茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【自民党の圧勝で、日本は一回休みに入った】連続ツイート
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なじ(1)総選挙が終わって2日経った。周囲では、まだざわざわが収まらない。ツイッターを見ていても、あるいはいろいろな人と話しても、「なぜ、自民党は勝ったのか」という疑問が飛び交っている。私は、ニッポン放送「上柳昌彦のごごばん」でもお話ししたように、これが民意なのだと思う。
2012-12-18 07:35:13なじ(2)小選挙区制では、死に票が増える。これは確かである。一方で、私たちは、人生の中でも、一つの意志決定をするときには、さまざまな選択肢がある中で、何か一つへと託す。小選挙区における間接代表が、winner take allで決められることは原理的にしかたがない。
2012-12-18 07:36:38なじ(3)なぜ、自民党が勝ったのか。私は、一言でいえば「国家回帰」だと思う。2009年の民主党の政権交代における勝利は、いわば現状に対する「ノー」だった。霞ヶ関の文化や、マスメディアのあり方に対して、「変えよう」という雰囲気が充ちた。その勝利は、改革へのエネルギーだった。
2012-12-18 07:38:05なじ(4)それから何が起きたか。民主党の改革の試みは、頓挫した。そして、東日本大震災。人々は、自分たちの生活が、いつでも脅かされ得る、あやういものであることを感じ始めた。経済も悪く、給料も下がり続ける。そんな中、公務員は、批判の対象から、できれば就きたい職業へと変わった。
2012-12-18 07:39:40なじ(5)マスメディアに対する批判も、一段落。ツイッターやフェイスブック、ニコ生などの新しいメディアが、新聞やテレビにとって代わる存在ではなく、むしろ共存していくものだと認識され、マスメディアに対する改革圧力も弱まった。つぶやきで世界が変えられるとは、信じ切れなくなった。
2012-12-18 07:41:37なじ(6)そして、脱原発の頓挫。原発とは、一言でいえば、国家そのものである。エネルギー安全保障、そして、潜在的には軍事的な安全保障の観点から、国家は原子力を維持しようとする。それに対する脱原発の動きは、草の根から起こった本物の動きだったが、国家の壁の前に挫折しようとしている。
2012-12-18 07:43:09なじ(7)人々の「国家回帰」は、最近の日本を覆っている不安に対する自然な感情的反応だったのかもしれない。その一方で、そのような国家回帰の動きの先に、果たして国の繁栄、明るい未来があるのかどうかはわからない。グローバル化した世界における反映の方程式は、国家を超え始めている。
2012-12-18 07:44:44なじ(8)人々の改革への情熱は少し醒めてしまっている。少し古いメロディーかもしれないが、その懐かしさがかえって安心させてくれる。そのようなフェイズに、日本は今ある。この状況がどれくらい続くかはわからない。おそらく、時が巡って、再び改革への機運が増してくることもあるだろう。
2012-12-18 07:47:27なじ(9)自民党が今進めようとしている憲法改正は、改革ではなく、懐古である。自民党は、結党以来、自主憲法制定を党是としてきた。その意味では、原点に忠実であるとも言えるし、現状の改革にはエネルギーを注がないということでもある。自民党の圧勝で、日本は一回休みに入った。
2012-12-18 07:49:47