日本で電子本が普及しないワケ By 古沢嘉通

印税の問題は大きいでしょうね。解決するには何年かかることやら。
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Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

一年間で数十万円は電子本(洋書)を買っている当方の感覚では、日本で和書電子本を普及させようとしたら、少なくともいまの価格では難しいでしょうね。紙の本の半額以下の値段にしないと。単行本は千円以下、文庫は五百円以下じゃないと値ごろ感が出てこない。

2012-11-20 09:28:14
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

著訳者サイドからすれば、紙本とおなじ印税率を電子本に適用するのは、言語道断なんだけど、実際はそうなっていきそうな感じ。というか、スケールメリットが出ていないので、電子本移行のコストが吸収できないんだろうけど(原テキストは電子化されているから、さほど手間ではない気がするが)。

2012-11-20 09:31:48
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

実際に、拙訳書で、電子化される本の契約条件では、「印税が累計××円を上回ったら支払う」という形になっていて、現状の電子本販売数(二桁とか三桁)では、まずその金額に達しないことが予想されるため、たぶん支払われないことが予想されるんだよな。なんかなあ……。

2012-11-20 09:35:56
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

米国の電子本の場合は、現状ではフォーマットはmobi(azw)とePubとpdfの三種類がメインで、drmすら外していく傾向にある。日本のように勝ち組がまだわかっていないので、おそろしく電子本フォーマットを用意しなければならないのとは、作業負担がずいぶん違うのは想像できる。

2012-11-20 09:40:55
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

で、日本では、現状の印税率のままだと、電子本が普及すればするほど、著訳者は貧乏になっているのが予想できる。電子本はろくに売れないんじゃないか、と高をくくっているうちはいいんだけど(電子本になったら印税入らない「ので」、電子本販売(予想)部数だけ刷り部数は減って、印税は減る)。

2012-11-20 09:46:25
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

これが米アマゾンなみの価格(紙本の半額以下)になれば、そこそこ電子本が売れるようになると思うのね。いや、ひょっとしたら米国同様、紙本を上回るようになるかもしれない。そうなった場合、現行の印税率(紙本とおなじ印税率)だと、著訳者印税は、大幅に減るよ。

2012-11-20 09:52:13
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

文庫千円の翻訳書の印税率7%刷り部数1万部というのが、いまの日本の大半の翻訳書の実情でしょう。印税70万円。これが電子本(五百円)が売れるようになると、紙本5千部(35万円)+電子本5千部(17・5万円)なんてことになりかねない。しかも電子本売上げは、実売(後)払いだ。

2012-11-20 09:59:20
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

@ken_nishizaki 出版社としては、在庫を抱えずに済むというメリットがとても大きいんだと思います>電子本 Weightless Booksのような独立系電子本書店(マイナー出版社本中心)が日本でも出てくるかもしれませんね。

2012-11-20 10:03:12
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

@ken_nishizaki 自分で本を書く場合と異なり、翻訳の場合は、自分ひとりで出せない(版権管理や校閲などのハードルが高い)ため、ひとり出版社は難しいでしょうね。

2012-11-20 10:05:58
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

版権エージェント業の形態も変わってくるかもしれないな。個人との取引を引き受けてくれるエージェントが出てくるかも。翻訳だって、版権エージェントと校閲・編集担当がいれば、個人でも訳書を出せないことはない。それぞれ専門のフリーランスが寄り集まって電子本を出していく形はありうる?

2012-11-20 10:09:33