- windycatter
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そう言えば、「テレビは何故面白くなくなったのか」と謂うような話がRTされてきたけど、もっと身も蓋もない本質論を言えば、今のビジネス感ではアイディアや企画は個人の単純労働だから賃仕事であって、本当に価値があるのはそれに資本を投じて具体化するシステムだと思われてるからでしょう(笑)。
2013-02-24 00:47:20そのシステムにとっては個人の創意や工夫なんてそんなに価値のあるものではなくて、テレビビジネスの中核となる価値とは、それに資本を投じて具体化するシステムのほうだ、と謂う感覚がある限り、テレビは面白くならないですよ(笑)。
2013-02-24 00:48:39その感覚においては、本当に視聴者を楽しませているのはテレビシステムのインフラであって、個人のアイディアや企画なんて幾らでも取り替えの利く消耗品の燃料みたいなものだと思われているわけでしょう。そりゃあ、そんな前提で面白いものが創れるはずがないですよ(笑)。
2013-02-24 00:51:20「幾らでも取り替えの利くものには価値がない」と謂うのは市場原理からして当たり前でしょう(笑)。だから今のテレビはつまらないんですよ。
2013-02-24 00:53:26今の日本では、コンテンツビジネスにおいても「個々の創意の代替不能性なんて虚構であって、その虚構をインフラのシステムが維持しているんだ」って料簡でしょう。それは普通に市場原理で考えても価値が生み出せるはずがないんですよ。
2013-02-24 00:55:11山に行ってストーブにくべる薪を取ってくるような料簡でクリエイターを扱っていれば、それは面白いコンテンツが出来る道理がない。そう謂うのを文化的な貧しさって謂うんだろうね。
2013-02-24 00:57:35論より証拠で、今のアニメシーンを見てごらんなさい。アニメを創る為の個別の原作なんてストーブにくべる薪以下の扱いですよ。さっきのテルマエ・ロマエの一〇〇万円の話じゃないけどさ、数十億円のリターンを得る為のアイディアを一〇〇万円で買おうと思ってるわけですよ。
2013-02-24 00:59:36んで、しかもその上に、数十億円稼げるコンテンツの中核的なアイディアを提供した人間に一切口を挟ませないようなシステムが出来上がっているわけですよ。それで文芸の世界が面白くなるわけがないでしょう。
2013-02-24 01:01:17もうちょっと詳しく言うと、マンガや小説の原作の映像化権って、間に入っている版元の然るべき部署が勝手に管理している場合が多くて、今は大体そう謂う契約になっているわけね。だから、テルマエ・ロマエみたいに作者の頭越しに話が決まって、もらえるお金まで他人が決めちゃうわけ。
2013-02-24 01:03:44結局ですね、小説やマンガを具体的な雑誌や書籍と謂うパッケージ化して売るシステムのほうに価値があって、そのコンテンツを創造する作業は平準化された労働で、幾らでも代替出来るのだと謂う認識であれば、個々のコンテンツが平準化された大量生産品なのは当たり前なんですよ。
2013-02-24 01:11:58しかし、オレは基本的に自分の考察領域の軸足は文芸のほうだと思っているんだが、ブログにせよSNSにせよ、あんまり文芸の方面で議論が盛り上がった記憶がないな(笑)。
2013-02-24 01:19:34受け手の責任はどうなんだ、と言ってる人もいて、まあそれも一理あるとは思うけどね、結局映画やTVがつまらなくなって、映画やTV見なくなった人が困ってるかと謂うと別に困ってないよな(笑)。困ってるのは、映画やTVの中の人だろう。
2013-02-24 10:51:32だからそれは、映画やTV番組としてパッケージ化するインフラにしか価値を認めず、アイディアそのものなんて燃料みたいなものだと考えれば、そんなの面白いわけないじゃん、と謂う普通の理屈を言ってるわけね(笑)。
2013-02-24 10:53:10それと、たとえば原作を映像化するのに、その映像化のプロセスで手を動かす人がいるんだから、アイディアそのものの寄与する割合は相対的に少ないと言ってる人もいて、それはそれで正論なんですけどね、極端から極端に走るから大体失敗するんですよ。
2013-02-24 10:56:05以前はオレも、「中核となるアイディアだけにすべての価値があるのではなく、中間のプロセスで手を動かす作業者の創意にも価値がある」と謂うことを強調していたけれども、それは「中核となるアイディアに大した価値がない」とイコールじゃないんだよな。
2013-02-24 10:57:17ハリウッド映画の事情なんかを考えてみても、中核的なアイディアにはやっぱり物凄い価値を認めているわけで、アイディアだけの段階で映像化権を巡る凄い争奪戦があったりするわけね。勿論、それを無理矢理ヒットさせるのは産業のインフラなんだけれども、アイディアは消耗品じゃないわけですよ。
2013-02-24 10:59:16だから、極端から極端に走るからダメだって話なんだよね。コンテンツの価値を決定する要素として中核的なアイディアの寄与度も大きいし、中間的なプロセスで手を動かす人の技術や創意の寄与度も大きい。要するにそこで働く人々の知恵には価値がある。システムやインフラにだけ価値があるわけじゃない。
2013-02-24 11:01:22「テレビの視聴率が下がったのはそう謂う理由じゃなくて」みたいなコメントも見当外れだな(笑)。オレがいつ「テレビの視聴率が下がった理由」の話をしましたか、オレが言ってるのは「テレビがつまらなくなった理由」の話ですよ(笑)。
2013-02-24 11:05:26コンテンツ産業のインフラやシステムには、まあコンテンツを流通させて中ヒット以上を実現する力があることは事実なんだけれども、それはコンテンツのアイディアや創造性なんて嘘っぱちで、あんなのは大量生産のプロダクトだってことじゃないんだね。
2013-02-24 11:11:41パッケージ化し流通させるシステムにだけ値打ちがあると勘違いしていたら、短期的にはそれで回るかもしれないけれども、中長期的にはそのパッケージの中身が痩せていって、システム全体のパフォーマンスが下がっていくと謂うのは、そんなにわかりにくい理屈じゃないでしょ(笑)。
2013-02-24 11:13:00フロックで大ヒットした作品ってビジネス的な意味では美味しいんだよね。ビジネスサイドでは、大ヒットと謂う事実は作品の価値とかじゃなくて、マーケティングデータであって、これだけハケてるコンテンツなんだからこのくらいのマッスを掴んでると謂うデータに過ぎないわけだ。
2013-02-24 11:24:43それが一〇〇万で買えるんだったら賢い買い物でしょう(笑)。でも、中長期的な観点で考えると、そう謂う商売のやり方はコンテンツがつまらなくなっていってじり貧なんだよね。まあ、そう謂う話。
2013-02-24 11:25:56そう謂う商売のやり方って、要するに狩猟採取的なやり方で、自然発生的に出てくるマーケティング上堅いアリモノを消費しながら回していくビジネスだから、何にも育ててない以上、漁り尽くしたら枯れるのが当たり前だよね、と。
2013-02-24 11:28:37そう謂えば、オレは若い頃は小説って文章力や小説技法が重要で、ネタそのものはそんなに重要じゃないと思っていたんだけど、やっぱりその考え方は間違っているね。文章力も技術もある種平準的なスキルに過ぎないけれど、受け手が読みたがっているのは上手い文章や巧みな小説じゃないんだ。
2013-02-24 11:33:31