日本国憲法改正には限界がある
憲法制定権力は、憲法が成立する前から存在し、そのままでは、無限定な力を持つ。それを持つのは、国民主権の下においては国民。
2012-12-10 20:35:21近代立憲主義の下では、憲法は、主権者が、国の在り方や権利、義務を定め、定めることを通じて、国家や権力の限界を画する機能を持つ。
2012-12-10 20:39:12国民が持つ憲法制定権力が、憲法制定を通じ、そのような存在としての憲法を確定することで、無限定な存在だったものが、憲法、という枠の中に、自らを封じ込めることになる。もはや、無限定な存在ではなくなる。
2012-12-10 20:42:13日本国憲法も、そういう存在だから、その基本原理である、国民主権や、基本的人権の尊重、といったものは、改変できない。基本的人権は、日本国憲法においては、憲法以前から存在するもので、憲法制定権力により、それが確認され憲法で定められたものだから、その本質に反する憲法改正はできない。
2012-12-10 20:46:48本質を変えるとすれば、改正、という連続性は途切れざるを得ず、革命によるしかない。明治憲法と日本国憲法の非連続性は、八月革命説で説明されている。ポツダム宣言受諾を契機に、一種の革命が起きたと捉える。
2012-12-10 20:51:10そういう意味で憲法改正には限界がある。その限界を超えることは改正ではなく革命であり、現行の日本国の憲法秩序を根本から否定することになる。国会での憲法改正は、あくまで限界内でしかできないから、限界を超える改正は、国会ではできない。日本国憲法の改正手続ではできない、ということになる。
2012-12-10 21:01:35例えば、権利は、国が決めた範囲内で行使できる、といった改正は、日本国憲法の本質には反するから、改正の限界を超えるだろう。明治憲法には、法律の留保、という定めがあったから、多分、そういう改正を目論んでいる人の発想は、明治憲法の影響を受けているのではないかと思われる。
2012-12-10 21:04:08芦部先生が御存命なら、こういったことを、特に、「直弟子」のような人たちには、もっと精緻に、みっちりと言って聞かせるんじゃないかな。憲法改正の限界を超えた改正を企むような直弟子は、破門、絶縁になるだろう。芦部説の基本には、日本国憲法の基本原理に対する強い支持、信頼がある。
2012-12-10 21:06:46それは、日本国憲法が、近代立憲主義の系譜に連なる、世界的にも正当とみなされ、多くの国でも支持されている考え方に立脚しているからで、占領下で制定された、という点を割り引いても、強い正当性を持っていることによるからだと思う。
2012-12-10 21:09:32占領下で制定されたことや、押し付けられた、といった議論が、占領が終わった後、ずっと今日まで存在するにもかかわらず、それが大きなものにならなかったのは、日本国憲法が持つ、そういった強い正当性によるものだろう。
2012-12-10 21:10:46もちろん、日本国憲法も、改正すべき点はあるだろうし、そういう議論を活発に展開することも必要。ただ、それが持つ強い正当性をどこまで否定できるか、ということは、考えるべきだし、改正に限界がある、ということも、床屋談義ならともかく、国政に携わるような政治家であればわきまえるべき。
2012-12-10 21:13:15片山さつきが、芦部先生の直弟子ではないようだ、仮に弟子としても(そうじゃないと思うが)不肖の弟子のようだ、ということが、徐々にわかってもらえてきたかな?笑
2012-12-10 22:33:35昔、よく勉強したことは、年とってきても覚えているものだな。もう、こんなに、しがない弁護士なのにな。
2012-12-10 23:54:33第九章 改正
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
○2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
- 日本国憲法(昭和二十一年十一月三日憲法)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html
- 日本国憲法改正草案 Q&A 自由民主党
http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf
それに国民投票法では投票者の過半数で決まります。国民の過半数ではありません。@sicilian_: @KazuhiroSoda ですから、とてもではないですがあの改憲案に過半数もの国民が賛成するとは思えないんですよ。そこは日本人を信頼してもいいかと。
2012-12-15 22:32:54そういうテクニカルな問題ではないんです。国民の基本的人権を骨抜きにしようとする政党に政治を任せるのか?という問題。@shrimpchocolate 国民投票時に改正案が複数あれば、一つが過半数を得るのは物理的に難しくなります。 @tobigeri200 @KazuhiroSoda
2012-12-15 23:25:46憲法改正のための国民投票の流れ
7.開票
憲法改正案に対する賛成の投票の数が投票総数(賛成の投票の数および反対の投票の数を合計した数)の2分の1を超えた場合は、国民の承認があったものとなり、内閣総理大臣は直ちに憲法改正の公布のための手続きを執ります
- 「国民投票法」って何だろう?:政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200802/3.html