雑誌というフォーマットはどこへ行くんだろう。

マガジンハウス編集者、池田美樹(Ikeda_Miki)さんのツイートと対話をまとめました。 そういえばtogetterのカテゴリ「カルチャー」下にも「書籍」はあるけど「雑誌」は無いのか。
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池田美樹(ikeda_miki)さんのツイート、その前段

池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

正月明けから田端信太郎氏の著書『メディア・メーカーズ』を読んだり小林弘人氏のWIREDでのインタビュー「そして雑誌はやがてアンバンドル化する」を読んだりしてメディアのリニア/ノンリニア、バンドル/アンバンドルということについてずっと考えているんだけど…。

2013-01-11 10:22:57
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

私の主フィールドである雑誌でいうと、編集者には「リニアであることが当然であり、読者は編集長の考えた順番でパッケージ化されたコンテンツを消費すべし」という考え方が、そこに空気があることを意識せず呼吸していることのごとく当然のこととして刷り込まれている。

2013-01-11 10:23:06

■お題:雑誌の未来はどこにあるのか。

池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

けれど、対象とする読者達はもうリニアなコンテンツ提供を余計なおせっかいと感じているのが実際のようなので、雑誌パッケージはブランドとして継続しつつそのブランドネームの中でアンバンドル化された記事を(大量に)WEB等で出していくのがいいんじゃないかな。

2013-01-11 10:23:44
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

現場にいて、雑誌というパッケージ一つを作るための時間と労力があまりにもかかりすぎていると感じるので、その力をアンバンドル化したノンリニアな情報発信に分散していくのが有効なのでは。

2013-01-11 10:24:19
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

出版社の名を冠したWEBは主に「雑誌の内容を紹介して購買に結びつけるように」といったケチくさい作り方をしているから読者に見向きもされないんだよね。スマートフォン対応すらしてなかったりするし。

2013-01-11 10:24:57
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

「まったく関係のない第2特集」「関心のないテーマ」がウザい、という読者ばかりなのだと実際にこの耳でも聞き、「雑誌で思いがけない情報に出会う喜び」が原動力だった私の原体験はもはやノスタルジーに過ぎず現代の読者に押しつけるべき考え方ではないと知って衝撃を受けた。

2013-01-11 10:25:58
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

それは自分の存在意義が根底からひっくり返るくらい驚きの気づきだったけど、新しい時代に踏み出して行くにはノスタルジーのとらわれを破る必要があったんだろうなと思う。今後も、エディターとして、行動しつつ、考察を深めます。

2013-01-11 10:26:54
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

そういうお仕事だったら喜んでやりたいけどね♡

2013-01-11 10:30:28
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

「雑誌名」というブランドを持ってるのは大きな強みなんだからさ、発想を変えてがんばろうよ、雑誌を出してる出版社!

2013-01-11 10:35:17

■佐久間功(biz_sakuma)さんとの対話


佐久間 功(編集/執筆)DM開放中🎣🚙🏕🛶🐟🚗📚 @Biz_Sakuma

今朝の @IKEDA_MIKI さんの雑誌に関する連続ツイート、部数少なめの「趣味雑誌」畑の人間でも大いに同意できる。特に雑誌名というブランドの強さって、出版社の人間が一番信じてないんじゃないか?と思えることも多々あったな…自分たちの雑誌で育った著者を大切にしない、とかも含めて。

2013-01-11 11:05:34
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

@Biz_Sakuma 雑誌名ブランドは本当に強いですよね。WEBにコンテンツを切り出すことだけが解とは思わないのですが、まずできることといえばそこかな、と思っています。

2013-01-11 11:07:56
佐久間 功(編集/執筆)DM開放中🎣🚙🏕🛶🐟🚗📚 @Biz_Sakuma

@IKEDA_MIKI はい。一方で「切り出しやすい誌面を作る」なんて始めると、雑誌の良さがなくなってしまうので、その辺なんでしょうね。昔は一見無関係な第二第三特集でも、精神性とかキャラとかが雑誌全体として絡み合っていたけど、最近はひとつの特集内でさえも記事が孤立化しがちかも…。

2013-01-11 11:18:10
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

@Biz_Sakuma 個人的には「思いがけないものに出合う」経験は残しておきたいところなんですけれど、その出合い方を変えてやる必要があるのかな、という感じですかね。

2013-01-11 11:23:27
佐久間 功(編集/執筆)DM開放中🎣🚙🏕🛶🐟🚗📚 @Biz_Sakuma

@IKEDA_MIKI そこが雑誌のおもしろさであり、雑たるゆえんだと思いますが…昨今は「見慣れないものに関する拒否感が非常に強くなっている」気がしますね。そのへん昔以上に難しいけど、面白いところかもしれません。

2013-01-11 11:33:04

■Kiyoshi Hara(discardedbacon)さんとの対話


Kiyoshi Hara 🥓 @discardedbacon

@IKEDA_MIKI 新聞も雑誌も一部、一号の中ではノンリニア性が確保されるメディアだと思います。ランダムに、直感的に情報にアクセスするのに、今でも紙は有効。ただ一度パッケージしてしまうとそこで(今週になったらもう先週の記事は読めなくなるというように)、リニアになるんですよね。

2013-01-11 11:18:19
Kiyoshi Hara 🥓 @discardedbacon

@IKEDA_MIKI ではWebに載せればそれでいいかというとそうでもなくて、これはコンテクストの切り替えなので、同じコンテンツでもどういうコンテクストであるのか、をきちんと考える必要があります。雑誌のサイトに不足してるのはそこだとおもいます。

2013-01-11 11:19:53
Kiyoshi Hara 🥓 @discardedbacon

@IKEDA_MIKI 自分もこの辺はいろいろ考えたんですけど、結局どのようなメディアを利用するとしても、きちんとしたnarrativeを組み立てないとお客さんは見つからないという、コンテンツ制作の原点に返っていくのだろうと思います。

2013-01-11 11:23:27
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

@discardedbacon 私の考えは、雑誌のコンテンツを切り出すのではなく、その雑誌のカラーをまとっていながらまったく違うノンリニアなコンテンツをWEBなりで出して行くという方法なんです。経験があるのですが、「切り出す」のはなかなかうまくいかないケースが多いですね。

2013-01-11 11:25:17
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

@discardedbacon そのために雑誌名を「ブランド」と立てればいいと思うんですよ。たとえば「アンアン」なら恋愛テクニックがともかく毎日20本ずつ更新される、みたいな感覚。雑誌は好きに編集長にリニアで作っていってもらってもいいと思うんです。

2013-01-11 11:26:40
池田美樹 IKEDA miki @IKEDA_MIKI

本誌がWEBと連動、というのもあんまりうまくいかないと思う。本誌は本誌で特集を作って、その大きなくくりの中でWEBはまったく違う記事を1日20本更新するとかね。書き手の育成にもつながるし。

2013-01-11 11:30:12
Kiyoshi Hara 🥓 @discardedbacon

@IKEDA_MIKI なるほど、これは有効な手法かもしれないです。ただweb上だとブランドは結局後付けになるんじゃないかと。検索にひっかかったりソーシャルメディアで回って来たのが、「そういえばananだったっけ」という。それぐらい敷居が低なってるというのはあると思うんですよね。

2013-01-11 11:39:48