2012年ベストセラーに見る~yomitainaさんの「広報と販売」

yomitainaさんの朝の連続ツイート。後学のために。キャベツお代わり自由といえば、和幸か鳥貴族。
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Hiroshi Tanaka @yomitaina

年も押し迫ってきて、各種年間ランキングが話題です。大手取次のトーハン、日販、オンライン書店のアマゾン、電子書籍書店のBookLive!が発表したベストセラーをまとめて見ました。ちょっと長い雑感。 http://t.co/EKMmsmvw http://t.co/GEaDi8Yn

2012-12-11 07:27:04
Hiroshi Tanaka @yomitaina

トーハン、日販のランキングは日本の書籍需要の全体像と見ていいと思いますが、新書、文芸、実用書、コミックなどがバランスよくランクインしています。2社の違いも少ない。経年で見ていくと面白い視点があると思いますが、ここでは触れません。むしろ他2店との比較基準として面白い。

2012-12-11 07:29:18
Hiroshi Tanaka @yomitaina

おそらくアマゾン、BookLive!は実売数なのに対して、トーハン、日販のランキングは委託販売における流通量なのか実売数の推測値なのか発表ページでは定義が明らかでありませんが、ひとまず同じ物として比較してみました。またBookLive!も全体のランキングではないので注意。

2012-12-11 07:30:17
Hiroshi Tanaka @yomitaina

アマゾンは紀伊國屋書店を抜いて国内最大の書店で、ざっくり言うと市場の1割を握っています。しかし、そのランキングはトーハン、日販と大きく異なっています。今年日本で最も売れた本『聞く力』は、アマゾンの総合ランキングでは50位内にも入りません。『舟を編む』は47位です。

2012-12-11 07:30:49
Hiroshi Tanaka @yomitaina

アマゾンはAISASのサーチとアクションに特化した商店であるが故に経営効率性が高いとは、以前から書いてきました。ユーザーからすれば、目的買いをするには便利なサービスです。では、アマゾンで購入するユーザーのアテンションとインタレストはどこで発生しているのでしょうか。

2012-12-11 07:31:18
Hiroshi Tanaka @yomitaina

1位「DVD付 樫木式カーヴィーダンスで部分やせ!」(学研)2位「DVDで完璧にわかる! 美木良介のロングブレスダイエット 必やせ最強ブレスプログラム」(徳間書店)の人気はどこで広がって行ったのか、版元さんにインタビューしたくなる。テレビ?新聞?女性誌?ブログのアフィリエイト?

2012-12-11 07:33:44
Hiroshi Tanaka @yomitaina

参考に文芸書のランキングを見てみます。『舟を編む』の書影に全国の書店員さんが頑張って盛り上げた「本屋大賞第1位!!」の文字が躍っています(通常アマゾンの書影は帯なしではなかったでしたっけ?) 芥川賞の『共喰い 』や東野さんの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は日販の文芸で4位5位とまあ妥当。

2012-12-11 07:34:59
Hiroshi Tanaka @yomitaina

では、日販で文芸10位内に名前のない『海賊とよばれた男』をここまで押し上げた要因は何でしょうか? Googleトレンドで11月に検索が盛り上がっているけど、何だろう? 6位の『ピンクとグレー』、8位の『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1 』は?

2012-12-11 07:35:56
Hiroshi Tanaka @yomitaina

個人的にはテレビからの流入による瞬間的需要と、ブログ等で語りたくなる商品がアフィリエイトで持ち上がっていく様子に興味があります。ネットでの話題の書はどうやって生まれるのかは気になりますが、時間も無いので電子書籍書店のBookLive!に行きましょう。

2012-12-11 07:36:26
Hiroshi Tanaka @yomitaina

BookLive!のランキングはとてもわかり安い。1位の『カンピオーネ!』は夏にアニメ化されたうえに第1巻は0円。2位『のぼうの城』3位『のぼうの城』は映画が大ヒット!4位『スティーブ・ジョブズ』は昨年末から電子書籍化がの話題の書で、早い時期から部数を積み上げたのでは?

