祥伝社ノン・ノベルについて

祥伝社ノン・ノベルのリストを作ったので、そこから分かったことなどのまとめ。
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ありさと @ailsato

需要があろうがなかろうが、出来たものは放出。祥伝社ノン・ノベルのリスト http://t.co/8ERK4qSE SF伝奇/ライトノベルの関係でいうと、古くは平井和正のウルフガイシリーズ、80年台からの夢枕獏と菊地秀行、最近では上遠野浩平『ソウルドロップの幽体研究』あたりが有名。

2012-11-12 10:42:35

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祥伝社ノン・ノベル

祥伝社 ノン・ノベル 著者名索引
https://alisato.web2.jp/list/nv_non/non-nv.htm

祥伝社 ノン・ノベル 著者名登場順 https://alisato.web2.jp/list/nv_non/non-nv_a_pub.htm

ノン・ノベル 作家別刊行チャート
https://alisato.web2.jp/list/nv_non/non-nv_chart1.htm
https://alisato.web2.jp/list/nv_non/non-nv_chart2.htm

祥伝社 ノン・ノベル 刊行順リスト
https://alisato.web2.jp/list/nv_non/non-nv_p1.htm
https://alisato.web2.jp/list/nv_non/non-nv_p2.htm

祥伝社 ノン・ノベル 年別刊行点数グラフ
https://alisato.web2.jp/list/nv_non/non-nv_p_chart.htm

ありさと @ailsato

祥伝社は自前の新人賞をもっていないので、ノン・ノベルに書いているのは、どこからかスカウトしてきた人なわけです。だから登場する顔ぶれをみていくと、日本のエンタティメント系作品の縮図が見える気がしないでもない。 http://t.co/8ERK4qSE

2012-11-12 10:45:43
ありさと @ailsato

初期のもので興味深いのは松本清張『人間水域』かな。通番で12なので、本来ならば1973年末に出ていてもおかしくないのに、なぜか1975年刊行。そして、角川文庫版の『人間水域』は1974年2月刊行。あれれ~? ちなみに親本の『人間水気』は1970年に祥伝社から出てます。

2012-11-12 10:52:26
ありさと @ailsato

想像するに祥伝社では自分のところで出た本だから、当然ノン・ノベルにも入れさせてもらえるだろうと思ってラインナップに入れていたら、その前に角川文庫が持ってちゃったんですな。文庫と新書では読者層が重ならないからと、一年後にノン・ノベルでも出したとかそんな感じじゃないのかな。

2012-11-12 10:56:17
ありさと @ailsato

松本清張『人間水域』は、1970年に祥伝社が創業したときに松本清張がご祝儀でくれた作品らしいので(梶山季之「大文豪が祥伝社に餞け」という文章がある。http://t.co/c6Fb8WkD)、祥伝社としてはどうしてもラインナップに入れたかったんでしょう。

2012-11-12 11:05:34
ありさと @ailsato

祥伝社は光文社(音羽グループ=講談社系列)から出た人たちが、小学館(一ツ橋グループ)のバックアップで作った会社だそうで(Wikipediaとかhttp://t.co/ocnu0YvHとか参照)、光文社のカッパ・ノベルズは松本清張のホームグラウンド。

2012-11-12 11:12:01
ありさと @ailsato

1974年に平井和正のウルフガイシリーズがノン・ノベルに入ります。これが大ヒット。ハヤカワ文庫SFで4冊でていたものが、ノベルズ版では3冊にまとまって、さらに『宝石』で連載していた分を『狼は泣かず』『人狼戦線』として刊行。 http://t.co/MAYr7a3x

2012-11-12 11:46:32
ありさと @ailsato

アダルト・ウルフガイシリーズは、どーんとまとめて連続刊行。初期のノン・ノベルは同じ作家の作品をまとめて出すことがありました。半村良の『闇の中の系図』シリーズとか豊田有恒のヤマトタケルシリーズとか。

2012-11-12 11:50:44
ありさと @ailsato

平井和正のウルフガイシリーズは後に角川文庫に入ります。松本清張『人間水域』の件もあるし、ノン・ノベルって角川春樹の頃の角川文庫と路線が重なってるなーという印象。新書と文庫のうちは住み分けができてたんですが、角川書店がカドカワノベルズを出してきてモロに影響を受けたようです。

