カピバラさんの語る「科学者の責任」

{白,黒}のカピバラの左随伴右随伴 @ainsophyao

東日本大震災で、原子力発電所が事故を起こした後、科学者の責任という言説が見られた。先に言っておくが、自然科学者が使命感を持つのはいい。科学者の責任を外野が論じるのも問題はない。だが、科学者として責任を感じると述べる自然科学者は人倫に悖る。これほどの恥知らずはそう見ない。

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まず、自然科学者には決定権も問題解決能力もない。震災前に彼らができたことは、せいぜい放射線量の足し算程度だろう。原子力政策に関わる政治家や官僚が、あるいは技術開発や運用をするエンジニアが責任を感じるのは筋が通っている。彼らには回避可能性があった。だが、自然科学者は無能であった。

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次に、代表を僭称している。原子力工学者が、各々自らの責任を考えるのは分かる。だが、工学者も自分も広義の科学者であったことを奇貨として、代表しての謝罪だ。人の尻を自分で背負い込んで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。

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だいたい、原発事故に責任を感じたと称して科学者のやることが、お勉強ノートの公開と講演会ってあたりが馬鹿にしている。こんなの、人を轢き殺した反省と称して、受け身の取り方の本を書くようなものだ。こんなことが許されるなら、強姦した柔道部員は、痴漢撃退の護身術を教える合宿でも開けばいい。

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私はお勉強ノートを公開することが悪いとは思わない。むしろ評価している。そして、シロウトの中では自然科学者がお勉強ノートを公開するに最も適した職業であることは理解できる。もっともそれは責任を取っているのではない。取っているのは、ありもしない取れもしない責任を取っているポーズである。

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私の理解するところ、日本における責任のとり方は、私財を投げ打つか、辞職か、頭を丸めるか、腹を切るか、そのあたりだ。それがお勉強ノートの公開と講演会とは恐れ入る。きっと科学者の地獄には、お勉強ノート地獄と講演会地獄があるに違いない。彼らにとって、これほど怖い地獄があるだろうか。

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こんな当たり前のこと夏目漱石も100年以上前に指摘している。「こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎だとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職になったら、よさそうなもんだ。」そうすればこんな面倒な文章など書く必要もなくなるわけだ。

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決定権も問題解決能力もない人間が謝罪するのはなぜか。そして、謝罪と称して、団体の代表を僭称し、売名を始めるのはなぜか。結局のところ、自分に責任があるという発言は、責任を認めているのではなく、権力闘争なのである。発言権があるかのように振る舞い既得権にするに、これほどよい手段はない。

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無能、僭称、偽善、詐欺師。まったく、美しい顔をして人を陥れるようなハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、猫被りの、香具師の、モモンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然な奴。こういう連中は、責任があると自白したからには、それなりのことはしてもらおうじゃないか。