高畑勲監督が選んだ5本の短編アニメーション。 ~監督と「ミトン」の意外な繋がり~

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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

高畑勲監督と「ミトン」は意外な繋がりが。1968年「太陽の王子 ホルスの大冒険」がタシケント映画祭に出品され、高畑監督が代表参加。見事「演出賞」受賞。モスクワでソユウズムリトの人形アニメーション撮影を見学した後、偶然町で買った8ミリフィルムが「ミトン」(機材がなく鑑賞は3年後)。

2012-12-24 22:08:40
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

2002年パリで行われた「フォーラム・ド・イマージュ(パリ市立映像フォーラム)」の企画「アニメーション・ランデヴー」に招待された高畑監督。招待者が好きな作品、影響を受けた作品、見せたい作品を自由に選んで上映・紹介する興味深い企画。高畑監督が選んだ作品は5本の短編アニメーション。

2012-12-24 22:13:09
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

1本目は政岡憲三の脚色・演出・撮影による「くもとちゅうりっぷ」(1943年)http://t.co/6uLaMwJG 日本アニメーション史上の金字塔。弟子の森康二氏らが東映動画で創始した情緒あふれる繊細な芝居の源流。宮崎駿監督も「自分は政岡から東映の流れの中にいる」と。

2012-12-24 22:23:56
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

2本目が高畑監督が心から敬愛するポール・グリモー監督「避雷針泥棒」(1944年) http://t.co/O15Uvs8P 縦の構図、俯瞰で続く屋根上のアクション、「やぶにらみの暴君」(1952年)のコウモリ警官の原型も。監督曰く「大好きな傑作」(2007年「漫画映画の志」)。

2012-12-24 22:33:38
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

3本目がジュリオ・ジャンニーニとエマニュエル・ラザッティ監督「泥棒かささぎ」(1964年)。同名のロッシーニ作曲のオペラをカラフルで平面的な切り紙で、ユーモラスな鳥たちVS人間の闘争に。同じイタリアの巨匠フェリーニ監督も魅了されたとか。 http://t.co/Je4Jq7Xm

2012-12-24 23:16:52
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

4本目はフレデリック・バック監督「クラック!」(1981年)http://t.co/esgGceJC 米滞在中「ジャンヌ・モローの思春期」(79年)の併映で鑑賞して衝撃を受け、宮崎監督と二人で再観。感激の余り帰路は嘆息。「となりの山田くん」以来水彩画調技法を追求する根拠に。

2012-12-24 23:19:37
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

5本目がソユウズのエドゥアールド・ナザーロフ監督の代表作「犬が住んでいました」(1982年)http://t.co/9uR9Co0S 老犬の何とも言えない表情の切なさ。ロシアの民族性香る傑作。独特のマットで鮮やかな色使い。ナザーロフは声優としても出演。

2012-12-24 23:29:38
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

6本目が言わずと知れたユーリ・ノルシュテイン監督の傑作「霧につつまれたハリネズミ」(1975年)http://t.co/f6NwbQgy 日本初上映は高畑監督の「セロ弾きのゴーシュ」(82年1月23日)完成披露上映会(アニドウ主催/於日仏会館)の併映だった筈。

2012-12-24 23:35:48
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

そして、7本目が「ミトン」だったというお話…って、あれっ5本じゃありませんね。確かに「5本」と記されていますが。出典は、高畑勲「三本の母と子の絆ーカチャーノフを讃えて」(03年「ミトン フィルムブック」掲載)。 ともあれ、7本の名作で楽しいイブをお過ごし頂ければ幸いです。

2012-12-24 23:40:05