共存するようになったと思う。
2012-10-28 23:23:04ゲーム雑誌は数多くのクリエイターを世に送り出してきた。一時期は本当にゲーム雑誌なのかと思うほど高かったコンテンツ供給機能も、ゲーム雑誌からマンガ誌が生まれたり、ゲームメーカーがコミックを出版するようになるなどの変化を迎え、一時期と役割が変わってきたように思う。
2012-10-28 23:26:41ゲーム雑誌の持つコミュニティとしての場も、インターネットのSNSやファンサイトなどが担うようになっていった。ファミコン専門誌が相次いで登場した80年代半ばから四半世紀。今ではゲーム雑誌の役割も大きく変わったといえるかもしれない。
2012-10-28 23:34:23かつてゲーム少年・少女はゲーム雑誌少年・少女になった。今ではその図式は変わったかもしれないけれど、ゲームが好きな人たちが情報を求めたり、ゲームに関係するコンテンツを楽しんだり、作り手やファンとのつながりを求めることは変わらない。
2012-10-28 23:38:59ゲーム雑誌は新しい役割を見つけるだろう。そしてファンはこれからも強くなっていく。今日のイベントでそう感じることができた。長くゲーム業界を支えてきたゲーム雑誌の担い手の方々に感謝するとともに、主催者の熱意に心から敬意を表したい。
2012-10-28 23:46:14