シマウマ(f_zebra)さんと考える「エネルギーオプション」の現実って?

まとめました。
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Flying Zebra @f_zebra

「ドイツ並みに10年で実現したい」って、まさかドイツがいつから脱原子力に取り組んできたか知らないのかな。嘉田新党「2022年に原発稼働ゼロ」  :日本経済新聞 http://t.co/vmNsVDTn

2012-11-28 12:34:23
リンク t.co 嘉田新党「2022年に原発稼働ゼロ」 :日本経済新聞 新党「日本未来の党」の代表に就任する滋賀県の嘉田由紀子知事は28日午前、2022年に原発稼働ゼロを目指す考えを示した。30年代の原発ゼロを掲げる民主党よりも目標時期を前倒しし、脱原発の姿勢を鮮明にす
Flying Zebra @f_zebra

10年や20年で原発をゼロにするっていうのは、ドイツよりもずっと速いペースなのでドイツ以上の覚悟と負担が必要です。しかも隣国からのパイプラインによる天然ガス供給も電力供給もないのに。それなら尚のこと、既存のプラントは大急ぎで再稼働して経済基盤を立て直す必要がありますね。

2012-11-28 12:55:34
Flying Zebra @f_zebra

国内の産業基盤や国民生活に大きな影響のある急激なエネルギー政策の変更を行うのであれば、必然的に短期的なリスクの上昇を黙認することになります。そういう選択肢があってもよいとは思いますが、それを言わないのは不誠実です。

2012-11-28 13:00:41
Flying Zebra @f_zebra

DOE(米国エネルギー省)が小型モジュール炉(SMR)開発を支援する目的で、設計と許認可取得に掛かる費用の半分を負担するというプログラムで、まずはB&W社が一部を受け取ることが発表された。現在4社が応募しており、最大2社が選ばれることになっている。

2012-11-28 19:25:42
Flying Zebra @f_zebra

SMRは将来的に従来の大型原子炉よりもコストメリットのあるオプションになる可能性はあるが、少なくとも最初のいくつかのプロジェクトはかなり割高なものになり、米国内の天然ガス価格が現在のレベルでは到底太刀打ちできない。それなのに何故、公的資金を注ぎ込んでまで開発を後押しするのか。

2012-11-28 19:26:13
Flying Zebra @f_zebra

一つの理由は、天然ガス価格の不確実性である。対外的には強気な発表をしているが、シェールガスの生産量が今後も拡大していく保障はない。現状はごく少数の成功したガス田で大部分の生産を担っており、継続的に新たなガス田を発見しない限り生産量は20年程度で頭打ちとなる。

2012-11-28 19:26:37
Flying Zebra @f_zebra

更に、今後とも好調な増産が続いた場合でも、輸出市場が出現すれば国内の調達価格も連動することとなるため、現在のように安価で調達することができなくなる可能性もある。ガス価格が急騰してから開発に着手しても間に合わないので、先行的に投資する、ということだ。

2012-11-28 19:27:03
Flying Zebra @f_zebra

今ひとつの理由は、これ以上の国内サプライチェーンの衰退を食い止めたい、ということだと考える。SMRの開発は世界中で加速しており、フランスやロシアは国家が積極的に支援している。欧州勢に比べ財政基盤の脆弱な米国のメーカーに、国の支援なしに彼らと渡り合えというのは酷だ。

2012-11-28 19:27:55
Flying Zebra @f_zebra

ただでさえ、米国ではTMI事故以来長らく原子炉の新設が途絶えたために多くの技術が失われ、サプライチェーンの国外依存が大きい。現在いくつか新設プロジェクトがあるが、原子炉容器などは外国製だ。これは、プロジェクトの経済的メリットもその多くが国外に流出してしまうことを意味する。

2012-11-28 19:28:20
Flying Zebra @f_zebra

SMRは工場で製作できるため新興国などへの輸出でも大きな可能性があるが、このままでは海外勢に実用化で先を越され、世界市場に食い込めなくなる、という危機感がある。その影響はSMRに留まらず、米国の原子力産業全体が深刻な影響を受けることになる。

2012-11-28 19:29:21
Flying Zebra @f_zebra

リーマンショック以前は誰もが信じて疑わなかった「原子力ルネッサンス」が、今後米国で開花する可能性は低いだろう。それでも米国は依然原子力に夢と期待を抱いて模索を続けているし、国民もそれを理解し、支持している。

2012-11-28 19:30:52
Flying Zebra @f_zebra

エネルギーの調達、新技術の開発といったことは数十年単位の時間スケールで考える必要がある。安定した代替策の確保もしないまま主力のオプションを捨て去るというのは愚の骨頂と言わざるを得ない。そんな愚策が大衆に支持されるわが日本は、いったいどこへ向かうのだろうか。

2012-11-28 19:31:21