冬休みのための「現代の古典」ブックガイド

「厚めの古典」「少し厚めの古典」を紹介しました。古典といっても「現代の古典」というべき、今の時点で原著で読んで意義のあるものを選びました
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シータ @Perfect_Insider

冬休みというのは、実家で親戚がらみのイベントがあることが多いが、それ以外の時間は暇で、しかしどこかへ遊びに出ていくような状況でもないことが多い。なので、そういう時間は厚めの古典を腰を据えて読む絶好のチャンス。

2012-12-13 22:43:56
シータ @Perfect_Insider

というわけで「厚めの古典」及び「少し厚めの古典」の紹介をします。ただし古典といっても「現代の古典」と呼ぶ方が適切な本を取り上げます。

2012-12-13 22:45:23
シータ @Perfect_Insider

ハーバート・ハート『法の概念』:そもそも法とは何か、法解釈とはどのようになされるのか。「法ー命令」説を批判し、法哲学における「言語論的転回」をもたらした記念碑的著作。法学徒は必読か。

2012-12-13 22:48:20
シータ @Perfect_Insider

デイヴィッド・チャーマーズ『意識する心』:「意識」とは何か、を徹底して探究した「心の哲学」の代表的著作。意識の還元主義を批判し、誰もが予想しないような着地点を導き出す、論争的な書。「意識って何だろう」と思ったことがある人は一読の価値あり

2012-12-13 22:49:18
シータ @Perfect_Insider

マイケル・ウォルツァー『正しい戦争と不正の戦争』:戦争はいつ、どのような時に正当化され得るか、そもそも正しい戦争などあるのか。膨大な事例と状況を挙げながら「戦争の正義」を考察する。

2012-12-13 22:49:50
シータ @Perfect_Insider

アーサー・C・ダント『物語としての歴史』:「歴史を語る」とはどういうことか。「過去を客観的に語ること」の不可能性を論じ、歴史哲学を転換させた「歴史の物語論」の出発点。

2012-12-13 22:50:27
シータ @Perfect_Insider

ウォルター・リップマン『世論』:メディアは何を伝え、そしてそれによって人々はどう動かされるか。第一次大戦後の混乱を分析した本だが、今なお全く色あせていない名著。

2012-12-13 22:51:29
シータ @Perfect_Insider

ひとまず「厚めの古典」はここまで。自分自身読みたい(まだ読んでない)厚めの古典としては、ローティ『哲学と自然の鏡』、アレント『人間の条件』、ベル『資本主義の文化的矛盾』、テイラー『自我の源泉』、ハーバーマス『公共性の構造転換』、デュエム『物理理論の目的と構造』等多数。。。

2012-12-13 22:54:02
シータ @Perfect_Insider

では「少し厚め=少し薄めの古典」へ。

2012-12-13 22:54:29
シータ @Perfect_Insider

ケネス・ウォルツ『国際政治の理論』:「科学としての国際関係論」を志向し、既存の国際関係論を転換させた本。それゆえ半分は社会科学論である。批判も多いが彼の議論の枠組みに学ぶべきところは多い。国際関係論を学ぶものは一度は通るべきか。

2012-12-13 22:55:25
シータ @Perfect_Insider

ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン『レトリックと人生』:認知言語学の祖。言語における「メタファー」の位置を中心まで引き上げた画期的著作。英語の例文が豊富で英語の勉強にもなったり。

2012-12-13 22:56:26
シータ @Perfect_Insider

ポール・コリアー『最底辺の10億人』:地球で最も貧しい最底辺の10億人を救うために本当に必要なことは何か。単純な援助礼賛にも、単純な市場導入にも傾かず、時に地道、時に過激に論を展開する。開発経済学や国際協力を考えるならば必読の書。

2012-12-13 22:57:29
シータ @Perfect_Insider

ローレンス・レッシグ『CODE』:ネット時代における自由と法規制はどのようにあるべきか。アーキテクチャなどの重要な考え方も生み出した、憲法学とインターネットの架橋の本。

2012-12-13 22:57:58
シータ @Perfect_Insider

フランク・ナイト『競争の倫理』:「自由競争礼賛」と「保護・規制」の間の議論で抜け落ちている「そもそも競争とは何か」という視点。シカゴ学派の祖による透徹された議論。書かれたのは古いが議論は全く色あせていない。

2012-12-13 22:58:34
シータ @Perfect_Insider

マーティン・フォン・クレフェルト『戦争の変遷』:人はなぜ戦争をするのか。これまで考えられてきた「戦争は政治の延長」という見方を排し、人類の営みにおける「戦争」のラディカルな位置づけを行う。戦史研究家による挑戦的な書。

2012-12-13 23:02:37