メディアスクラムの軽減に向けたある記者の提案・回想

隅俊之/Toshiyuki Sumi @sumi_toshiyuki

メディアスクラムの問題。議論を前に進めないと。関西にいた時の０４年に犯罪被害者や遺族の権利を明記した犯罪被害者基本法ができた。これは当事者にもかかわらず司法制度の枠外に放置されてきた犯罪被害者が自ら立ち上がって署名活動を続け、ようやく実現したものだった。（続）

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（承前）基本法の成立を受け、各都道府県警では捜査員とは別に警察官が被害者支援要員として、被害者や遺族に付き添い、身の回りの不安などの相談にも乗るようになった。当時、遺族や被害者の会合で話をしていて思ったのは、こうした仕組みをもっと発展させられないかということだった。（続）

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（承前）自分が事件取材の現場から外れてしまったけれど、その後、遺族の方が県警を通じて、コメントを明らかにするケースが目立つようになったと思う。コメントが被害者支援要員を通じたものなのか不確かだけど、こうした枠組みはメディアスクラムを避けるための一つの方法になると思う。（続）

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（承前）遺族の方と話をしていて、こうした役割は犯罪被害者の支援に関わった経験のある弁護士が担うのがいいのではないか（その後の民事、刑事のフォローもできる）といった意見もあったし、やはり初期の段階で遺族のそばに付き添いやすいのは警察官ではないかという意見もあった。（続）

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（承前）それから、こうした枠組みは記者クラブを通じてなら機能しやすいけれど、じゃあ雑誌の記者の人はどうするんだとか、民放でも報道局ではないセクションからの記者はどうなるんだとか、そういう意見というか課題も残っていたように記憶している。（続）

隅俊之/Toshiyuki Sumi @sumi_toshiyuki

（承前）犯罪被害者基本法が成立した頃、関西の新聞社や放送局にもこの問題に熱心な記者がけっこういて、メディアスクラムも含めてみんなで議論していた。その後、異動でばらばらになってしまったけれど、あの議論をもっと具体化していけば、メディアスクラムを防ぐ手だての一つになると思う。（続）

隅俊之/Toshiyuki Sumi @sumi_toshiyuki

（承前）枠組みをつくることは取材の制限につながるという懸念もメディアの中にはあると思うけれど、当事者である被害者や遺族の方と話をしながら現場の記者が感じたことだったから、あの議論の方向は間違っていないと思う。現場の声を社の枠を超えて共有していくことが大事だと。（続）

隅俊之/Toshiyuki Sumi @sumi_toshiyuki

（承前）今もお世話になっているけれど、遺族の方も、時には真っ向から反対意見を交わすことはあったけれど、報道の重要性を本当にものすごく理解してくれていたから、余計に、もっと良い取材をしたいし、もっと良い報道の枠組みを作れたらと思う。

隅俊之/Toshiyuki Sumi @sumi_toshiyuki

新聞協会編集委員会の見解は「留意すべき」というもの。最後は現場で取材する記者の行動にかかってくる。現場で遺族にフラッシュをあてたり、取り囲んで行く手を阻む行為が、自分でも嫌悪感を感じるのは、自分の心に聞けばすぐに分かることだ。（続） http://t.co/Vcrwz9JW

隅俊之/Toshiyuki Sumi @sumi_toshiyuki

（承前）だけど、遺族や被害者が何かを社会に向けて発信するラインは断つべきじゃないと思う。だから枠組みが必要。さっき書いたような００年ごろから遺族や被害者の方と記者たちが現場で話し合って来たことが叩き台になるべき。いま現場にいる記者はそれを強く感じているのだから、声もあげるべきと。

隅俊之/Toshiyuki Sumi @sumi_toshiyuki

（ついったーの議論は、けんかしてどっちが勝ったか負けたかに利用してもしようがないよ。次に何を生むかのために使わないと。せっかく、すんごいメディアが僕らのとこにやってきたのに）