児玉晃一弁護士( @Koichikodama )によるイングランドの入管視察の報告

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弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

入管視察の合間、ロンドンの王立裁判所に見学に来ました。地下にジムがあって驚愕。入管の収容施設にも被収容者が自由に使えるジムがあった。かつて、180日以上運動できなかった日本の入管被収容者の事件、一審で勝ったが高裁、最高裁で負けた事件担当したが、こちらなら絶対勝てたな。

2012-11-14 00:07:57
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

イングランドのHarmondworth入管を見学。面会は365、14:00-21:00。その間なら時間制限なく普通のテーブルで仕切りなしに会えます。ハグもキスも自由。子どもと遊ぶスペースもありました。日本は遮蔽板越しにたった15分と言ったら収容所長は目を丸くして驚いていました。

2012-11-14 18:03:08
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

続き。被収容者は入所時携帯電話貸与され、自由に通話できる。PCもそれなりにあって、メールの送受信も可能。SNSはダメで写真機能も使えないが、それでも、日本の入管とは雲泥の違い。

2012-11-14 23:08:36
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

続き。なんと、ドラムとエレキギター、ベース、シンセマイクの備わった音楽室もあり、被収容者でバンドも組んで練習できる。美術室もあり、絵も書けるし、クラフトワークやったりできる。チェーンで固定もされているが、カッターナイフやハサミも使える。パソコンや英会話の教室もある。

2012-11-14 23:11:20
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

続き。日本から同行した弁護士が、そんな自由で大丈夫なのかと質問したところ、収容所所長「鉛筆一本でも凶器として使おうと思えば使えるが、信用できる人なら拳銃渡しても大丈夫。職員と被収容者との信頼関係が築けているので問題ない」被収容者を1人の人間として接する姿勢が至る所に反映されてた。

2012-11-14 23:14:31
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

来年の1/8 18:00〜東京霞ヶ関の弁護士会館でイングランド視察の報告集会する予定です。そちらでより詳しい話をさせていただきますので、関心ある方お越しください。大阪でも同様の企画を考えています。

2012-11-14 23:17:47
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド収容】収容からの解放手段として、裁判官による保釈手続があり、申請から3日~6日で決定がされる。申請はファクスで可能。申請があると国側が収容を継続する理由について記述したサマリー(Bail Summary)を前日までに申請者に提出、審理は公開の法廷で行われる。

2012-11-16 16:33:55
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド収容】法廷で、双方の言い分を聞き、その場で裁判官が判断を下す。申請者は収容所からビデオリンクで手続に参加。25%くらいの認容率で、保証金は安ければ10ポンド未満、100ポンドから500ポンドくらいのことが多いとのこと。今日はその法廷を見に行きます。

2012-11-16 16:35:14
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド収容】裁判官が保釈を判断する際に依拠するガイドラインが、ネットで公表されています。http://t.co/74Pi4HUe

2012-11-16 17:09:55
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド収容】裁判所によるヒアリング手続見て来ました。被収容者は収容施設からビデオリンクで参加。審判廷には被収容者の代理人、国のオフィサー、裁判官。被収容者の母親、子ども、兄弟らしき人達が傍聴。保証人に対して代理人も国側からも裁判官からも質問が。公開で実質審理がされていた。

2012-11-16 20:57:15
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド視察】日本でも「仮放免」という制度はありますが、裁判官は関与しません。入管だけの判断です。審理は書類だけ。審理過程は全く不透明。本人の話も、保証人の話も聞く機会は全くありません。いつ決定が出るかもわからず、判断まで1か月かかるのは当たり前。ブラックボックスだ。

2012-11-16 20:58:44
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド視察】入管収容からの裁判所による保釈みてきました。目の前で2人に保釈が認められる姿を見て感動。手続が公開されてフェアだ。終わった後日本から来たべんごだと自己紹介。日本には入管の収容で司法による保釈がないと言ったら、仰天して、嘆かわしそうに首を振っていました、

2012-11-17 01:08:43
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド視察】審理中、英語が聞き取れなかったので、あとで裁判官に質問。保釈が認められた2人のうち、1人目は保釈金はいくらだったのか、と聞いたら、なんと「No Money」。保証人も立てられない若い単身者なのに。住居制限などはあるようだが、日本では考えられない。

2012-11-17 04:22:03
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド視察】私が驚いていたら、裁判官:犯罪歴もない若い人の可能性に掛けてみようという判断をした。そんな簡単に出すなという批判も受けるが、これが自分の仕事だ。と、悩みを見せつつ心情を吐露してくれた。プロフェッショナルだ。

2012-11-17 04:25:09
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド収容】ちなみに、前に紹介した保釈担当裁判官のためのガイドラインは、「人は誰でも自由がある、国民か外国人を問わない」という一文から始まる。今日の裁判官は、その基本原則を忠実に守り、収容を継続すべき理由が見つからなければ解放する、という判断をしていたのだと思う。すごい。

2012-11-17 04:26:26
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド視察】保釈の審理は、午前も午後も2件ずつ。1件にかける時間は1時間以上。申請者本人や保証人から話を聞く。疑問点はその場で糺す。これぞ、口頭主義というものだ。それを公開法廷でやる。手続の公正さはそうして担保される。代理人も国側も裁判官も審判廷での真剣勝負だ。

2012-11-17 04:38:46
弁護士 児玉晃一 @Koichikodama

【イングランド視察】日本では入管の収容には裁判官による保釈の制度は存在しない。刑事事件で勾留された被告人だけ。しかも東京地裁では裁判官との面会は長くて30分。会うのは弁護人だけで裁判官は身元保証人と話すのを大変嫌がる。被告人に至ってはそもそも呼ばれない。おかしなことだと気づいた。

2012-11-17 04:41:37