じゃがいもとかじゃがいもとかじゃがいもとか
- futaba_AFB
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じゃがいもはもともとアンデス原産の作物で、これは中央アンデス高地が雨季と乾季に分かれていて冷涼な土地のため地下に養分を蓄える、すなわち芋を作る植物が多く、この特性が後々のじゃがいもが世界に広まる特性を手に入れた原因となってきます。
2013-01-14 11:28:09とはいえ、野生種のじゃがいもは毒が多く、芋もピンポン球大で小さく今食卓に登っている全ての野菜や穀物がそうであるように、じゃがいもが普及するにも栽培化と呼ばれる人の手による改変が行われました。
2013-01-14 11:32:38じゃがいものきた道の著者山本紀夫氏はじゃがいもが栽培化された過程を、アンデス高地に人が住み着いたことにより薪取りのための森林伐採、移動によってできた踏跡、蓄積された排泄物などによって、従来の生態系が変化し、さらにラクダを家畜化しリャマやアルパカを作り出す中で
2013-01-14 11:35:45人の管理下に置かれたこれらの家畜は糞尿を大量に残すことになり、糞尿が持つ高栄養分(この場合は窒素になります)に適応した植物が人間の生活圏の中で群生をはじめることになり、人間の生活に適応したこれらの雑草の中にじゃがいももあったのではないか?と述べています。
2013-01-14 11:38:50人間の生活に適応したといっても、まだこれらのジャガイモは栽培化の途中で芋の中にはソラニンという毒を持っており、アンデスではこの野生種のいもを毒抜きするために発達したであろう、技術が今も残っており
2013-01-14 11:46:43これはアンデス高地の1日の気温差が激しいことを利用した方法でジャガイモを均一に広げ、夜になると氷点下になって凍ったジャガイモが溶け出し、これを数日繰り返しブニョブニョになったジャガイモを踏んで水抜きするという方法で
2013-01-14 11:49:54ソラニンはじゃがいもの細胞の液胞に含まれているので、水抜きすることで毒抜きすることができ、さらに完走させることによってじゃがいもの水分が多く腐りやすく重いという欠点も解消することが可能になります。
2013-01-14 11:53:31製法は高野豆腐や棒寒天にそっくりで、現地ではチューニョと呼ばれ保存食として珍重されていたようです。 http://t.co/cTaNTypT
2013-01-14 11:57:28チューニョの製造風景はこんなかんじで、たまにテレビとかで見かけますよね。 http://t.co/0fXm6GCo
2013-01-14 11:59:38でもって、今ではどうもスーパーでも売ってそうです。 http://t.co/FnP3PaWz
2013-01-14 12:00:30アンデス高地の住民たちはこうして野生種のじゃがいもを毒抜きしながら食用にすることで、シカやラクダを中心とした狩猟と自然採集をしていた生活から、作物の栽培化、野生動物の家畜化を徐々に勧め耕作と牧畜の生活へ移行したようです。
2013-01-14 12:03:57とはいえ、これらの話は紀元前のはるか昔の話でまだまだ研究が進められている途中なので、そういう説がある程度なのですが、とはいえじゃがいもの栽培化に成功したのは紀元前5000年頃と見られておりこれらによってアンデスの人たちは自給自足生活を可能にし定住化が初めて可能になったようです。
2013-01-14 12:07:44このように採集生活から農業を中心とした定住生活に移行するのを農業革命と呼ぶことがあり、これによって生活における余剰時間や余剰食料を手に入れ人口増や文化の発達を促したというのは、教科書によく乗っている話ですね
2013-01-14 12:12:13(まだ研究中でコンセンサスが取りきれているわけではないようですが)アンデス高地の農業革命が特異なのは、他の地域では小麦や稲などの穀類が中心的な役割を果たしたのと違い、アンデスではどうやらじゃがいもが中心的な役割を果たしたようです。
2013-01-14 12:14:39@futaba_afb あと、アンデス高地の農業が特異なのは、大河が無い場所での農耕というのもあるかも。まあ、アステカもマヤも大河の無い場所で発達した農耕という意味では特異か
2013-01-14 12:16:30他の地域で穀類が農業革命の中心を担ったのは、小麦や稲どちらも重量あたり作付面積あたりのカロリーが高い作物でなおかつ乾燥させれば軽量で保存が長期にわたって可能だったからと考えられ、
2013-01-14 12:18:58.@a_nightbreed 大河が無い代わりに、湖からの灌漑利用した農業をやっていたようです。スカ・コリュで検索すると出てきます。これもすごいのですが、よくわからない所も多いので今回は触れませぬ
2013-01-14 12:20:58じゃがいもが他の地域で主食として近世まで広がらなかったのは、水分が多い事による貯蔵のしにくさと保存性の悪さのようです。
2013-01-14 12:22:06一方アンデスではティワナクなど高度4000m前後のほとんどの作物が育たない場所で都市が発達し、冷涼な土地でもよく生育するジャガイモが主食となり、温かい低地では灌漑と階段耕地でトウモロコシの栽培をしていたようです。 http://t.co/9ofOn34C
2013-01-14 12:28:40昔はトウモロコシが主食と考えられていたのですが、遺跡の発掘や人骨のコラーゲンから生前食べていたものを調べる技術の開発なので、どうもトウモロコシは主食と言うよりは宗教的な意味合いのあるハレの食材として使われていたようです。(チチャ酒などなど
2013-01-14 12:33:06そんなじゃがいもが世界に広がるきっかけになるのは、スペインによる中南米征服になるのですが、じゃがいもがヨーロッパに初めて輸入されたのは諸説あるなかでも1565年から1572年の間で最初は松露にそっくりなきのこの一種だと思われていたようです。
2013-01-14 12:42:39ちなみに松露ってこんなきのこだそうで、たしかに洗ってないジャガイモそっくりですね https://t.co/V3nCJoxb
2013-01-14 12:43:20というわけで、やっとここら辺から数百年かけて、まおゆうでのジャガイモの話が史実ではどうなったかという風になるのですよ(漫画1巻しかみてないですが
2013-01-14 12:44:57最初にじゃがいもが上陸したスペインでは実はあまりじゃがいもの栽培は活発にならなかったそうです。もともと冷涼な土地に適応したじゃがいもはスペインの日照時間が長く温かい土地には向かず、むしろトウモロコシのほうがスペイン、ギリシャイタリア、ユーゴなどヨーロッパ南部に広まったそうです
2013-01-14 12:47:11そもそもじゃがいものような食べ物に慣れ親しんでいなかったので、16世紀でも食用に食べさせている記録はちょくちょく有るようですが、実際のところ食べ物としてそもそもあまり見られていなかったようです。
2013-01-14 12:48:18