欧米人が沈黙するとき 異文化間のコミュニケーションにみるコミュニケーションギャップ

『欧米人が沈黙するとき 異文化間のコミュニケーション』にみるコミュニケーションギャップをまとめました。
by mototchen
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  • 「直訳しても通じない」例も満載の、とても面白い本「『欧米人が沈黙するとき 異文化間のコミュニケーション』直塚玲子著・英語版も出ている。しまい込んで見つからないのでタイトル思い出せず)をまた引っ張り出してみた。31年前の本だが、今でもやはり面白い。少々引用したい。
  • <「この間はどうも・・・」と"Yes, darling, I love you."★「この間はどうも・・・」が欧米人に与える心理的負担は、「おまえを愛しているよ」と、時には言ってもらいたがっている日本人の妻を前にして、夫が感じる心理的負担に似ている、と考えるとわかりやすい>
  • <欧米人にとっては、面と向かって非難されたり拒絶されたために、感情が傷つけられたと考えるのはおとなげないことである。(略)はっきりいわずにほのめかされると、甘やかされた子供なみにオトナが扱われることになり、彼らはひどい侮辱を感じる。(略)欧米的配慮とは、はっきりと言葉で表現>
  • <日本的配慮は、これとは対照的だ。あからさまにものを言うことは、日本では、相手を侮辱することになる。(略)馬鹿正直に何もかもしゃべらずに、氷山の一角だけをのぞかせておいて、その全貌を推測するのはきき手にまかせるのが、相手を傷つけない日本的配慮である。>
  • <欧米人も、相手とけんかでもするつもりでなければ、「ピアノの騒音ががまんできないから、すぐ練習をやめて下さい」という直接的な表現は使わない、という。やはり、一種の婉曲表現を使って、相手の感情を傷つけないように上手に言う。それがtact(如才なさ)である。(続く)
  • 続き<これは、直截さ(directness)とていねいさ(politeness)を結ぶくさりである。(略)これは、日本的婉曲表現とは似て非なるものである。日本では、家族に病人でもいない限り、子供や主人のことを引き合いに(略) 欧米的婉曲表現は、日本人には直截な表現とうつるのである
  • 小見出しに「アメリカ人の言語至上主義と勘違い」とあるように、彼らはまさしく言葉を信じ切っている、と言えそうだ。
  • 日英語の表現の違いがよくわかる簡潔な例は、例えば日本のオークションでは出品者は「よろしくお願いします」と書き、英米では出品者は「Happy bidding!」とか「Good luck!」と書く。相手にものを提供して勧めるときに「Enjoy!」と表現するのに似ている。
  • <アジア・グループと欧米グループの意見が、はっきり対立したのは、誠実の定義だけであった。(略) 日本人の型にはまった挨拶・謙譲表現・自分が悪くないのに「すみません」とあやまる、オーバーに人を賞める、などはすべて、欧米人の目には”不誠実な行為”とうつる。>
  • 中高英語教育での「オーラルコミュニケーション」と称する「買い物・道案内練習」よりずっと大事な点だと思う。<ある文化に固有の言語表現(たとえば、「どうぞよろしく」とか「この間はどうも」など)を、他の言語にそのままうつしかえることは、元来無理なことなのかもしれない>
  • <文化を異にする人々が、英語でコミュニケーションをする機会が、最近とみにふえてきた。(略)日本人の立場は、何故、無視されるのか、を考えると、アメリカで味わわされた屈辱感--意見を言わなかったために、虫けらのように扱われた体験--が、痛みを伴って思い出される>
  • <「娘をよろしく」「こちらこそ、どうぞよろしく」 外国の母親たちは、日本の母親がちが良く使う前述のような挨拶をするのだろうか。大多数の人々(被験者中78%)は、拒否反応をおこしている。ただし、日本学を研究中のタイ女性や、日本が大変気に入っている南ア連邦の男性は、好意的に評価>
  • <外国人は、なぜ拒否反応をおこすのだろうか 日本語の挨拶を英訳してみると、日本語と英語の構造上の違いが、はっきり浮かび上がってくる。英語では、文を構成する上で、誰に、何を。たのむのかは不可欠の情報である。ところが、日本語では省略できる。(略)心情的側面を強調する表現が好んで>
  • 以上、『欧米人が沈黙するとき』から引用終わり。
  • 「『欧米人が沈黙するとき 異文化間のコミュニケーション』(直塚玲子著)によると、「わたしのまずい英語をご勘弁ください」)Please forgive my poor English.」という日本人の表現も他国人(欧米に限らず)に「滑稽」「嫌味」などと感じられ、不評だそうだ。
  • この本は30年以上前に出版されたものだが、内容は(ネットの発達によるさらなる「国際化」により若干のアップデートは必要かもしれないものの)ちっとも古くない。<批判を歓迎するのが欧米的タテマエ>なども、そうだなと同感。
  • <外国人グループに対してサンプリング調査。例を挙げた上で「日本的婉曲表現をどう思いますか」という質問に対し、「好意的意見13%」、「中立的意見または条件付き賛成34%」、「感情的反発28%」、「道義的反発25%」>(同書)もちろんこれが絶対ではないが、日本人から見ると面食らうかも
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