河添誠さん(首都圏青年ユニオン書記長)に聞く、ユニオンの意義

首都圏青年ユニオン(http://www.seinen-u.org/)の河添誠さんに授業で伺ったお話の簡略なまとめ。
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上西充子 @mu0283

今日は首都圏青年ユニオンの河添誠さん@kawazoemakotoに学部の授業に来ていただいた。風邪で不調の中、ありがとうございました。以下、簡単に振り返り(自分なりに咀嚼してまとめています。河添さんの発言そのままではありません)。

2012-12-06 23:32:47
上西充子 @mu0283

河添1:「『燃料のように働かされた』という長時間労働の末に欝に追い込まれたSHOP99の男性。なぜこんなことがおきるか。企業が残業に対して割増賃金をきちんと支払うなら、もう1人雇った方が合理的。しかし、残業代を払わずに長時間労働させている」

2012-12-06 23:32:58
上西充子 @mu0283

河添2:「それによって疲れ果てた社員が離職しても、正社員の求人を出せば人が来る。労働市場が荒れている。非正規の労働条件がひどいために、正社員は非正規にならないように今の仕事にしがみつこうとする。非正規と正規の労働問題はコインの裏表。」

2012-12-06 23:33:08
上西充子 @mu0283

河添3:「憲法第28条(勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。)によって、労働組合には独自の権利が与えられている。労働組合による団体交渉の申し入れを、会社側は拒むことができない。」

2012-12-06 23:33:17
上西充子 @mu0283

河添4:「会社に組合がなくても、1人で地域ユニオンに加入し、その地域ユニオンから団体交渉を申し入れれば、相手を交渉のテーブルにつかせることができる。このように特別な権利が労働者に与えられていることによって、はじめて労使は対等になることができる。」

2012-12-06 23:33:28
上西充子 @mu0283

河添5:「首都圏青年ユニオンでは、まず電話で相談を受け付け、事務所に来てもらい、組合に加入してもらう。そして、ひな形を参考にして本人に要求書などを作ってもらい、自分で会社にFAXと郵送で団体交渉の申し入れをしてもらう。」

2012-12-06 23:33:39
上西充子 @mu0283

河添6:「そういう行動を通じて、『自分でやる』という決意を固めてもらう。『あなた』が権利を主張する。それをユニオンが応援する。ユニオンが『あなた』の代理として戦うのではない。」(実際の交渉場面のDVDも見せていただいた)

2012-12-06 23:33:49
上西充子 @mu0283

河添7:「団体交渉が決まれば、組合員にメーリングリストで知らせる。組合員有志が集まり、共に団体交渉に参加する。団体交渉終了後は、道端で結果を共有する(経済的に厳しい人もいるため)。応援に来た人には交通費実費を支払う。結果はメーリスに流す。」

2012-12-06 23:34:00
上西充子 @mu0283

河添8:「私たちがやっているのは、そのような参加型の団体交渉。嫌な目にあっても何もせずに、あきらめている人がほとんど。でも、きちんと権利を主張してほしい。法律違反ならほとんどは何らかの解決に至る。あきらめないでいいんだという成功体験を積み重ねてほしい。」

2012-12-06 23:34:10
上西充子 @mu0283

河添9:「首都圏青年ユニオンは大きな組合ではない。なぜ小さくても闘えるか。それは労働組合という形態をとっているから。憲法で保障された労働組合の権利をどれだけ活用できるかが、私たちに問われている。」

2012-12-06 23:34:19
上西充子 @mu0283

河添10:「労働問題は労働基準監督署(労基署)に行けばいいと考える人もいる。けれども、労基署は、労働基準法(労基法)に基づく対応しかできない。労基法は最低基準しか定めていない。例えば突然の解雇に対し、30日分の給与を支払わせることはできるが、それ以上はできない」

2012-12-06 23:34:31
上西充子 @mu0283

河添11:「また、労基署に行くと『相談ですか?』と言われる。相談に行くと相談だけで終わってしまう。労基署に動いてほしければ、証拠を揃えて『申告』に行かなければいけない。労基署には十分な人員配置がされていないので、『相談』に振り分けられてしまいがちな現実がある。」

2012-12-06 23:34:40
上西充子 @mu0283

河添12:「つまり、解決を求めて労基署に行くなら、利用の仕方を知っている必要がある。ユニオンは労基署の使い方を知っている。」

2012-12-06 23:34:51
上西充子 @mu0283

河添13:「憲法第27条<すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。>、勤労の義務に注目があつまりがち。しかし、私たちには勤労の権利がある。それはパワハラやセクハラや、死に至る長時間労働の中で働く権利ではない。まともな仕事を求める権利が私たちにはある。」

2012-12-06 23:35:00
上西充子 @mu0283

河添14:「既存の労働組合は残念ながら自分たちの雇用を守るために非正規労働者の雇用を犠牲にしがち。そのため、正社員の労働組合は非正規労働者とは対立しやすい。既存の労働組合の残念なところ。」

2012-12-06 23:35:10
上西充子 @mu0283

河添15:「首都圏青年ユニオンの運営資金は組合費とカンパ。ユニオンに加盟して問題解決に至った人も、7割ほどは、解決後も残る。残って、他の人の応援に回る。その人にとって残ることにメリットがあれば、ユニオンの活動に参加し続ける。」

2012-12-06 23:35:19
上西充子 @mu0283

河添16:「一定期間後にユニオンを去る人もいる。組合員は流動してもいいと考えている。辞めていく人がいても、それを上回る形で組織化ができればいい。あきらめない体験をした人が世の中に増えていくといいと考えている。」

2012-12-06 23:35:28
上西充子 @mu0283

河添17:(私が一番印象に残ったのは、この部分だった。個々人の個別の労働問題を解決に導くだけがユニオンの存在意義ではない。あきらめずに権利を主張できる場、あきらめないでよかったという経験ができる場としてのユニオン、それを常に開いていこうとされていた。)

2012-12-06 23:35:38

↓ 下記について、一言補足。
 残業代不払いなど、違法な働き方に支えられた低価格であれば、その働く現場からユニオンなどを通じて働き方の改善に動いていくことは当然できること。
 以下は、「自分たちが普段使っている商品・サービスが、低賃金・過重労働に支えられて提供されている。そのことに対して、私たちができることは」という学生の問いに対する返答としてお読みください。

上西充子 @mu0283

河添18:(学生から質問。低賃金にもとづく低価格競争にはどうやったら歯止めがかかるのか)「消費者のニーズにあわせていくと、賃金は落ちていくだけ。死ぬまで働け、になってしまう。だから、違う論理を入れていくしかない。<底>を作る。」

2012-12-06 23:35:49
上西充子 @mu0283

河添19:「<底>の作り方はいろいろ。過労死防止基本法。労働時間の上限規制。EUの連続休息時間(11時間)。最低賃金の引き上げ、等々。それらは社会運動を通じて実現していくもの」

2012-12-06 23:36:08
上西充子 @mu0283

河添20:(ということで、選挙には行こう!と私がまとめ。河添さんからは、関心のある方はぜひ、ユニオンの活動に参加してほしい、と呼びかけ。以上。)

2012-12-06 23:36:51