愛媛新聞 2012年11月11日 「伊方原発防災訓練の課題 元四電・松野元氏に聞く 博覧会的、薄い危機感 25時間内全員避難遠く 未解決で再稼働許されず」ほか

2012年10月23日、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の放射能漏れ事故を想定し、原発から半径30キロ圏内の7市町の住民が陸海空路で避難する県原子力防災訓練が行われました。 東京電力福島第1原発事故後、愛媛県での広域避難訓練は2月に続き2回目で、 県と20市町、自衛隊、警察、消防など73機関計約1万3000人が参加しました。 県と関係市町は訓練を踏まえて課題を洗い出し、来年3月までに策定する原子力防災計画に反映する予定です。 続きを読む
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しまなみ @shimanamis

訂正:【愛媛新聞】2012年11月11日 伊方原発防災訓練の課題 (1)元四電・松野元氏に聞く 博覧会的、薄い危機感 25時間内全員避難遠く 未解決で再稼働許されず(インタビュワー:森田康裕記者) (2)放射性物質拡散 30キロ圏外も対策必要 主体は自治体 自覚を 森田康裕記者

2012-11-11 22:20:16
しまなみ @shimanamis

(1)松野元氏① 四国電力伊方原発の事故を想定し、県が10月下旬に防災訓練を実施した。半径30キロ圏内に約13万人が暮らすが、交通機関などで他地域に避難したのは約700人。悪天候でヘリの避難訓練が中止される一幕もあり、多数の課題が残った。

2012-11-11 21:43:57
しまなみ @shimanamis

松野氏②国の緊急時支援システム(ERSS)実用化に携わり「原子力防災」の著書もある元四電の松野元氏(67)は「深刻な事故が起こらないという東京電力福島第1原発事故以前と同じ博覧会的な訓練だ」と批判。防災上の課題を解決しないままの原発再稼働は許されないと主張する(聞き手・森田康裕)

2012-11-11 21:46:37
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松野元氏③ 炉心溶融の恐れが生じてから住民の被曝まで25時間が目安だ。所定時間内に全員を避難させる意識を感じなかった。実際に人を動かせないなら、バスだけでも何台必要か計算し運用すればいい。どう発注し、どこへ移動させ、現実にできるか確認せねばならない。

2012-11-11 21:48:14
しまなみ @shimanamis

松野元氏④ 要援護者の対応も問題だ。八幡浜市内の入院患者を25時間以内に周辺地域に移さねばならないが、対応できているとは思えない。原発施設の対策で事故進展を遅らせ、時間稼ぎするしかない。市は四電と対策を話し合うべきだろう。

2012-11-11 21:49:33
しまなみ @shimanamis

松野⑤初動の失敗が福島の問題点の本質。津波で原子炉冷却機能を失った時点でオフサイトセンターが緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク(SPEEDI)の使用と住民の安定ヨウ素剤服用、避難を決定し、官邸と福島に事故対応を任せて周囲の住民を逃す。それから実測で対応の妥当性を確認すべきだった

2012-11-11 21:50:56
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松野元氏⑥ 訓練では放射性測定結果を共有する新システム「ラミセス」を初運用したが、拡散予測に基づき放射性物質放出前に避難させ、判断の正しさを確認するために使うべきもので、SPEEDIの代わりにはならない。放射線実測後に避難しても間に合わない。

2012-11-11 21:52:08
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松野元氏⑦ 国や原子力業界はチェルノブイリ事故時に「日本では起きない」と間違いを認めなかった。茨城県東海村のJCO臨界事故後に原子力災害特別措置法で初動態勢を整えたが、福島では機能しなかった。次こそうまくいくと考えるのは性善説にすぎない。

2012-11-11 21:53:45
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松野元氏⑧ 国の指示がないとの想定も必要だ。放射能拡散予測が提供されなかった場合や、現地でのヨウ素剤服用の判断も考えておく必要がある。課題発見だけで済ませれば従来通りだ。課題を解決できなければ再稼働できないし、廃炉とするしかない。

