原発の取扱いについての三つの論点 千葉大学倉阪秀史

原発については、次の三つの論点を峻別すべき。1)新増設を認めるか否か、2)40年以上運転を認めるか否か、3)再稼働を認めるか否か。
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倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

【原発の取扱いについて】原発については、次の三つの論点を峻別すべき。1)新増設を認めるか否か、2)40年以上運転を認めるか否か、3)再稼働を認めるか否か。

2012-11-29 01:05:10
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

1)新増設は放っておいても経済的に引き合わなくなる。避難計画を策定すべき関係市町村の範囲が8-10km圏内から30km圏内に拡大したため、既存の敷地内でのリプレースであっても社会的なハードルが格段に高くなる。電力自由化が進めば、コストの高い原発の新増設は自ずと選ばれなくなる。

2012-11-29 01:05:45
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

2)一方、既存の原発をできる限り長く使えば、電力会社は儲かる。原発の耐用年数は当初30年と言われていたが、当時の通産省が方針変更し60年に延長したもの。耐用年数延長にはコスト面で歯止めは効かない。福一の教訓を踏まえれば、耐用年数延長の選択がとられないよう、政治的な歯止めが必要。

2012-11-29 01:06:21
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

3)再エネ施設が十分に建設され、送電網広域運用と蓄エネ、需要コントロールのための各種投資が完了すれば、再エネを主とする形で安定的にエネルギー供給できる。それまでに15から20年かかるため「つなぎ」が必要。このために、原発を再稼働させるか、化石燃料の投入で乗り切るか。

2012-11-29 01:06:36
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

3+)すなわち、「再稼働か再生エネか」ではなく「再稼働か化石燃料か」ということ。このとき、これまで大規模火力発電所において捨てられてきた熱を有効利用できれば、化石燃料をもっと有効に使える。コンバインドサイクル火力と熱電併給(コジェネ)の計画導入戦略が必要。

2012-11-29 01:06:50
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

3++)コンバインドサイクル化(ガスタービンを回してから蒸気タービンを回る方法)によって火力の発電効率は約20%向上し6割近くに。需要地に近いところで熱電併給(コジェネ)を行えば、これまで発電時に捨てていた熱も利用できるためエネルギー効率は75-80%に向上する。

2012-11-29 01:07:06
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

3+++)革新的エネルギー・環境戦略では、コジェネだけで2030年までに原発25基分の設備容量を整備する計画。コジェネは計画から1年で稼働可能。石油価格に連動しない形で天然ガスを安定的に確保しつつ、化石燃料の高度利用戦略を進めれば、原発再稼働を不要とすることができるのではないか。

2012-11-29 01:07:24
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

各党の政策はどれも似たようなものという話があるが、「脱原発依存」、「脱原発」、「卒原発」といったわかりにくいコピーを使っているからでは。維新、自民は新増設・40年超運転辞さず。民主は再稼働容認。未来は再稼働否定となればわかりやすいのだが。

2012-11-29 01:07:40
翼が折れたきたきつね @northfox_wind

コジェネでやっかいなのは熱電バランス、そして熱需要(できれば蒸気)が安定的に無いと経済性に乗りにくい部分があります。ただいまガスエンジン発電効率がかなり良いので前よりはやり易いとは思いますが  RT @sustainablezone ・・コジェネだけで2030年までに原発25基分

2012-11-29 01:44:20
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

まず熱需要が大きく非常時の安定供給にも資する病院、指定ホテル(在宅ケア対応)、老人ホームなどに公費で投入して設備価格の低下を図りつつ、都市計画において熱導管の敷設を進めるなど小さな熱需要をまとめていくという戦略が必要だと考えます。@northfox_wind

2012-11-29 01:48:32
翼が折れたきたきつね @northfox_wind

基本的にまちづくりというレベルに近くなりますね、ただ欧州と違い暖房主体ではない点がやっかいな気がします RT @sustainablezone: まず熱需要が大きく非常時の安定供給にも資する病院、/都市計画において熱導管の敷設を進めるなど小さな熱需要

2012-11-29 01:52:03
翼が折れたきたきつね @northfox_wind

北海道でも結構発電は無いですが熱供給で熱導管(地域熱供給)の事例はありますが、現状はうまくいっていない例も多いようです(北海道に住んでいてちょっと関わりが)、厚別の市営住宅とかが地域熱供給でした RT @sustainablezone

2012-11-29 01:55:15
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

そうですね。熱需要マップを地域で作成するなど、まちづくりの中で解決を図る必要があります。人材育成など道のりは遠いですが政治的な方向付けは重要です。@northfox_wind 基本的にまちづくりというレベルに近くなりますね、ただ欧州と違い暖房主体ではない点がやっかいな気がします

2012-11-29 01:56:47
翼が折れたきたきつね @northfox_wind

基本的には北海道や東北のような冷房より暖房需要の多いエリアが合理的だと思います。その点で東北の被災地復興では中央の病院や公共施設と一緒に熱電供給センターを作り放射状にマンション等の集約された施設に温水供給あたりが良いかとおもいます RT @sustainablezone:

2012-11-29 01:58:41
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

飯田さんは熱導管の敷設単価が日本では高いといってましたね。 RT @northfox_wind: 北海道でも結構発電は無いですが熱供給で熱導管(地域熱供給)の事例はありますが、現状はうまくいっていない例も多いようです

2012-11-29 01:58:52
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

復興計画の中では欠かせない視点ですね。@northfox_wind 基本的には北海道や東北のような冷房より暖房需要の多いエリアが合理的だと思います。

2012-11-29 02:00:17
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

倉阪研究室と環境エネルギー政策研究所の「永続地帯」研究が大分合同新聞に取り上げられました。年末には確報版を公表すべく作業を進めています。http://t.co/2y0VkRp8

2012-11-29 02:12:56