大阪府の総繊維濃度1.8本/リットルは一般環境中にも存在するレベル。アスベストのものさし

世界保健機関(WHO)の「環境保健クライテリア」では「世界の都市部の一般環境中の石綿濃度は1本~10本/リットル程度でありこの程度であれば、健康リスクは検出できないほど低い」とされています。
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大阪府の積替施設で総繊維濃度1.8本/リットル

http://www.pref.osaka.jp/shigenjunkan/haikibutukouikishori/tumikae_shiken.html
※総繊維数とは、長さ5マイクロメートル以上、幅3マイクロメートル未満で、かつ、長さと幅の比が3対1以上の繊維状物質を計数したもので、アスベスト以外の繊維も含んでいます。

仮に総繊維濃度=アスベスト濃度だったとしても、一般環境中にも存在するレベル

※大阪府の積替施設での数値は総繊維濃度であり、他はすべてアスベスト濃度です。アスベスト濃度が総繊維濃度を超えることはありません。

1000.00本/リットル ← この環境下で25年間働いた場合に肺がん発症リスクが2倍
  10.00本/リットル ← 環境省が設定している敷地境界基準値
   2.04本/リットル ← 平成21年度・静岡県の一般環境中での最大濃度
   1.80本/リットル ← 大阪府の積替施設
   1.45本/リットル ← 昭和61年度・江東区の一般環境中
   0.58本/リットル ← 平成18年度・長野県の一般環境中での最大濃度
   0.34本/リットル ← 平成22年度・長野県の一般環境中での最大濃度
   0.22本/リットル ← 平成21年度・さいたま市の一般環境中での最大濃度

総繊維とアスベストの関係

総繊維=有機質繊維+アスベスト+アスベスト以外の無機質繊維

http://www.city.sendai.jp/kankyo/1202076_2476.html

  • 総繊維数:光学顕微鏡により木質等の有機質繊維とアスベストなどの無機質繊維をすべて計数したもの。
  • 無機質総繊維数:燃焼灰化させ有機質繊維を除いた後、光学顕微鏡により無機質繊維(アスベスト他)をすべて計数したもの
  • アスベスト繊維数:電子顕微鏡によりアスベスト繊維を計数したもの

総繊維に対するアスベストの比率

http://www.city.sendai.jp/kankyo/__icsFiles/afieldfile/2012/08/30/1208.pdf
場所によっても異なりますが、アスベストは最大でも総繊維の2割以下のようです。

一例として
総繊維濃度1.4 → アスベスト濃度0.21
総繊維濃度1.1 → アスベスト濃度0.10

Q&A

基準値の4倍だと言われているけど?

どうやら「通常値の4倍」が「基準値の4倍」と誤って広まっているようです。
清掃工場や一般施設に関する基準値は定められていませんが、排出施設における基準値は10本/リットルであり、これを大きく下回っています。

詳しい分析が終わるまで試験焼却をやめるべきではないの?

いいえ。詳しい分析を行うことで総繊維のうちどれだけがアスベストであるかが判明しますが、総繊維濃度の中にはアスベストも含まれており、アスベスト濃度が総繊維濃度を超えることはありません。
総繊維濃度で検出されたものがすべてアスベストという一番悪いケースと仮定しても、基準値を大幅に下回っており、高めの部類とはいえ一般環境中にも存在するレベルです。

災害廃棄物のアスベスト対策はどうしてるの?

手作業で除去をしているそうです。

http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/kanri/haiki/kumiai/oshirase/documents/juumin-setsumeikai.pdf
有害物(アスベスト等)、危険物の除去
「仮置場と廃棄物選別処理施設の両方において手作業により実施」

もっと詳しいことはこちらでどうぞ

まとめ 世田谷清掃工場のアスベスト0.64本/リットルは一般環境中にも存在するレベル アスベストのものさしを作るはめになるとは思いませんでした。 世界保健機関(WHO)の「環境保健クライテリア」では「世界の都市部の一般環境中の石綿濃度は1本~10本/リットル程度でありこの程度であれば、健康リスクは検出できないほど低い」とされています。 6164 pv 47