2012-11-11 21:56:01
しまなみ @shimanamis

(2)30キロ圏外も対策必要① 原子力規制委員会は10月下旬、福島第1原発級の事態を想定した全国16原発の放射性物質拡散予測を公表した。伊方原発では事故後1週間の積算被ばく線量100ミリシーベルト(国際原子力機関の避難基準)の範囲が最長で南南西21.9キロ。

2012-11-11 21:57:36
しまなみ @shimanamis

30キロ圏外も対策必要② 規制委が真災害対策指針で対策重点区域とした半径30キロに収まるが、松野氏は30キロ圏外でも対策の必要の必要があると訴える。

2012-11-11 21:58:39
しまなみ @shimanamis

30キロ圏外も対策必要③ 規制委は福島第1原発でも同様の試案をした。100ミリシーベルトの範囲は北北西に18.7キロ、北側に13.8キロ、北西に12.5キロ。年間を通した風景は東―南側が大飯との結果だが、帰還困難区域や居住制限区域のある飯舘村は原発から北西に約40キロ離れている。

2012-11-11 22:00:44
しまなみ @shimanamis

30キロ圏外も対策必要④ 松野氏は「30キロ圏内を国が整備するのはいいが、そこからこぼれた地域も飯舘村のような状況になる」と指摘。30キロ圏外でも、SPEEDIを活用して放射性物質放出に至る前に対処する計画を求める。

2012-11-11 22:02:02
しまなみ @shimanamis

30キロ圏外も対策必要⑤ 「国の役割は事前準備や情報提供など。主体はあくまでも自治体であり、例えば松山市側に放射性物質が出たらどうするかは松山市が考えるべきだ」と自覚を促す。

2012-11-11 22:04:28
しまなみ @shimanamis

30キロ圏外も対策必要⑥ 半径30キロを大きく超える地域の対応では、福島事故時に原子力委員会の近藤駿介委員長が試算した「最悪のシナリオ」を参考に挙げる。170キロ以上の地域で強制移転、250キロ以上でも希望者の移転を認める内容だ。

2012-11-11 22:06:47
しまなみ @shimanamis

30キロ圏外も対策必要⑦ 福島の事故で約210キロ離れた東京都の浄水場で基準値を上回る放射性ヨウ素が検出された事例を挙げ「現実には最初の20日間、放射性ヨウ素から逃げることを考えないといけない」と提言する。

2012-11-11 22:08:28
しまなみ @shimanamis

30キロ圏外も対策必要⑧ 規制委が一部原発では30キロ圏外でも基準超過との結果を出したのに、新指針が対策重点区域を30キロ圏内とした矛盾も問題視。松野氏は「最後は見捨てられるというメッセージだと、国民は受け止める。

2012-11-11 22:09:38
しまなみ @shimanamis

松野元氏参考:ドキュメンタリーWAVE「伊方原発 問われる“安全神話”」@shbttsy74さんまとめ http://t.co/wZdBY2ag 【毎日】第5部・立ちすくむ自治体 松野元・元原子力発電技術機構緊急時対策技術開発室長の話 http://t.co/aElaVhdb

2012-11-11 22:12:44
しまなみ @shimanamis

自治体が原発防災計画を立てるときの手引書になる本⇒松野元著『原子力防災―原子力リスクすべてと正しく向き合うために』 http://t.co/ExpWvQ1c

2012-11-11 22:14:40
しまなみ @shimanamis

松野氏は四国電力の原子力畑から、原子力発電技術機構(現・原子力安全基盤機構)に出向、原子力防災に携わったが、その成果は“安全神話”で顧みられず、四電に戻ってからも関係のない閑職に追いやられた。いまだに、なぜどの自治体も原子力防災の顧問や助言者に招かないのか、理解できない。

2012-11-11 22:17:54