ライスのアニメ感想:#196 serial experiments lain (11)

serial experiments lainの11話感想です。 存在が変容してしまった玲音。 手からすり落ちていく現実。 明らかになった真実と無自覚な悲哀が彼女を襲う。
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テリー・ライス @terry_rice88

serial experiments lain Layer:11「Infornography」 玲音が人あらざる能力を得、ほとんど唯一の現実との繋がりだったありすの力になろうとその力を行使して、彼女の不都合を除去するが逆に恐怖されてしまうエピソード。ああ、これは辛い展開だな…。

2012-12-19 02:40:51
テリー・ライス @terry_rice88

今回は半分総集編のような感じでもあったけど、ちゃんと意味合いを持たせた断片的な過去の映像コラージュだなあと感じた。Aパート全てを費やして、玲音がNAVIの基本情報をインストールするという描写を描いていたのは面白い。実情はそうでもないんだろうがわりと余裕のある構成で作られているよな

2012-12-19 02:45:16
テリー・ライス @terry_rice88

この映像コラージュ的な演出を見て思ったことが二つ。ちゃんと意味合い持つ演出だったので、物語の終盤に向けての事前整理として極めて秀逸だと思ったのと、物語の布石として凪の状態をあえて組み込んだ事が一点。二点目はこの演出自体がDJ文化を咀嚼したよう感覚で作られていそうだなという所。

2012-12-19 02:53:28
テリー・ライス @terry_rice88

特に後者の感触としては画面コラージュって意味以上に、過去の映像を引っ張り出して、加工し、リミックスをかけたのが今回のAパートであると。インデックス型のDJ文化だからこそ、再構築して新しいものへと変化させることが可能なんだなあ。あとサブタイトルのシーンが今までのが全て出てくるも又。

2012-12-19 03:13:20
テリー・ライス @terry_rice88

氾濫する情報の中で玲音は自我を保っているがNAVIのプログラムを自身にインストールしてしまった事でもはや彼女の性質は変容しているという事かな。リアルとワイヤードの境目をなくしてしまうなんて芸当が出来てしまうのも容易いのかもしれないが力が自我を凌駕してしまっているようにも見える。

2012-12-19 07:34:31
テリー・ライス @terry_rice88

玲音自身、自分が以前の自分ではなくなっていることに無自覚な為に、いつもの通りにアリスに接しようとする事自体がかなり悲しい。玲音は必死に現実に寄り添おうとするが、彼女はもはや染まってしまったんだろう。電脳という世界に漂う唯一無二の存在かつ自律プログラムとして。無邪気といえば無邪気だ

2012-12-19 23:31:06
テリー・ライス @terry_rice88

一方、ありすの方は何回か前の回で、先生と不倫している事実を悪意のプログラムとして存在していた?レインに暴かれてしまい、玲音の防波堤は既に瓦解してしまっている。玲音が望む望まないにも拘らず、ありすにとってはワイヤードの危険な存在として「認識」されてしまったという揺るぎない事実。

2012-12-19 23:33:34
テリー・ライス @terry_rice88

ここらへんは現在のネットや社会に通じる「認識」の問題が介在しているといえるんだろうなあ。集団心理、あるいは集団意識。右向け右の同調意識の如く、大勢に認識されてしまった事実は個人の力では覆りようもないし、個人が大勢の認識に染まってしまったら、元に戻る事はもはや難しいと言えるだろう。

2012-12-19 23:36:52
テリー・ライス @terry_rice88

故にありすはいち早く?あるいは本質が変容した玲音を見て、恐怖する。認識が摩り替わってしまった今、ありすにとっての彼女は同級生の岩倉玲音じゃないのだ。自分の不都合な真実を暴く事もできるし、改ざんしてしまう事も出来るプログラム、人の造りし存在なのである。玲音の自由とはそういう自由だ。

2012-12-19 23:40:51
テリー・ライス @terry_rice88

だからこそ英利は黙って、彼女の行動を注視するのみにとどまる。彼はワイワードの神になりえようとする以前に、研究者なのである。玲音を「君はプログラムだ」というようにワイヤードの中に創造された意識。それが玲音。そして彼女は電脳を凌駕して、現実に躍り出てきた。そう、彼女にとっては非現実。

2012-12-19 23:45:52
テリー・ライス @terry_rice88

そしてその玲音にとっての非現実もどうやら造られたものらしい描写があったので、ラスト2話どのように推移するのかに注目。それ以上に玲音を心から理解しようとしてくれる存在が遂にいなくなってしまった。今回の玲音の明るい表情、その声が全く誰にも届くことのないものだと思うとやりきれないな。

2012-12-19 23:50:12
テリー・ライス @terry_rice88

種族が違う、そもそも人間ですらない、生き物ですらない。ハードウェアにたいするソフトウェアの一つに過ぎない、この玲音という存在がどこへ行き、どこへ向かうのか。その答えは多分、最終話までいっても明示はされないんだろうなあ。壮大な話でもあると同時にミクロな物語でもあるからな、lainは

2012-12-19 23:53:35
テリー・ライス @terry_rice88

自我と世界、体と心、これらが玲音の内に関係、作用する状況であればあるほど、彼女の存在感はひどく強くなっていく。それ以上に世界が彼女の意志一つで呼応していく。残念ながら今の所、その危うさには無自覚だ。ありすの拒絶でようやく気付くんだろうけど、その時には手遅れなんだろうなあ…。

2012-12-20 07:25:25
テリー・ライス @terry_rice88

というわけで、気付いた後に玲音の反応がどう来るのか。現実との繋がりを失った彼女の、プログラムでしかない悲しみを克服できるのか、またそうするにはどうすべきで、神である英利をどう打破するのか。多分、ワイヤード人格の方が黙っていないはずなので、そこら辺が注目どころなんだろうなあ。

2012-12-20 07:30:18
テリー・ライス @terry_rice88

怪物化してしまった玲音の安寧の先には何が待っているのか。残り2話をじっくり見ていきたいと思います。では今回の感想は以上。ありがとうございました。また次回です。

2012-12-20 07:31:59

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