一介の牧師の見るアルジェリア人質事件の原因

masaki tomita @stayfoolish_me

日本人が殺されるようになるだろう、という事は、10年近く前にマレーシアにイスラームの勉強に行かせてもらった時に、マレーシアのムスリムから聞いていました。アメリカの戦争に追随する日本の国民からも死者が出るだろう、と。「愚かだねえ、くっくっく」と笑ってました。

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イスラームは専守防衛です。攻められたら戦う。入られたら追い出す。それだけです。あちこちで起こっているテロや虐殺も、アメリカによって殺されたおびただしい数の犠牲者の数に比べたら、微々たる抵抗でしかないのでしょう。

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そう、思い出しました。ぼくがマレーシアに行かせてもらったのは、自衛隊のイラク派遣が決まった直後でした。それを受けて、マレーシアのイスラーム関係団体の人たちが、「日本人もいずれ殺されることになるだろう」と言っていました。アメリカに日本が諸手を上げて追随したからです。

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もともとムスリムたちは大抵親日派でした。あのアメリカに世界で唯一実戦で2発も核兵器を落とされ、大変な思いをした可哀想な国、しかし戦後復興して世界に名だたる先進国になった尊敬すべき国として好意を持たれていたのですね。

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でも当時首相だった小泉氏がブッシュ大統領と随分仲が良さそうなパフォーマンスを見せつけるので、「これはおかしいな」「小泉はアメリカの犬だ」と、日本に裏切られた気分を抱く人が増えていったのですね。

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そしてアメリカに追随して軍隊を派遣した時点で「日本には裏切られた」という印象が決定的になってしまったという感があります。

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繰り返しになりますが、イスラームは「専守防衛」です。しかし、アメリカによる軍事行動は加害行為であると捉えられていますし、あれほど大規模な武力を持つ軍隊の横暴や、それに追随する国に対して、追い詰められた小規模グループがテロ活動を行うなどというのは、彼らにとっては正当防衛なのです。

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また、ムスリムにとっては国境というものは無く、世界中にいるムスリムは全てウンマと呼ばれるイスラーム共同体の一部だという考え方もあります。ですから、中東で起こっていることは中東だけの問題ではないと捉えるムスリムもいます。

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それから、ムスリムの中には国民皆兵というか、軍隊と一般市民という区別をしない考え方があります。専守防衛ではありますが、被害を受けたら、一人一人が戦士です。その上で地球の反対側の被害も同じウンマに生きるものとして他人事でないと考える人が民間人に報復するという事もあるということです。