2012-12-11 07:38:10
Hiroshi Tanaka @yomitaina

つまり現時点での売れ行きは完全に外部要因が大きくリアル書店のような棚づくりによる提案が効きにくいことを示しています。電子書籍書店は販売の仕掛けが課題で在庫を置いておけば売れる時代では無くなったということは、夏のブックフェアの講演ででブックウォーカーの方も述べていらしたことです。

2012-12-11 07:39:57
Hiroshi Tanaka @yomitaina

今後、電子書籍書店が課題を克服する画期的なアイデアを見つけるのか、課題として残り続けるのか。店舗内プロモーションが効かない以上、値段を下げての販売促進をしても明るい未来があるのでしょうか? 電子書店、ならびに出版社が外部のプロモーションに費用を使うことが合理的に見えます。

2012-12-11 07:42:41
Hiroshi Tanaka @yomitaina

私は本の価格弾力性に懐疑的です。また、本はキャベツではありません。今日のおかずがコロッケでお皿にキャベツを添えたいお客さんは、1円でも安いスーパーで買うでしょう。しかし本は、まさにこの形、この色合いのキャベツに惚れ込んで買うようなものです(すみません、キャベツ好きなもので)。

2012-12-11 07:45:17
Hiroshi Tanaka @yomitaina

各出版社において電子書籍部門はまだ赤字かわずかな売上しかありません。そこへさらにプロモーション費用をかけろというのか? しかし、紙の書籍、電子書籍を一緒にしたインターネット上のプロモーションにもっと費用を投じるべきだ、という意見であれば受け入れやすいと思います。

2012-12-11 07:46:44
Hiroshi Tanaka @yomitaina

なぜなら、そうせざるを得ない事情があるからです。2010年 国民生活時間調査 報告書 - NHKオンライン http://t.co/b5JX4p4w P17をみてください。

2012-12-11 07:47:24
Hiroshi Tanaka @yomitaina

95年には30代になれば男女ともに5割以上の人は新聞を読んでいました。しかし、2010年には何とか2割に踏みとどまっている状況。10代は10%を割り込み寸前。50代だって5割を切っているのです。つまり、新聞に何度広告を打っても日本人の半分以上の人には届かないということでは?

2012-12-11 07:49:12
Hiroshi Tanaka @yomitaina

加えて、書店数も減少の一途です。メーカである出版社が制作した商品は各書店で地域性や顧客の志向の動向を織り交ぜながら販売提案されてきましたが先行きは不透明です。となれば、その役割を出版社が抱え込まない限り、需要を喚起して市場拡大(維持)することは難しように思います。

2012-12-11 07:50:55
Hiroshi Tanaka @yomitaina

出版社が読者に直接リーチして需要を喚起する方法は、インターネットが効率的です。リアル書店にも、オンライン書店にも、電子書籍書店にも効くからです。ただし、その開発には時間がかかります。広告代理店に丸投げするのではなく、意図をもって、検証を繰り返しつつ、挑戦を続けるべきでしょう。

2012-12-11 07:52:43
Hiroshi Tanaka @yomitaina

ところで大手書店さんのウェブサイトは、腕利きの書店員さんを投入しているのでしょうか。ネット上でアマゾンが苦手とする提案力で棲み分けるのは悪くない方法に思えます。サイト訪問者の動向を数値で見てコンテンツの品揃えや見せ方を変えるなんて、書店のノウハウそのものではないですか。

2012-12-11 07:55:00
Hiroshi Tanaka @yomitaina

日本でお金を出して本を買ってくれる人は最大500万人という説があります。国内ユーザーが優に3000万人を超えるLINEやGREE、1100万人を超えるコカ・コーラ パークとは違います。大事にお客さんを育てていけば良いのだと思います。

2012-12-11 07:55:30
Hiroshi Tanaka @yomitaina

2010年日本の広告費(電通) http://t.co/bcdKC77R によれば出版業界の年間広告費は約900億円。この使い方を考える時期に来ているように思います。

2012-12-11 07:56:20
Hiroshi Tanaka @yomitaina

以上オシマイ。寝起きに書いたので、文章のヨタヨタはご勘弁あれ。資料:トーハン http://t.co/Fq96QBqp 日販 http://t.co/OU5GAs5q アマゾン http://t.co/Pit8Fw5i Booklive! http://t.co/nXiTQr2t

2012-12-11 07:58:12
ykd @yk_d

安いから、高いから、が購買動機になることはあるけど、必ずしも選択基準はそこだけじゃない。なんだっとそうでしょう?。興味のないものはただでもいらない。

2012-12-11 08:22:10
ykd @yk_d

人生は短く、読みたい知りたい体験したいことはたくさんある。本を買うってことは、金銭的な投資だけじゃなく、時間の投資でもあると思う。投資って言うとギャンブルっぽい?でも新しい作家に手を出すのってギャンブルみたいなもの

2012-12-11 08:25:26
ykd @yk_d

胴元、あるいはブックメーカー的に、本命から大穴まで、お客様にあらたな投資先を提案するのがこれからの書店だったりして。とか朝からわけのわからん戯言。さ、働くべ。

2012-12-11 08:28:27