池谷薫監督『先祖になる』ベルリン国際映画祭リポート

映画　「先祖になる」　公式ツイッター @senzoninaru

【ベルリン・リポート】 結論から言わせていただく。昨夜のワールドプレミア上映は大成功だった！800人収容のDELPHIは、ほぼ満席。さすが映画好きが集まる劇場だけあって、上映中の雰囲気も最高だった。

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涙あり、笑いあり。頑固だけど、ユーモアを忘れない直志さんの姿に客席が深い感動につつまれていく。一言でいえば、実にあたたかなスクリーニングだった。エンドロールが流れはじめるとすぐに万雷の拍手が沸き起こり、それは映画が終了するまでの2分間にわたってつづいた

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『先祖になる』は、そし...て直志さんの奮闘は、間違いなくベルリン市民の心をつかんだようだ。 上映後のQ&Aでも席を立つ人がほとんどいない。映画祭関係者が珍しいことだと驚いたほどだ。

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司会の女性が『先祖になる』の感動を口にした後、直志さんとの出会いを僕に訊ねる。だが、僕には真っ先にしたいことがあった。直志さんから預かったベルリン市民へのメッセージを披露することだ。 「

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｢ガンコ親父です」にはじまるそのメッセージには、世界各国から寄せられた支援に対する感謝がつづられ、直志さんらしい明るくのびやかな言葉で締めくくられている。その全文は次の報告で紹介するとして、ここでも会場は大きな拍手に包まれた。

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そして、司会の女性が僕とカメラの福居さんが一体となって直志さんを捉えていると紹介してくれたとき、僕の中で何かがはじけ飛んでしまった。思わず、福居さんが長男の剛を亡くしていることに触れ、そしてその福居さんがレンズを通して直志さんに向き合っていることを披露してしまったのだ。

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しかも、恥ずかしいことに号泣しながら。それを受けて福居さんがマイクを握る。被災地での撮影にのぞんだ心情を観客に伝えるために。 客席からは、前向きに生きていく勇気をもらった。何かを再建していくことが大事なのは世界共通のことであり、普遍的な感動を持つ映画、という賛辞がつづいた。//