いじめ加害者に対する恐ろしい想像(仮題)

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東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

大津いじめ事件、第三者調査委員会でレクチャーしてきた。http://t.co/5UijnXlW 生まれて初めて記者に囲まれる経験をした。注目度高いなあ。内容はほぼ報道の通り。いじめ自殺(ただしPTSD化を経たもの)の自験例を解説し、虐待事例の自殺は経験がないことも話しました。

2012-11-11 23:03:51
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

宮地先生の「環状島モデル」はたぶんいじめトラウマにも該当するだろう。孤立化・無力化・透明化(中井久夫)の過程をへてきた被害者は自分が経験していることを言語化できない場合が多いのではないか。被害・加害関係が分明なケースばかりじゃないし、その場合は逃げることも訴えることもできない。

2012-11-11 23:07:09
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

「いじめ自殺」の証拠が「遺書」って考え方はおかしい。自殺の背景要因はだいたい常に複合的で、かりに虐待その他の要因がほかにあったとしても、「どっちが原因か」という話にはなりようがない。単にストレッサーが二つ以上あったと考えるべきでは。少なくとも教科書的には。

2012-11-11 23:09:49
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

当日、尾木先生から出された「いじめ加害者って大人になったらどうしてるんでしょうね?」って疑問は興味深い。本来なら被害者のみならず加害者も社会不適応を起こしてしかるべきなのに、という意味だけど、実際には「加害者相談」なんて受けたことないし。

2012-11-11 23:13:08
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

僕の恐ろしい想像では、たぶんいじめ加害者は「世間」が保護してくれる。なぜなら彼らはカースト上位者すなわち強者であって、場合によっては教師すら彼らに取り入ろうとする存在なのだから。だから彼らの行為は「いじめ」ではなく「落ちこぼれに”協調性”を教えようとしていた」だけなんだろう。

2012-11-11 23:17:04
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ちなみに某ミュージシャンの「いじめ武勇伝」はリアルタイムで読んでるけど、雑誌掲載時はなんの問題にもならなかった。叩かれたのはネット掲載後。ここから二つのことがわかる。リアルな世間は加害者の味方。「寛容」ではなくはっきりと「味方」。そしてネットと世間は乖離したままだ。

2012-11-11 23:20:32
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

加害者対策の遅れについて、悪いのは学校側の怠惰だけではなかった。ここには「世間」という途方もない壁が立ちはだかっている。「世間」が「武勇伝」を心底嫌悪するようにならない限り、加害者は「健康」になるばかりだ。誇らしい加害と恥ずべき被害という愚かしい構図が入れ替わるのはいつのことか。

2012-11-11 23:28:21
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ところで僕も対談で参加している「現代思想12月臨時増刊 imago いじめ」(青土社)には、中井久夫先生も寄稿しているのだが、ちょっと衝撃的な告白が書かれている。ここから何かをわかったつもりになったりしてはいけないのだろうが…

2012-11-11 23:43:15
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

加害者対策に腰の重い学校側に対して精神科医に簡単に出来ることは、「いじめ被害による」という原因を明記した診断書や意見書を発行すること。「そういう診断書を書きましょうか」とやんわり提案しただけで事態が動いたこともあるほど、学校側はこの種の文書の存在を忌避しようとする。

2012-11-12 00:03:00