原子力規制委員会の「住民の健康管理のあり方に関する検討チーム」第 4 回会合まとめの問題点

原子力規制委員会が開催している「東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方に関する検討チーム 第 4 回会合」の 「これまでの議論の整理案」 について、牧野淳一郎教授が問題点を指摘したツイートです。 WHOのチェルノブイリ健康被害レポートの問題点については、ツイートにもあるとおり岩波の「科学」1月号に寄稿されている記事に詳しく論考があります。 関連まとめ 続きを読む
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Jun Makino @jun_makino

「東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方に関する検討チーム 第 4 回会合」 http://t.co/EAr9lkIh 「これまでの議論の整理案」

2012-12-29 18:00:23
Jun Makino @jun_makino

典型的な問題点はこの辺かな?

2012-12-29 18:00:25
Jun Makino @jun_makino

引用 : 福島県、あるいは県内の特定の地域において、他の要因による発がんの影響を超えて、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明するほどの被ばく線量は確認されていない。

2012-12-29 18:00:28
Jun Makino @jun_makino

まあこれは嘘ではないかもしれないけど、「明らかな増加を証明」できるかどうかは調べ方にもよる。

2012-12-29 18:00:30
Jun Makino @jun_makino

引用 : WHO ならびに UNSCEAR の報告( WHO : 2006 , UNSCEAR : 2008 )では、チェルノブイリ事故では小児甲状腺がん以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンスはないと結論付けられており、これが現在の世界的なコンセンサスである。

2012-12-29 18:00:32
Jun Makino @jun_makino

これについては「科学」 1 月号と、来月でる 2 月号に詳しく書いたのでそっち読んでね。以下簡単にまとめ。

2012-12-29 18:00:34
Jun Makino @jun_makino

WHO レポートの問題点は主に 2 つ。一つは、チェルノブイリでの小児甲状腺がん以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンスの中には統計的に十分有意なものもいくつもあるが、それらは「他の要因のせいかも」と特に具体的な根拠はあげずに述べていること。

2012-12-29 18:00:36
Jun Makino @jun_makino

もう一つは、チェルノブイリでの小児甲状腺がん以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンスを無視する理由として、 LSS 調査と整合的でない ( 被曝量に対して病気の増加が多すぎる ) ことをあげていること。

2012-12-29 18:00:38
Jun Makino @jun_makino

チェルノブイリの小児甲状腺がんの増加も LSS 調査からの予測とは整合的でないので、これは根拠にならないと考えるべき。逆に、チェルノブイリでの小児甲状腺がん以外のものの増加は小児甲状腺がんの増加と整合的になっている。

2012-12-29 18:00:40
Jun Makino @jun_makino

まあ、これは、 LSS 調査から出したリスク係数は過小評価である、ということになるわけで、そんなことを認めたくない気持ちはわかる。

2012-12-29 18:00:42