「文芸あねもねR」収録レポート
彩瀬まるさんによる
「二十三センチの祝福」収録レポート
(これからゆるーく、昨晩行われた文芸あねもねR「二十三センチの祝福」の収録について、ご報告させて頂きます。連続でツイート数が多くなります。ごめんなさい。TL埋まっていやな人は気兼ねせずブロックしてくださいね。)
2013-02-19 21:09:51「小説を、声優さんたちに朗読して頂くってどんなことなんだろう」と、実は昨日まで、ぼんやりとしか想像できずにいました。朗読って、淡々と読むってことだよなあ。音楽ならともかく、長い文章を耳で聞くって楽しいのかなあ、と。いまいち、快感のポイントがつかめずにいました。
2013-02-19 21:12:22そんなふわふわとした感覚で、行って参りました文化放送。山手線遅延して焦ったぜ。いつもきりりとお美しい田中敦子さん、ものすごくお茶目でイケメンな小山力也さん、部屋が明るく感じるほど輝いている田中理恵さん、小柄でもう地声から可愛らしい藤川茜さんにご挨拶。
2013-02-19 21:17:59あ、写真写真。左から、小山さん、田中理恵さん、私、田中敦子さん、藤川茜さん、です!ごめんよガチャピンが混ざってて。 http://t.co/XVX2F5KO
2013-02-19 21:21:46写真を撮ったらさっそく収録準備。冒頭が加納とルルコのシーンのため、マイクの設置された部屋に小山さんと田中さんを残し、残りのメンバーとスタッフさんは音声がチェック出来る隣室へ。通りすがりに見えた小山さんの手元の原稿にはブレスの位置や読み方など、本当にたくさんの書き込みが。
2013-02-19 21:27:40マイクチェック。小山さんが冒頭の「お葬式をしました」の下りを読み始めます。その瞬間、隣室の全員が息を飲みました。「いい声…!」「かっこいい…」と思わず田中さんや、少女病の収録にお越し頂いた井上さんと目を合わせて含み笑い。背筋が痺れるような深くて低い、心地の良い声で朗読が続きます。
2013-02-19 21:36:12トリコせんせーより質問が。読み上げ原稿は文庫本ではなく、同じ内容をA4の紙に大きめの字で印字されていました。なんか聞きたいことあるよって方はお気軽にどうぞ。ぜんぶ答えられるかはわかりませんがなるべくお答えします。
2013-02-19 21:37:57なんというか私もともと、攻殻やFate/Zero、24を通じて小山さんのファンで。でも映像作品だとキャラクターの声を、小山さんはやってらっしゃるわけじゃないですか。だから小山さんより、ジャックバウアーや切嗣やクゼが喋ってる感じ。でも朗読ってちょっと違う。小山さんの声がすごく立つ。
2013-02-19 21:41:58エエ声でどんどん朗読が進み、ついにやってきました会話のシーン。セリフの直前、小山さんはすっと息を吸い込み、なんと、声の調子が急に、変わる!「加納」の、人格を持つキャラクターの声。そう、ここは「演技」です。いきなり血肉の通った人間の立体感が目の前にどーん!
2013-02-19 21:46:19それに応える田中理恵さんの第一声。ちょっと恥じらい気味のセリフ。聞いた瞬間、また隣室が「ルルコだ…!」「これはルルコだ…!」と浮き足立ちます。涼しくってもの凄く可愛らしい、普段アニメでお聴きする田中理恵さんの声とは少し違った、生身の女性を意識してくださった演技だと感じました。
2013-02-19 21:49:46本当に「ああ、こういう女の人いる!きっといる!」っていう、生々しさでした。もうそれがほんとに可愛らしくて、たまらない。きっと目を閉じてこの声を聴く人、それぞれの頭の中に、理想のアイドルの姿が浮かぶのだろうなと思いました。
2013-02-19 21:53:59「複数の出演者がいる時は別録りなの?」とご質問頂きました。小説の朗読という特殊なケースですが、今回は、ずっと読み続ける小山さんはずっと録音室で、会話が発生するシーンで他の声優さんがその部屋に出入りする、という形式でした。全員のスケジュールがうまくとれたのが幸いでした。
2013-02-19 21:58:08初めはひたすら「小山さんエエ声すぎる…」「理恵さんかわいい」で飽和していた頭が、朗読が進むにつれて落ちついてきます。よく考えれば、ひたすら何十分も小山さんの声を聞き続けられるってあまりない。あんまりそういうシーンって、他の媒体で少ないですからね。(ナレーションとか?ぐらいかな)
2013-02-19 22:02:48だんだん気づいていったのが、朗読、いわゆる小説の地の文を読む間にも、ものすごくストイックに、抑えた調子で、でも聞き取りやすい、絶妙な具合で、小山さんが演技をしてくださっている、ということでした。
2013-02-19 22:05:15これは、ものすごいことでした。「加納」のセリフは、「加納」です。一人の男性キャラクターの喜怒哀楽をはっきりと演じてくださっている。そうじゃなくて地の文の、特に心情描写の下り、もしくはキャラクターの内面の呟きに近い文章を、じわあ…っと感情がにじみ出すように読んで下さっている。
2013-02-19 22:08:11「二十三センチ~」は主人公が己の伴侶を呪い、彼女の不幸を喜ぶ、というシーンがあるのですが、その辺りにはほとんど会話がなく、主人公の内面を描写する地の文が続きます。とある短い呪いの一行を読み上げる小山さんの声が、本当に「歓び」を色濃く滲ませていて、でも、「加納」の演技じゃない。
2013-02-19 22:11:16面白いんです。ほんとうに。あえて言うなら、小山さんは「一人の人間の、頭の中で、人間は自分へ向けてこんな風に喋る」という演技をして下さったのかなと思います。
2013-02-19 22:13:15やって参りました田中敦子さんによる、主人公の伴侶「芽衣子」のセリフ。「田中敦子に罵倒されたい」党の方に、「文芸あねもねR」は一も二もなくおすすめです。人格を全否定するセリフなのに、もの凄く鮮やかでみずみずしい。娘役の藤川茜さんの声も、鼓膜が溶けるくらい可愛らしい。
2013-02-19 22:19:40小山さんがどーんとしっかりした鋼の器を組んでくださって、そこに三者三様の鮮やかさを持つ女性陣がたくさんの花や果物を盛って下さった。文芸あねもねR「二十三センチの祝福」はそんな豪勢な作品に仕上がりました。
2013-02-19 22:21:52一番最後の方に、主人公の加納のセリフで、なんにももっていない、身を守るものが何もない女の子に対して「大丈夫だよ」と伝えるセリフがあるのですが、私が用意したセリフの何千倍もの温かさを小山さんが声で込めて下さいました。ぜひ色々な女の人に、このセリフを聴いて頂きたいなあと思います。
2013-02-19 22:25:15文芸あねもねR「少女病 近親者・ユキ」及び「二十三センチの祝福」、三月三日より配信予定です!詳しくはこちら!http://t.co/Ufikrh6b 経費を除いた売上の全額を東日本大震災の復興支援に寄付いたします。皆さまのお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。
2013-02-19 22:28:31(ちなみに「二十三センチの祝福」おそらく二時間…か三時間ぐらい、の作品になると思うのですが、なんと文芸あねもね、一話当たりの販売価格は500円です。どうぞよろしくお願いいたします。是非みなさまのスマホにお邪魔させてください)
2013-02-19 22:40:43