低線量率・長期被曝は高線量率・瞬時被曝と比べて発癌リスクが下がるのか?そして集団線量を用いることの妥当性について。

ICRPが採用しているDDREF=2は動物実験を根拠にしたものであり、人間に関する種々の疫学データを見ると、低線量率長期被曝の方が高線量率瞬時被曝より発癌リスクが下がるという根拠は乏しいようです。
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早川先生とみーゆさんのやりとり

早川由紀夫 @HayakawaYukio

ところで、20シーベルトから0.1シーベルトまでのがん死は直線的なの?(その区間でシーベルトとがん死は比例するの?)

2013-01-26 09:04:14
早川由紀夫 @HayakawaYukio

短時間で1シーベルト浴びるのと、長年にわたって少しずつ結局1シーベルト浴びるのとではがん死リスクが異なると主張した論文あるの?紹介してほしい。読みたい。英語でいい。

2013-01-26 09:06:19
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

累積の被ばく量が同じでも線量率によって癌リスクは変わるんじゃないか、いや、人の晩発性影響においてはあまり違いは無いんじゃないか、という議論は以前から有ります。この論文 http://t.co/aYOEZM8f あたりから辿っていくと便利かと。 @HayakawaYukio

2013-01-26 10:04:04
早川由紀夫 @HayakawaYukio

ありがとうございます。少なくとも論争中ですね。山下俊一が「ちがう」と断定したのは相当勝手だとわかりました。RT @miakiza20100906:

2013-01-26 10:09:18
早川由紀夫 @HayakawaYukio

その論文から The present analysis does not confirm that the cancer risk per dose for LDRMD exposures is lower than for the atomic bomb survivors.

2013-01-26 10:09:54
早川由紀夫 @HayakawaYukio

同 This result challenges the cancer risk values currently assumed for occupational exposures.

2013-01-26 10:10:05
早川由紀夫 @HayakawaYukio

本文ではもっと明確。The studies provide evidence that cancer risk factors for occupational exposures are not lower than for atomic bomb survivors.

2013-01-26 10:13:03
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

以前は「線量率が低い方がリスクも低い」とする考え方が優勢だったようですが、人の晩発性影響を見た近年の疫学では「あまり変わらない」という説を支持するものが多い印象です。いまご紹介した論文も、その内の一つです。 @HayakawaYukio

2013-01-26 10:18:11
早川由紀夫 @HayakawaYukio

たぶんこの図が重要な結果なんだろう。 http://t.co/dwxowjuB 赤が少しずつ長期被ばく(労働者)。青がヒロシマ、ナガサキ。この論文はレビュー論文である。

2013-01-26 10:19:21
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

この件について専門家らがどう思っているかについては、この国際WSでのアンケート結果が参考になります https://t.co/XMs3vMT5 DDREFというのは、例えば、DDREF=2では「低線量率ではリスクが1/2になる」とする係数のことです。 @HayakawaYukio

2013-01-26 10:19:51
早川由紀夫 @HayakawaYukio

@miakiza20100906 もうひとつの私の疑問、「1シーベルトと0.1シーベルトの間では直線的か」はどうですか?

2013-01-26 10:25:08
早川由紀夫 @HayakawaYukio

【解説】少しずつゆっくり被ばくの労働者と、ヒロシマナガサキの被ばく者のがん死リスクがたいして変わらない(同じ)のであれば、1ミリシーベルトのがん死リスクに人口かけて死者数を計算することに合理性があることになります。

2013-01-26 10:27:27
早川由紀夫 @HayakawaYukio

みーゆさんによると、専門家の44.8%が「同じ」と考えているそうです。2010年調査らしい。

2013-01-26 10:29:13
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

固形がんの場合は 1 Svあたりまでなら十分に直線に乗ります。被爆者の場合は→ http://t.co/PaogZLi1  これは他の疫学調査でも同じだったと思います。ただし、白血病のみに限定したりすると話が変わってきます。 @HayakawaYukio

2013-01-26 10:37:40
早川由紀夫 @HayakawaYukio

ありがとうございます。「線量反応関係は線形のようであり」と書いてあるのをみつけました。もちろん図もみました。RT @miakiza20100906:

2013-01-26 10:44:34
早川由紀夫 @HayakawaYukio

ということは、いよいよ、1ミリシーベルトのがん死リスクに人口かけて死者数を計算するのは正当だな。(分野外の素人だからできたのだろう。なんもしがらみないもんね)

2013-01-26 10:45:47
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

ちなみに、甲状腺がんに限定した場合には http://t.co/3F3otszJ の Figure 2 のようになって、おおよそ 2 Svくらいまでは直線とみていいと思います。 @HayakawaYukio

2013-01-26 10:47:25
早川由紀夫 @HayakawaYukio

ICRPの「そういった掛け算するな」は、科学的に不適切なんじゃなくて、政治的経済的に都合が悪いからそういってるんだ。確定。ICRPは原子力利用を促進するためにある組織だから、まあそれは当然ちゃ当然だ。

2013-01-26 10:49:21
早川由紀夫 @HayakawaYukio

これですね。 http://t.co/DoxtgVDt RT @miakiza20100906: ちなみに、甲状腺がんに限定した場合には http://t.co/IUwQTOI3 の Figure 2 のようになって、おおよそ 2 Svくらいまでは直線とみていいと思います。

2013-01-26 10:51:57
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

一つ思い出しました。癌ではなく白内障ですが、2011年にICRPが閾値と被曝限度を大幅に引き下げる声明を出しました https://t.co/2fSQ8BC9 https://t.co/ZJiIEwlM https://t.co/3UYW4OQY @HayakawaYukio

2013-01-26 11:15:22
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

放射線白内障の閾値については、以前は、原爆のような急性被ばくでは低くなり、低線量率の長期被ばくでは高くなると考えられていたのですが、近年の疫学調査で否定され、ICRPすらも「影響は同等」とする見方をとるようになりました。 @HayakawaYukio

2013-01-26 11:16:43
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

私見ですが、近い将来、ICRPは癌リスクについても現在の見解(DDREF=2としています)を撤回するのではないかと予想しています。というか、一度撤回すべきではないかと思います。 @HayakawaYukio

2013-01-26 11:17:37
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

疫学のプロ達は何の躊躇もなく掛け算し、健康被害予測をしている。もちろん、どれ位の誤差を持つかの説明付きで https://t.co/rkCfW693 https://t.co/psRrrtM1 https://t.co/gPTP89Ip https://t.co/8WApocUY

2013-01-26 12:16:33