2012-11-12 12:01:25
ありさと @ailsato

祥伝社ノン・ノベル 年別刊行数グラフ http://t.co/NZNsxVKr 1980年~1983年のあたりが微妙に落ち込んでおります。1981年は豊田有恒のヤマトタケルシリーズのまとめてどーんがあったので多いですけど、落合恵子の名前があるあたりで、あれ?と思ったり。

2012-11-12 12:12:08
ありさと @ailsato

カドカワノベルスは1981年に60冊出していたので、作家の取り合いになってもおかしくないかなと思います。他のレーベルも調べてみないといけませんが。で、そんなところへ、ノン・ノベルには夢枕獏と菊地秀行という二大超新星が現れるのです。

2012-11-12 12:21:00
みかんねこ @tangerine_cat

@ailsato お二人ともノベルズでは超新星ですよね。朝日のソノラマ文庫読者は、本の単価が上がってどちらを追いかけるか選択を迫られたような状態でした。

2012-11-12 13:10:56
ありさと @ailsato

夢枕獏も菊地秀行もソノラマ文庫出身なので、ノン・ノベルに書くことで若い読者も流入したんだろうなと思っていたら、まさにリアルタイム読者の証言が。 https://t.co/0ed4UR70

2012-11-12 13:40:46
ありさと @ailsato

菊地秀行は吸血鬼ハンターDの女性読者もだいぶ引き連れていったんだろうなーと思いました。ノン・ノベルってウルフガイシリーズのおかげで、女性でも手を出しやすいレーベルでありましたし。おまけに『魔王伝』のメフィストが……。

2012-11-12 13:46:33
ありさと @ailsato

阿島俊『漫画同人誌エトセトラ'82-'98』によりますと、1987年に高河ゆんのサークルが『魔王伝』のパロディで小ブームを起こしたとあります。『銀英伝』『孔雀王』の小ブームもあったと。(p.103) 1985年からのC翼同人ブームとやおいの台頭と新書ノベルズの変化がほぼ並行。

2012-11-12 13:52:49
natuki @natuki_mokoko

@ailsato CLAMPも魔王伝と孔雀王の同人誌だしてたりそこそこのブームだった気がでもC翼なんかと規模が違うから小ブーム扱いなのかな?

2012-11-12 14:01:01
ありさと @ailsato

『魔王伝』のブームは「同人誌の人気作家が主導する形での同人誌内でのブームという新しい流れ」という解説がされてますね。@natuki_mokoko

2012-11-12 14:08:51
natuki @natuki_mokoko

@ailsato ああ、言われてみれば確かにそんな気も…他のプロの作家さんも魔王伝本出してたんですよね、あれあの時期プロデビュー前かな?

2012-11-12 15:02:49
ありさと @ailsato

菊地秀行のノン・ノベルでの刊行冊数は、とんでもないです。 http://t.co/2FB2U0qW この他にソノラマ文庫と各種ノベルズレーベルにも書いてるわけで……。

2012-11-12 14:21:03
我乱堂 @SagamiNoriaki

92年くらいに通巻100冊記念見た覚えがありますね…デビューして十年くらいで… RT @ailsato: 菊地秀行のノン・ノベルでの刊行冊数は、とんでもないです。 (略)http://t.co/k8O0Jt6b この他にソノラマ文庫と各種ノベルズレーベルにも書いてるわけで……。

2012-11-12 14:29:31
ありさと @ailsato

夢枕獏と菊地秀行の登場で勢いのついたノン・ノベルですが、大陸書房が倒産した翌年1993年あたりで様子が変わります。いきなり刊行点数が増える。1992年は34点、1993年は42点。大陸ノベルズの書き手が流入したにしても……。

2012-11-12 15:12:18
ありさと @ailsato

出版社的には少ない点数で部数が出たほうが美味しいはずなので、これはあまりよろしくない兆候ではと思っているうちに刊行点数グラフの数値はどんどん下がっていき……。2000年以降新書ノベルズは冬の時代なんじゃないかと思います。

2012-11-12 15:20:52
ありさと @ailsato

新書ノベルズの低迷は物価や景気はもちろんですが、読者層の高齢化もあるんじゃないかなと思います。エロスとバイオレンスなノベルズのメイン読者といったら30代40代男性会社員が想像されたりするわけですが、今の30代ってロードス島を読んでた人たちデスヨ。

2012-11-12 15:35:51