クリントン国務長官の退任で懸念される米国の「リバランス」の将来

クリントン国務長官やキャンベル国務次官補が退任した後の米国のアジア太平洋地域に対する「リバランス」の政策は継続されるのだろうか。懸念が全くないという訳ではない。
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fj197099 @fj197099

米長官が初明言「日本脅かす、いかなる行為にも反対」日米外相会談(http://t.co/WWB1lKbo)…クリントン国務長官は記憶に残る中で日本にとっては最も良い国務長官の一人である。その良さはカート・キャンベル国務次官補とのタッグで成立していた。だが二人はもうすぐ退任である。

2013-01-19 11:35:23
fj197099 @fj197099

オバマ政権は国防予算削減の中でも一応「リバランス」と言ってアジア太平洋に対する関与強化を宣言したが、それを主導したのもクリントン&キャンベルで、オバマ本人が流れに乗るのはしばらく時間がかかった。すなわち、クリントンらがいなくなった後、オバマがどこまで路線を継続するかに不安がある。

2013-01-19 11:37:09
fj197099 @fj197099

オバマは本質的に内向き志向な人間だと言う印象が強い。アフガン、イラクという二つの戦争から手を引き、国内の福祉充実に力を注ぎたいと思っている。だから海外での米軍活動を抑制し、同盟国には負担増を求め、戦略的ライバルとは(同盟国に不利益が出ても)手を結ぼうという志向ではとの懸念がある。

2013-01-19 11:38:57
fj197099 @fj197099

第一期のオバマ政権が誕生した直後のやり方がそうだったのだ。オバマ政権はロシアとは関係の「リセット」を追求し、中国とは「G2」や「戦略的再保証」の関係を追求し、イスラム世界とも「和解」を試みた。その殆どは他者の行動について楽観的な思考に過ぎるものであったのでうまくいかなかった訳だ。

2013-01-19 11:40:45
fj197099 @fj197099

すなわち、ロシアはプーチンの返り咲きによってこれまでになく権威主義的、欧米的価値に挑戦的な傾向を示している。中国の拡張主義も米国の軟化姿勢を一つの背景として2010年来、顕著になった。イスラム社会でもテロを根絶できず「アラブの春」での民主化は良かったが、新政権は反米色を増した。

2013-01-19 11:42:28
fj197099 @fj197099

これに対して、米国も失敗から学んで対応してきてはいる。それがアジア太平洋地域への「リバランス」であった訳だし、またリビア空爆への積極的関与であったと言える。ただ、リバランスは国防予算の削減で骨抜きになる危険があるし、リビア空爆も米国の関与は最低限のものでしかなかったのである。

2013-01-19 11:43:58
fj197099 @fj197099

しかも、そうした米国の積極姿勢を支持してきたのは、基本的にはクリントン国務長官だったのである。クリントン長官は(米国の相対的衰退と言われる時代でも)「米国が世界において影響力を保持しなければならない必要性を明確に理解していた。同盟国にとっては心強い米国のリーダーの一人であった。

2013-01-19 11:46:18
fj197099 @fj197099

その路線がオバマ政権第二期でどう変化するかは同盟国にとって重大な課題なのである。クリントンが退任し、新国務長官(ケリー)がキャンベルの支援も得られなくなれば、新国務長官は尖閣の問題などにクリントンほど慎重で繊細な対応を示さなくなるかもしれない。中国との宥和を優先するかもしれない。

2013-01-19 11:47:59
fj197099 @fj197099

日本としては、米国に対して米国自身のアジア太平洋戦略にとって日本という存在が極めて貴重であることを、オバマ政権二期目の要人に最初から刷り込んでおく必要があるのである。その意味で早期の安倍訪米は望ましいが、しっかり身のある協議ができるよう、日本もリーダーが力を持たねばならない。

2013-01-19 11:49:49