キュリオシティがした驚くべき発見、に大騒ぎした人のまとめ。

騒ぎの発端ともいえるインタビュー記事です。
http://kosu.org/2012/11/big-news-from-mars-rover-scientists-mum-for-now/
この中でキュリオシティの主任科学者である、John Grotzinger氏が"This data is gonna be one for the history books"と語ったことから、一体何を見つけたのか、その真相をめぐり宇宙ファンがザワザワし始めます。

火星探査車キュリオシティ「何か驚くべきもの」を発見か！？
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_21/curiosity-odorokubeki-mono-hakken/
かなり大雑把ですが上の記事の日本語要約です。

その後、同上記事が拡散されます。
例えば
http://www.msnbc.msn.com/id/49904984/ns/technology_and_science-space/#.ULsGhJOLIcg (MSNBC)とか、 http://www.huffingtonpost.com/2012/11/20/mars-rover-curiosity-discovery_n_2167207.html (Huff. Post)とか。
ただ、これは、インタビュー記事をそのまま伝言してるだけで、だからなんだというものでも無いですが。

日本語で書かれた記事でもっとも冷静な見解だったものは次のものだと思います。
火星の土に有機物か：「歴史的な分析結果」発表へ(Wired.jp) http://wired.jp/2012/11/22/curiosity-historic-news-organics/

驚くべきものが検出されたのはキュリオシティ搭載のSAMという分析装置です。
ちなみにSAMとは一体何か？
火星探査機キュリオシティー：科学観測装置(寺門和夫ブログ)　http://blog.scienceweb.jp/?eid=148526

つまり、有機物を分析する装置で何かが発見されたということです。

キュリオシティ最大の目的は、生命の痕跡を見つけることにあります。生命の痕跡は有機物という形で見つかるだろうと期待されています。
SAMが何かを見つけたとあっては...盛り上がりますよね(盛り上がりませんか？)。

まずいと思ったのでしょうか、NASAが、異例ともいえる、否定的コメントを出します。
火星探査で重大発表？うわさ拡大…ＮＡＳＡ否定(読売オンライン)　http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121127-OYT1T00804.htm

しかし拡散は止まりません(なんだか徐々にタイトルも過激になってるような)。
Life on Mars? Curiosity rover stirs excitement(The Telegraph)　http://www.dailytelegraph.com.au/technology/sci-tech/life-on-mars-curiosity-rover-stirs-speculation/story-fn5h1ywy-1226521216899
‘Historic’ Mars discovery may be clues to life (Skymania News) http://www.skymania.com/wp/2012/11/historic-mars-discovery-may-be-clues-to-life.html/7206/
Life on Mars? NASA Teases 'Historic' Discovery by Curiosity (PC magazine) http://www.pcmag.com/article2/0,2817,2412380,00.asp
最後のなんて、内容がアレもコレも書いてて、もう何がなんだか。

自分が把握するだけでも。こんな感じで大発見(？)を伝えるページが日に何十件も投稿されてました。
そして、ついにキュリオシティ公式アカウントから「おまえら落ち着け」つぶやきが。

ところが、nasaupdatecenter.usというところがJPL(NASAの惑星探査計画を担う関係機関)そっくりのニセページを作り、そこで、プラスチックビーズを発見したと言うから、もっぺん大騒ぎに。(現在そのページは消されてありません)

速攻、偽物であることの注意喚起もなされました。

しかし見事に騙されましたよ、私は。

↑偽だと気が付き、それまでした関連つぶやきを削除したものです。

↑偽サイトにはキュリオシティがいるはずのない(オポチュニティがいる）場所での発見だと書いてあったんです。

その偽サイトが閉鎖した顛末を伝えるサイトです。サイト制作者がぶち込まれたくなかった、とインタビューに答えています(また、偽サイトに何が載っていたか、断片的にですが、わかると思います)。
Plastic beads on Mars: The short life of a NASA spoof site (COSMIC LOG) http://cosmiclog.nbcnews.com/_news/2012/11/30/15575429-plastic-beads-on-mars-the-short-life-of-a-nasa-spoof-site
(こんなウソっぽい写真使ってたんですね。一報を携帯の小さな画面で確認したので、全く気が付きませんでした(←いいわけです。はい))

ちなみに、現在の偽サイト跡地です。
http://nasaupdatecenter.us/
ふざけてますねぇ...ｗ

まぁともかく、本件に関しては、米国太平洋時間12月2日12:00よりパブリックレクチャーが、また、同12月3日にも記者会見があるようです。

ちなみに、私は生命の痕跡などでなくても、火星で有機物が発見されればそれは大きな発見だと思っております。