機械との競争。久々の、全人類必読本認定!これは面白い!ことごとく萌えポイントを突いてくる。読む前から、ブログのトップに貼って紹介していたが、期待通りの内容だった。http://t.co/dkAd474T
2013-02-20 22:05:02装丁は良いが、紙質が独特でページ数が少なく、文字量も少ない。この手の翻訳本の標準からしたら、10分の1ぐらいの文字量かも。しかしその分、内容は洗練されている。 一言で言うと、機械(IT)の発達により仕事が奪われる、という、何それ普通じゃん、と突っ込みたくなる内容だが、侮るなかれ。
2013-02-20 22:10:26まず、失業者が増えている原因は、1.ポール・クルーグマンらの主張する「景気循環説」、2.タイラー・コーエンの有名な著書による「大停滞」、3.この本の著者らの「雇用の喪失説」があると、明示される。 1はある部分ではその通りなのだが、2の大停滞は、前から、絶対違うだろ、と思っていた。
2013-02-20 22:14:38失業が増えて経済が上手くいっていない理由は、成長が鈍化しているからだ、とするのがコーエンの大停滞説。一方、『機械との競争』では、機械の成長が早すぎてそれに追いつけていないのが原因とする。その通りであろう。 ムーアの法則を出すまでもなく、近年のITの進化は目覚しい。
2013-02-20 22:17:16それによって何が起きているかというと、これも誰でも知っているだが、格差の拡大である。スキルのある人とない人、スーパースターと普通の人(例えば、レディー・ガガが世界で一人勝ちするようになってしまい、街で一番歌が上手いレベルの人は食っていけない)、資本家と労働者、という3つの格差だ。
2013-02-20 22:19:51面白かったジョークが、ヘンリー・フォード2世と全米自動車労働組合(UAW)会長の会話。 機械化の進んだ最先端工場を視察した二人。「ここにいるロボットたちからどうやって組合費を徴収するつもりかい?」とフォードが言うと、「ここにいるロボットたちにどうやって車を買わせるつもりかい?」。
2013-02-20 22:24:32それから、機械に雇用が奪われる、というこれまでの主要な言説だと、単純労働者の雇用がなくなるから知的労働に従事しなければ駄目だ、というものがあったが、実はそれもそう単純ではない。 「スキル偏重型技術革新のねじれ」として、賃金とスキルのグラフがU字を描くと言う。
2013-02-20 22:29:27中間のスキル層が抜け落ちるのだが、実は一部の肉体労働は機械との競争に勝る。【人間は非線形処理のできる最も安価な汎用コンピュータシステムである。しかも重量は70キロ程度しかなく、未熟練の状態から量産することができる】とあった通り、人間の優位性もある部分では高い。
2013-02-20 22:32:24遠い未来はわからないが、少なくとも当面は、ウェイトレスがロボットに置き換わることはない。段差もあり人の行き交う店内を歩き回れるロボットを導入するコストより、人間の賃金のほうが安いからだ。 一方、高スキル層も、安心してはいられない。
2013-02-20 22:35:09別の記事でも読んだが、弁護士などの法律分野や、医療診断分野も、機械に浸食されつつある。むしろ、そういった分野のほうが機械が得意とするところで(少なくとも、店内を歩き回るよりは)、クイズ王に勝った人工知能のワトソン君の例を出すまでもなかろう。
2013-02-20 22:38:13ただし、一つの活路として参考になるのは、今、最強のチェスプレイヤーは、人工知能でもなく、人間でもなく、人工知能と協力した人間(もしくは、人間と協力した人工知能)である、という例だ。それぞれの得意分野を生かして、機械と協力する形が好ましいようだ。
2013-02-20 22:40:28…ま、そんな感じの本です。 真面目に書いてみたけど、ついてこれてますか(笑)。萌えパワーでここまでまくし立ててみましたが…。なんだろ、このワクワク感は何?大多数の人々、労働者にとっての未来は暗いんだけど、なんか明るい気持ちになる。http://t.co/dkAd474T
2013-02-20 22:46:15