で、これの関連まとめとして挙げられているのがこれ(私にはなぜ関連まとめとしてこれを挙げているのかよくわかりませんが)↓
とりあえず検討するのはこのあたりのツイートということで。 https://t.co/1YlaHuJS https://t.co/o9JvwGjK https://t.co/rOsdyfmf https://t.co/sWrcvAcI
2013-01-04 15:36:08(引用)「チェルノブイリでの小児甲状腺がん以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンスの中には統計的に十分有意なものもいくつもあるが、それらは『他の要因のせいかも』と特に具体的な根拠はあげずに述べていること。」
2013-01-04 15:36:22まず、「有意」=「因果関係がある」ではないよな。チェルノブイリの場合、被災者のストレスも無視できない要因としてある。例えばこれを参照→http://t.co/lYpFxkGT 。
2013-01-04 15:36:38例えば、普通に考えれば循環器疾患などのリスク増加は飲酒や喫煙の増加と相関するだろうし、そういった交絡要因を考慮することなく、それらのリスク増加と被曝量の間に有意な相関があったとしても、それは疑似相関である蓋然性が高いわけで。
2013-01-04 15:37:00で、あえてそういった「疫学研究上わかりきった諸々の前提」は(前提を共有している)有識者の間での議論で取り上げられるまでもない、ということも考えられるわけだ。http://t.co/oAltTVSN まあ、不親切といえば不親切だけど。
2013-01-04 15:37:17で、それを突っ込んだら「これらの前提については既に散々議論しました」という返答が返ってきたら牧野さん達はどういったりアクションをするのかも興味深かったりするが、それは話の本筋とはあまり関係がないのでこれ以上言及はしない。
2013-01-04 15:37:37(引用)「チェルノブイリの小児甲状腺がんの増加も LSS 調査からの予測とは整合的でないので、これは根拠にならないと考えるべき。逆に、チェルノブイリでの小児甲状腺がん以外のものの増加は小児甲状腺がんの増加と整合的になっている。」
2013-01-04 15:37:50(引用) まあ、これは、 LSS 調査から出したリスク係数は過小評価である、ということになるわけで、そんなことを認めたくない気持ちはわかる。
2013-01-04 15:38:05LSS研究に基づく甲状腺癌を含む甲状腺疾患の発生と被曝との関連についてのJAMAに掲載されたImaizumiらの論文http://t.co/Tq8G0kSB
2013-01-04 15:38:20この論文で得られている甲状腺癌のEOR(Excess odds ratio)は1.95/Sv(95%CI=0.67-4.92)、つまり1Svの被曝で大体3倍くらい甲状腺癌が被曝時年齢0(胎児含む)~30歳の集団で55~58年間で増えている、ということ。
2013-01-04 15:38:38有名なものだが、チェルノブイリの小児甲状腺癌に関するCardisらの研究 http://t.co/fdvBHYcM こちらについてはhttp://t.co/4DDAcMpmでも議論されている。
2013-01-04 15:38:51ここでの1GyあたりのORはモデルの置き方にもよるけど、5~8、95%CIでいうと2~17くらいのところに収まる。JAMA論文はEOR(過剰オッズ比)なので、JAMA論文のEOR値+1がこちらのORに対応する。
2013-01-04 15:39:08まず研究デザインはいずれも症例対照研究(なので相対リスクや絶対リスクではなくオッズ比が出てくる)、コホート研究よりエビデンスレベルが低いのは著者も承知だが、そもそもの症例数がコホート研究で扱うには少なすぎ、という問題があるので症例対照研究を選択したわけだ。
2013-01-04 15:39:32そのため、マッチングに注意を払い、調整項としてダミー変数を用いたり(JAMA)、条件付ロジスティック回帰を用いて(JNCI)、可能な限りバイアスを除くようにしている。なので、得られたオッズ比はコホート研究で得られる相対リスクに対してそこそこよい近似になっていると考えられる。
2013-01-04 15:39:52勿論、JAMAの論文にもデータ取得時期が被爆後長期間の後であるということに起因する問題をはじめ、突っ込みどころはあるが、それがリスクの過小見積もりにつながることはあっても過大見積もりにはならないだろう。
2013-01-04 15:40:04いずれにしても業界のトップジャーナルなのでStatistical reviewも含めた査読は厳密だし(勿論だからといって額面通りに信じてよいというわけではない)、まあ質の低いコホート研究よりはよほどエビデンスレベルとしては高いだろう。
2013-01-04 15:40:15で、JAMAの方は被爆後約50数年時点でのオッズ比増加を見ていて、JNCIの方はチェルノブイリ事故発生後の12年後くらいの時点でのオッズ比増加を見ている。
2013-01-04 15:40:30オッズ比≒相対リスクであることを考えれば、http://t.co/TsvU7DgP のFig.2から見られるように JNCIの方が1.5~2倍くらい高くなるのは到達年齢の差から考えて妥当。
2013-01-04 15:40:41大体JAMAのORが3くらい、JNCIのORが5~8くらい、しかもこの時点で95%CIがかぶっている、ということを考えれば、両者の結果は整合的であると言えるわけだ。
2013-01-04 15:41:00はて、 「LSS 調査から出したリスク係数は過小評価である」とか、「チェルノブイリの小児甲状腺がんの増加も LSS 調査からの予測とは整合的でないので、これは根拠にならないと考えるべき」とかはどういった根拠でその主張は可能になるんだろうか?
2013-01-04 15:41:14