2012 Best Album by takapirock

アメリカンフォーク＆カントリー要素を取り入れたブリティッシュトラディショナル。と言うか、ジャンルなどどうでもいいくらい、個々の「歌」が素晴らしいんだ。一緒になって歌えたら気持ちいいだろうなあ。

中期ビートルズ的なカラフルさ＋ピンクフロイド的トリップ感＋ツェッペリン的ダイナミズム。オアシスが7枚目でできなかったことの成功例と言えそう。現代サイケデリックロックの最高峰だな。

衝動をロックとして鳴らすこと自体は難しいことではない。そこに類まれないセンスが加わると、今作のように「名盤」と呼ぶに相応しい作品が生まれることになる。

深くて広い世界感につい聴き入ってしまう。それでいて演出過剰なわけではなく、インディ要素を感じることもできる。フジロック、深夜のヘブンで聴きたい。

ドリームポップへのアンチテーゼ…なのかどうかはわからないけど、ポップでキュートなメロディと、ケビン節炸裂の"ど"サイケのマッチングが絶妙！

カサビアンにも似た怪しさを放ちつつ、彼らが放つデジロック的な音楽は誠実で美しい。それでいて麻薬的な魅力も持っている。こいつぁ危険だ。

踊れる曲から聴かせる曲まで、センスあふれるインディポップ。捨て曲などあるはずもない。恐らく、彼らには捨て曲など作りたくても作れないものなのだ。

現代だからこと作ることができる、エレクトロニック満載のサイケデリックロック。カラフルでいてトリッピー。メロディはわりかしポップでもある。

演奏的には直球ど真ん中。なんだけど、どこか変化球的な香りがするのは、チバが書く詩世界の独特さから来るものだろうか。だからこそ今作が好きなのかも。

土の匂いがするサイケデリックロック。ガレージ的なワイルドさがあるが、荒削りでなく、曲もバリエーションに富んでいて良い。